南米スペイン語圏の発展へ 弘法の念強く

―折伏の喜び-自他の幸せ願って―
(『大白法』H25.9.16)

 本年、アルゼンチン布教所は開所15周年を迎えた。
 今回紹介するグロリア・ロドリゲスさんは、チリ人ながら、アルゼンチン信徒グループの副総連絡員として布教所の護持発展を支える信徒の1人である。グロリアさんは温厚篤実な方で、他信徒からの信頼も厚く、信徒組織の中心的役割を担うかたわら、自らの自宅を座談会会場として提供し、毎年多くの方への折伏を成就している。
 また、多くの信徒が折伏を行う際、グロリアさんに協力を依頼して共に折伏に当たっている。
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自己紹介を兼ねて、入信したきっかけをお聞かせください。
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〈グロリア〉私はグロリア・ロドリゲスと言います。チリ共和国サンチアゴ市出身の56歳で、アルゼンチンに移り住んで8年が経ちます。今から33年前の1980(昭和55)年、サンチアゴに住んでいたときに、この仏法と出会いました。私に大聖人様の仏法について話してくれたのは私の友人の恋人でした。彼自身は信心をしておりませんでした。話を聞いてこの仏法にたいへんに興味を持った私は、彼に会合が行われている場所を聞き、訪ねました。
 そこは、当時私が住んでいた家の近くのお宅でした。それから毎日、早朝に勤行を行うため、そのお宅に通うようになり、簡単ではありませんでしたが少しずつ教学も学ぶようになりました。
 仏法の教えはたいへん興味深いものでした。因果や業に関する教えの中に、私が小さい頃から懐いてきた多くの疑問に対する答えがありました。
 こうしてその年、私は仏教徒となる決意をし御授戒を受けたのです。しかし、特に父から強く反対され、御本尊様を御下付戴いた後、勤行は自分の部屋で隠れながら行い、時には夜通し唱題したこともありました。

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大聖人の仏法を信仰して強く学んだことは何ですか?
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〈グロリア〉私は大聖人様の仏法、特に折伏行の実践を通して、折伏を成就するためには、まず自分自身がしっかりと仏道修行に邁進していることが大切であると学びました。
 他にも、何事においても他人(ひと)のせいにすることはせず、常に自らを省みて改めるべきところを改めること。現実を受け入れ、その原因から多くを学ぶこと。他人は自らに多くの学ぶべきことをもたらしてくれる大切な存在であるゆえに、忍耐力と謙虚さを持ち合わせるべきこと等、学んだことを挙げれば際限がありません。

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グロリアさんは毎年多くの方を折伏し、また多くの方の折伏をお手伝いしていますね。その原動力になっているものは何でしょうか?
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〈グロリア〉それは、折伏を実践することで御本尊様に対する御恩に報いることができると思うからです。
 また、他の幸福を心から願うとき、自然と会話は大聖人様の仏法に関する話題に向かいます。そうしたときに感じる喜びの大きさは、言葉では言い表わせません。
 現在は、アルゼンチン布教所の近くに住み、教えを求めて布教所を訪れる新来者と知り合える機会に恵まれています。折伏の成就はけっして容易ではありませんが、常に弘法の念を絶やさないように心がけています。

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これまでに3度、登山されていますが、グロリアさんにとって登山によって得られるものとは河ですか?
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〈グロリア〉もちろん、登山で最も重要なことは、本門戒壇の大御本尊様への内拝を許され、御法主上人猊下の御指南を直接拝聴できることです。登山中、大聖人様の仏法を信仰できる大きな喜びを再確認し、1人でも多くの人にこの教えを弘めると改めて決意し、それを成し遂げる活力を倍増させることができます。
 また登山は、サポートスタッフ等の日本のご信徒の振る舞いを通して、あるいは交流する中で、他人への敬意、配慮、優しさ等、日蓮正宗信徒としての模範的な姿勢を学ぶことができる絶好の機会でもあります。
 アルゼンチンから大御本尊在(ましま)す日本はけっして近くはありませんが、許されるならば何度でも登山させていただきたいと、常に願っています。

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最後に今後の抱負をお聞かせください。
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〈グロリア〉御法主日如上人猊下の御指南に随い、自らの御本尊様に対する信を深め、行学を増進し1人でも多くの方への折伏を遂げること。そうして御命題である2015(平成27)年までに信徒数50パーセント増、2021(平成33)年までに百パーセント増を必ず達成させること。また、アルゼンチン布教所の寺院昇格もそうです。
 私の生まれ故郷であるチリをはじめその他の南米スペイン語圏諸国における御僧侶の常駐は、私たちアルゼンチン信徒の目標でありますが、それらを達成できる唯一の方法が、折伏の実践と入信者の育成であると思います。大聖人様の、
 「受くるはやす(易)く、持つはかた(難)し。さる間成仏は持つにあり」(御書P775)
の御金言を心肝に染めて、これらの目標の達成に精進していくことが、私の今後の抱負です。