海外広布
オーストラリア広布

面積:約7,692,024ku(日本の約20倍、アラスカを除く米とほぼ同じ)
人口:2,215万人
住民:アングロサクソン系等欧州系人が中心
言語:英語
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 オーストラリアは、カンガルーやコアラで象徴される固有の生態系を持つ動植物が多く生息し、世界で6番目に広い面積を持つ国である。珊瑚礁が広がるグレートバリアリーフをはじめ、50,000キロメートル以上に及ぶ海岸線は変化に富み、その国土には鉄鉱石や銅などの鉱物資源に恵まれ、経済成長も著しい。また、50,000年前から継承されて、世界でも最も古いと言われているアボリジニの人々の文化も健在である。
 日本とは、原材料や農産物の輸入などを通して古くから関係が深い。両国の主要都市を結ぶ直行便が毎日のように運行し、飛行時間も約10時間ほどである。(『大白法』H23.11.16)

<オーストラリアの日蓮正宗信徒>
シドニー、メルボルン、コフスハーバー、ブリスベーン、ゴールドコースト、パースの6地域に在住する信徒宅を拠点として、唱題会や座談会を活発に行い、地域広布をめざして折伏活動に励んでいる。(『大白法』H23.11.16)


インデックス
出張御授戒/『大日蓮』H20.10

オーストラリアで日蓮正宗に戻れた日本人/『大白法』H18.9.16

御仏意のままに進む豪州広布/『慧妙』H16.2.16


出張御授戒

(『大日蓮』H20.10)

 8月7日から16日までの10日間にわたって、芝頂恩海外部主任と戸沢良昭宗務院書記が、オーストラリアのシドニー、メルボルン、コフスハーバー、ブリスベン、ゴールドコーストの5地域に出張し、御授戒、御本尊下付、座談会、家庭訪問、個人指導を執り行った。
 8日午前5時、シドニーに到着し、午後よりシドニー郊外の信徒宅を訪問した。そこでは、芝主任の導師により勤行、唱題が行われ、引き続き、個人指導が行われた。
 翌9日は、午後5時より、シドニー市内のホテルを会場として座談会が行われた。これにはシドニー地域の信徒が多数参加した。
 座談会では、芝主任の導師による勤行、唱題に続き、御授戒と御本尊下付が行われた。引き続き、本年7月度の広布唱題会における御法主日如上人猊下のお言葉を英訳したものを全員で拝読したのち、芝主任より日ごろの信行の実践と明年の慶祝登山に向けての信心の姿勢について指導があった。
 そののち、青年部2名の体験発表があり、それぞれの体験に対する芝主任の指導と激励があった。
 10日は、シドニーよりメルボルンヘ飛行機で移動。午後5時より座談会を行った。
 初めに、勤行、唱題ののち、芝主任の指導・激励があった。続いて、新入信者のジェニーさんが入信の経緯を発表した。会合後も参加者がお互いの情報を交換し、今後の折伏活動を推進する有意義な会合となった。
 11日は、家庭訪問を行い、読経、唱題ののち、芝主任より孝養の意義と先祖供養の大事について指導があった。
 また、近隣の信徒と連絡を取り合い、折伏達成への活動を激励した。
 12日は、メルボルンよりコフスハーバーへ飛行機で移動。夕方より座談会が行われた。小さな町ながら、若い新来者も出席し、活発な質疑応答が行われた。
 13日は、ブリスベンにおいて初の会合を行った。信徒のジェームズ氏宅に僧侶が訪問することも初めてであり、
家族も参加した信徒も大いに歓喜し、芝主任の指導に、真剣に聞き入っていた。また、ブリスベン地域の信徒のなかには、東南アジア各国からの移住者もいるため、昨今の東南アジアにおける日蓮正宗の目覚ましい広布の進展状況の話にも感銘を受け、決意を新たにしていた。
 14日は、ゴールドコーストで家庭訪問を行い、盂蘭盆会の意義についての法話ののち、今後のさらなる折伏の奮起と、明年の総登山へ家族そろっての参加を勧めた。
 15日は、再びブリスベンヘ移動し、翌朝、帰国の途に就いた。
 今回の出張で芝主任は、すべての地域において、日本の4ヵ所、それに呼応して世界各地域でも開催されている地涌倍増大結集推進決起大会の重要な意義を、御法主上人の御指南をもとに指導し、その意義と精神をこの機会に心に刻み込んで、明年の『立正安国論』正義顕揚750年海外信徒総登山へ1人も漏れなく参加できるよう激励した。
 日本の約22倍もの広大な国土を有するオーストラリアにおいては、信徒同士が互いに顔を合わせることも容易ではない状況のなかで、信徒各位は明年の海外信徒総登山参加と地涌の友の倍増を固く決意している。
 年に2度ほどしかない僧侶に親炙(しんしゃ)する機会を逸することなく、総本山に連なる信心を学ぼうとする姿勢は、これからのオーストラリア広布への盤石な基盤になり、また明年の総登山に向かってのさらなる活動が展開されるものと確信する。(戸沢良昭 記)

[画像]:シドニー(個人指導)

[画像]:シドニー(座談会)

[画像]:メルボルン

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活動報告
オーストラリアで日蓮正宗に戻れた日本人
―法統相続とオーストラリア広布を念願―
(『大白法』H18.9.16)

 現在オーストラリアでは、メルボルン、シドニー、コフスハーバー、ゴールドコーストの4地域の信徒宅を拠点として座談会等の信心活動を行っている。
 SGI(創価学会インターナショナル)破門後、宗門に教導を求めてきた現地信徒の願いにより、平成9年から宗務院海外部の御僧侶がオーストラリアに赴(おもむ)き、現地状況の把握から、信徒の指導・育成を図り、現地在住信徒と共に、オーストラリア広布に向けた活動を展開している。
 今回は、メルボルン市在住の中野タカ子さんにお話を伺った。
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〈Q〉日蓮正宗に入信されたのはいつてすか。
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〈中野〉私が御授戒を受けたのは昭和53年です。当時、広島県呉市に住んでいた私たちの家族は、一家和楽の信心をめざし、家族全員で入信いたしました。残念なことに私たちが所属したお寺は、現在は自称正信会の僧侶によって不法占拠されております。

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〈Q〉オーストラリアに、いつどのような経緯で移住されたのですか。
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〈中野〉昭和55年の日本では、企業家やオーストラリア人との婚姻者がオーストラリアに移住することはありましたが、一般市民の移住は稀(まれ)でした。
 私はオーストラリアに興味がありましたので、永住権の申込みをしましたところ、後日オーストラリア大使館から自宅に電話があり、東京まで家族7人で、面接に行くことになりました。そして、幸いなことに永住ビザを取得でき、翌昭和56年に移住いたしました。

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〈Q〉オーストラリアに移住された当時のことをお聞かせください。
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〈中野〉オーストラリアでは日本食レストランの経営と、国外からホームステイで来た方の受け入れなどをしておりました。
 もともと私は創価学会の体質に嫌悪感を抱いておりましたので、創価学会の友人を作ることは避けておりました。日蓮正宗のお寺もなく法華講員の方など全くおりませんでしたので、家族で勤行・唱題をすることが当時の信心活動でした。それもいつの間にか、したりしなかったりという状態になってしまいました。
 移住してからも、日本に帰国するたびに、御授戒を受けたお寺に参詣しておりました。しかし、あるときお寺で、「あなたはお寺を変えることもできないし、変えたところで受け入れてくれるお寺もない」と言われました。私は、疑問を抱きながらも、他のお寺に行って聞くこともできず、悶々としておりました。
 平成8年に帰国した際にも、いつものようにお寺に行って唱題しましたが、以前のように歓喜が涌かず、どうしてなんだろうと不思議に思ったことがあります。
 ですから、勧誡を受けるまで私自身、混沌とした状態でした。

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〈Q〉では、広大なオーストラリアにおいてどのようにして日蓮正宗と巡り会い、勧誡を受けるに至ったのか、その経緯を教えてください。
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〈中野〉平成15年9月に、同じくオーストラリアに住んでいる末の娘から電話がありました。娘が健康セミナーに参加した折、講師を勤めた医師が受講者に趣味を書かせたそうです。娘が、「南無妙法蓮華経と題目を唱えること」と書いて提出したところ、その医師から、「今度、日蓮正宗の座談会があるので、出席しないか?」と聞かれたそうです。私はこの話を娘から聞き、「創価学会に違いない」と疑い、娘にしっかりと確かめるように念を押しました。すると娘は、「間違いなく日蓮正宗で、創価学会ではない」と言いましたので、私も娘に付き添って座談会に出席しました。
 そこには総本山から来られた御僧侶が出席しておられました。御僧侶は私に、「正信会と縁を切り、仏法僧の三宝が具わる日蓮正宗の信仰に立ち返り、功徳に満ちた生活をするように」と御指導くださいました。
 私はこの御指導をいただいてから、正信会を辞めるかどうか3週間考えました。そして、頂戴した『大白法』や『大日蓮』の記事を熟読し、本当の信心をしようと決意し、平成16年3月に海外部の御僧侶が出張御授戒でメルボルンに来られたときに勧誡を受けることができました。
 その後、家族全員が信心できるように努力し、無事に全員が入信できました。

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〈Q〉その後、どのように取り組まれておりますか。
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〈中野〉私は今、自分の子供たちに、法統相続することに一番力を入れています。子供と言っても、もう一人前の大人ですから難しい面もありますが、私自身の信心に対する姿勢を見せて、育成するように心がけております。また、2歳になったばかりの孫にもしっかりと信心を教えていけるよう、総本山に参詣するときはできる限り連れて行きます。

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〈Q〉オーストラリアから登山する上でのご苦労などがありましたら、お聞かせください。
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〈中野〉オーストラリアから日本に行くためには、時間的にも体力的にも金銭的にも、たいへんな努力が必要です。また、オーストラリアで育った子供たちを連れて日本国内を移動することは容易ではありません。
 しかし、私は毎年登山をさせていただきたいと固く心に決めております。信仰の根本たる本門戒壇の大御本尊様にできるだけ多くお目通りをさせていただき、総本山滞在を通して様々な境界の変化などを感じて、子供たちにも身をもって日蓮正宗の正しさと有り難さを実感してほしいと思っております。

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〈Q〉法華講員になって、一番うれしかったことは何ですか。
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〈中野〉日蓮正宗の信仰ができることそのものが、本当にうれしいことであると感じております。本門戒壇の大御本尊様にお目通りができること、御法主上人貌下の御指南、御説法を直接拝聴できること、その結果として、正しい信心を身をもって学べること、そして信心に一切の迷いなく晴れ晴れとできることなどのすべてを福徳と感じております。今私は、本当に感謝しつつ、日々の勤行・唱題をさせていただいております。

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〈Q〉お子さんやお孫さんの時代になったとき、オーストラリアにおいて日蓮正宗がどのようになっていてほしいと願いますか。
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〈中野〉私は、1日も早くオーストラリアに日蓮正宗の寺院が出来て、御僧侶に常駐していただきたいと念願しております。子供や孫たちの時代には、お寺に行けばいつでも御僧侶から直接御指導を受けることができるようになってほしい、と思っております。

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〈Q〉これからの抱負をお願いします。
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〈中野〉どんなことがあっても、年に1度は登山していきたいと思います。
 そして御法主日如上人猊下の御指南を拝し、メルボルンの地域をはじめ、オーストラリアの信徒が倍増するよう努力していきたいと思います。

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最近の海外情勢
御仏意のままに進む豪州広布

―オーストラリア―
―純信な個性が集う広大な天地―
(『慧妙』H16.2.16)

 オーストラリアは、日本の約20倍の広さを持つオセアニア大陸にあり、南半球にあるため、季節はいつも日本とは逆である。広い大地に、人口は日本の約6分の1の2千万人が住んでいて、じつに自然環境に恵まれた国である。
 現在、この国の日蓮正宗信徒は、主にシドニー、メルボルン、ゴールドコーストに集まっており、3市で合計150名ほどである。それぞれが知り合いでもあり、互いに連絡を取り合い、各地で定期的に会合が開かれている。
 宗門海外部が、オーストラリアに御僧侶を派遣し、指導・御授戒等をするようになったのは、他の国に比べて比較的遅く、平成10年になってからである。
 初めに連絡を取ってきたのは、メルボルン在住のミチコ・マーカスさんという、すでに70才近い高齢の女性であった。
 彼女は、メルボルン郊外に屋敷を持ち、一人娘のイェーガーさんと共に、メルボルンのメンバー約30人を集めて、こつこつと会合を続けていた。創価学会が破門されると同時に脱会したものの、以来、7年もの間、寺院もなく、御僧侶も来てくれない状況下、しかも、執拗(しつよう)に創価学会員が戻るように働きかけてくる中で、他のメンバーを激励し、正しい日蓮正宗の信心を続けてきたのである。
 オーストラリアの創価学会は、全体で約2千人ほどであり、他の国と比べると規模は小さいが、日本の本部からの後押しもあって、組織力はあるようだ。その組織力をもって日蓮正宗信徒に配られる誹謗(ひぼう)文書での攻撃には、すさまじいものがあり、脱会当初は百人くらいいたメンバーも、半分以下になってしまった。
 ミチコさんは、穏やかな性格ながら、筋の通らないことは大嫌いで、創価学会からの文書を破折しながら、必死でメンバーの信仰を守ってきた。またメンバー達も、そうしたミチコさんの人柄にひかれ、会合に参加し続けていたのであった。
 そのミチコさんの友人で、ゴールドコーストに住むトム・バード氏がいる。
 トム・バード氏はミュージシャンで、グループを持って演奏会をし、CDも何枚か出している。その関係で、トムの自宅での会合には、音楽関係者が多く、ゴールドコーストという気候温暖なリゾート地に合った、楽しい雰囲気が備わっている。
 トムの信心の基盤は、彼の奇跡的な体験にあり、過去に2度も御本尊に命を救われたという感謝の気持ちが、彼の盤石(ばんじゃく)な信仰心を培(つちか)っているのである。
 また、彼自身はゲイであるが、そのことを隠そうとはせず、他にも、この地域の信徒にはゲイが多い。日本人には慣(な)れないことかもしれないが、ゲイというのは、脳の構造における性指向の異なりにすぎないのであって、普段の生活は極めて普通なのである。
 トムの折伏は、彼自身の体験からくる絶対的確信によるもので、彼は自らの体験を文章にして、それを配りながら、折伏してゆく。そして、僧侶が訪問した時に下種した人々を招待して、僧侶の話を聞くように激励し、その後に御授戒を受けさせる、という慎重な方法を採(と)っている。
 シドニーのジョン・ヒーリー氏は、ミチコさんやトムとも友人であるが、自分で直接、海外部に連絡を取ってきた人である。
 当時、ジョンはアメリカから帰国したばかりであったが、帰国後まもなく起こった学会破門に、ジョンは強い使命感を感じ、友人の伝(つて)をたどりながら走り回った。
 初めは、会合を開いても10人にも満たないメンバーであったが、彼の純粋な求道心に、諸天善神の加護が現われた。インドネシアから、日蓮正宗を信仰する留学生が20人以上もシドニーに居住してきて、会合が一気に活発になり、さらに台湾やマレーシアから移民してきた、熱心な日蓮正宗信徒が増えだし、今では、シドニーは安定した布教地域となっている。
 このような加護は、海外で時々感ずる不思議な現象である。必要な処に必要な人材が突然、現われることは、まさしく広宣流布が御本仏の御仏意で進められている、としか思えない。
 こうして、平成14年に行なわれた宗旨建立750年慶祝記念海外信徒総登山には、29名ものオーストラリアンメンバーが、喜々として参詣した。これは、オーストラリアとしては、初めての団体登山であった。
 全員が、積年の願いである登山を果たした感激を満面に表わしながら、法要の意義をよく理解し、全ての行事に真剣に参加した。旅行疲れがあるにもかかわらず、しかも、きついスケジュールであったが、愚痴(ぐち)一つ言うメンバーもなかった。
 登山中、オーストラリアを担当したサポートスタッフは、「初めての登山でありながら、礼儀の正しさに感銘した」と率直な感想を述べていた。これは、オーストラリアの組織が、発展途上でありながらも、メンバー一人ひとりが本当に純粋な信心に励んでいることの表われといえよう。
 この慶祝登山が弾(はず)みとなり、現在、シドニー、メルボルン、コフスハーバー、ゴールドコーストの各地域で、さらなる正法弘通の活動が展開されている。これから5年後の「正義顕揚750年」に向けて、オーストラリア広布は確実に発展していくことであろう。

[画像]:この子も、やがてはオーストラリア広布を担う人材に