境界が大変化 誰もが幸せになれる妙法

―今は毎年の登山めざして―
(『大白法』H28.6.16)

 コロンビア共和国の信徒はパナマの大広寺に所属している。今回は、首都・ボゴタに住み正法広布のために精進をされているグラディス・ヒルさんにお話を伺った。
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入信の動機を聞かせてください。
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〈ヒル〉私は1981(昭和56)年に、夫であるチャーリー・バレットに折伏されました。
 私はカトリックの家庭で育ちましたが、幼い頃からあまりいい思い出がなく、人生に不満を抱いていましたし、他のカトリック教徒を見ても幸せそうには思えませんでした。常に不幸せで孤独を感じていたときに、主人と出会いました。彼が私を自宅に招いて、私に御題目を唱えるよう勧めてくれたことが入信のきっかけです。

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昨年は家族全員での登山が叶ったそうですね。ところで、入信を決意してから、生活にどのような変化がありましたか。
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〈ヒル〉信心を始めた頃ですから、今から35年前の話になります。あの頃、私はひどく落ち込んでいて友達もおらず、家族とむ疎遠でした。一人暮らしで、生活が貧しく、バス代を節約するために移動手段はほとんど徒歩でしたし、食べ物を買うお金さえも不足していました。
 しかし、御題目を唱え始めると、徐々に精神的にも経済的にも安定したのです。そして、それまで感じたことのない幸福感に包まれ、人生に対する喜びを知りました。それから現在まで、すばらしい家族に囲まれ、家もあり、たくさんのすばらしい友達もいます。そして、既に退職していますが、立派な職業に就くこともできました。
 そして、昨年の第2祖日興上人御生誕770年奉祝記念法要には、念願であった家族全員の登山参詣が叶い、特別な登山となりました。
 私は片目がほぼ見えない状態で生まれ、もう片方の目もいつ視力を失ってもおかしくないという状況でした。何人もの医者から、治すのは不可能だと言われていましたが、この登山の後、すばらしい医者に巡り合うことができ、視力を失わずに済みました。本門戒壇の大御本尊様の御内拝をさせて戴けたことで、罪障消滅の功徳を戴けたと深く感謝しています。

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印象深い折伏の体験を聞かせてください。
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〈ヒル〉主人は、私を折伏する少し前、もう1人、女性を折伏していました。彼女は御題目を唱えるようになったのですが、それは一時のことでした。私は主人と一緒に、彼女と彼女の2人の娘たちの所へ何度も訪問し、信心を勧め、仏教について何時間も話したりしました。
 その頃、まだパナマに大広寺はなく、定期的にフラジルから御僧侶がコロンビアまで出張御授戒に来てくださっていて、入信を決意した彼女はその機会に御授戒を受けることになりました。しかし御授戒を受けるはずだった当日、彼女は魔に負けてしまい、御授戒を受けずに終わってしまいました。非常に残念で、私は悲しみの涙を流したことを今でも覚えています。
 それから、連絡が取れなくなって数年が経ちました。その間も私は彼女の入信を願い、唱題を続け御本尊様に御祈念していました。
 ある日、通りを歩いていたときのこと、私は3人の子供を連れた1人の女性を見かけました。彼女らは見るからに貧しそうで、衣服も汚れていました。彼女らに近づき、所持していたお金から少し渡したとき、彼女の顔を見て、昔、私たち夫婦が折伏した、あの女性だと気づいたのです。この時の彼女は、娘を学校に通わせることもできず道端で暮らすような、その日暮らしがやっとの状態でした。
 私は急いで彼女たちを自宅に招き、一緒に唱題し、再び折伏しました。8百万人も人口がいるボゴタ市で音信不通になった人と出会うなんて、奇跡に近いことです。正しく、折伏を御祈念して唱題した功徳であると実感しました。御本尊様から、再び彼女を入信へと導き激励できるチャンスを戴けたのです。
 その時、彼女の2歳になる3番目の娘は重い病気に罹っていて、医者からは、高額な治療費が必要だと言われたそうです。しかし、貧しい彼女には治療費を支払うことができません。私たちは娘さんの当病平癒を願って一緒に唱題しました。すると、徐々に病状が改善し、数ヵ月のうちに医者も驚くほどに元気になりました。
 そして、再びブラジルから御僧侶が来てくださることになった年、彼女とその家族は揃って御授戒を受け、御本尊様を御下付戴きました。
 それからというもの、彼女たちは御本尊様からいつも守って戴いています。あんなに不安定な生活を送っていたにもかかわらず、御授戒を受けてから数年の間に、娘さんたちが無償で学校に行けるようになり、自分たちの家を持って生活できるようになりました。今では幸せそうに、折伏活動にも励んでいます。

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最後に、今後の決意を聞かせてください。
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〈ヒル〉昨年、11名のコロンビア信徒が登山させていただくことができました。2020(平成33)年の宗祖日蓮大聖人御聖誕8百年には、さらに1人でも多くの信徒が登山させていただくことを目標としています。
 また、我が家は富裕層ではありませんし、1人分の登山費は家族全員の収入の2ヵ月分に当たりますので、登山費を捻出するのは簡単ではありません。しかし、毎年登山に行かせていただけるように、功徳を積んでいきたいです。
 もう1つの長期的な目標は、もちろんコロンビアに日蓮正宗の寺院が建立されることです。私たちコロンビアの信徒は、その目標を早期に実現できるよう、折伏と育成に精進し、当面の目標である「法華講員80万人体勢構築」の御命題達成に向けて、全力で精進してまいります。


▲グラディス宅での勤行