コンゴ広布先駆者の祖父と志継ぐ孫の二人三脚

―出張御授戒 年1回開催をめざす―
(『大白法』H25.7.16)

 コンゴ共和国は、日本から約1万4千キロメートル離れている。この国にも、数多くの法華講員がガーナ法華寺に所属し、日夜広布に邁進している。
 今回は、コンゴ布教の先駆者であり支部責任者のディアゼンザ・ジョズエさんと、ジョズエさんの孫で、副責任者として長年彼を支えてきたンコウア・アメール・ジルダスさんの2人にお話を伺った。
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初めに自己紹介をお願いします。
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〈ジョズエ〉私は今年で73歳になります。既に退職しましたが、それまでは31年間、小学校教師をしていました。
 家族は妻と10人の子供がいます。妻と5人の子供は共に信心に励んでいますが、残りの5人は折伏中です。
〈アメール〉私は34歳で、車両販売の会社員をしています。5歳になる一人息子は、昨年御授戒を受けることができましたが、妻にも、共に御題目を唱え幸福な家庭を築こうと折伏している最中です。

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どのような経緯で日蓮大聖人様の仏法に巡り合えたのですか?
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〈ジョズエ〉1988(昭和63)年に私はヘルニアを患い、手術のためフランスのパリにある病院に入院しました。そこで知り合った方に大聖人様の仏法の話を聞き、忘れもしない3月19日に、SGI(創価学会インタナショナル)を通じて日蓮正宗に入信させていただきました。退院後、コンゴに戻ってからも懸命に信仰を続け、折伏に励みました。
〈アメール〉私は、祖父から勧められて、2002(平成14)年3月24日にSGIメンバーとなりました。その当時、祖父と私はSGIが日蓮正宗から破門されていることなど全く知らず、大聖人様の仏法を信受する同一の組織と思っていました。しかし、送られてくる教材や資料に対して徐々に違和感や不信感を覚えるようになりました。そこで祖父は私に、インターネットで日蓮正宗とSGIの違いを調べてくれと言いました。その時に初めて、SGIは既に破門されて日蓮正宗とは全く関係のない団体だと知ったのです。衝撃を受けた私たちは、正法に帰す道を模索し続けました。やがて、フランス信行寺の講頭、ジェラール・ピュレックさんにいろいろと話を聞くことができ、ガーナにも日蓮正宗のお寺があると教えていただきました。そして、2009年2月14日、祖父と私はガーナ法華寺に参詣し、祖父は勧誡を、私は御授戒を受け、晴れて法華講員として出発できました。また10月には、念願だった総本山への参詣が叶い、御開扉を受けさせていただきました。

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入講したその年に総本山への参詣も叶ったとのことですが、当時の状況、心情等を教えてください。
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〈ジョズエ〉入信以来21年間、総本山への参詣は、財政的にも健康面でも困難で、実現できませんでした。しかし、幸運にも『立正安国論』正義顕揚750年という大慶事の年に法華寺信徒となることができ、これからのコンゴの布教を本門戒壇の大御本尊様に直接お誓い申し上げたいという気持ちが涌き上がりました。そして、何とか登山させていただけるように、日々唱題に励みました。その結果、御僧侶や法華寺信徒にも多くのご協力をいただいて、長年の夢だった総本山への参詣が叶いました。その日の喜びはとても言葉では表現できません。大御本尊様を拝した瞬間涙があふれ、御開扉中は涙が止まりませんでした。
〈アメール〉登山するための手続きもたいへんでした。コンゴ共和国には日本大使館がありませんので、隣国ガボンに行く必要があります。まず、自宅のあるポアントノアールから飛行機で1時間かけてコンゴの首都ブラザビルまで行き、ガボンのビザを取得します。そして、いったんポアントノアールまで戻り、今度は飛行機で3時間かけてガボンに行き、日本大使館でビザを申請します。ビザが下りるまで、ガボンに1週間滞在しました。この手続きだけで1ヵ月以上かかりました。
 日本へは、ポアントノアールから飛行機で9時間かけてドバイまで行き、ドバイで乗り継ぎに20時間を費やし、ドバイから成田までは11時間かかりました。しかし、祖父と同様、総本山に到着し、御開扉を受けさせていただいた喜びで、それまでの苦労は吹き飛んでしまいました。

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これからのさらなる決意をお聞かせください。
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〈ジョズエ〉私は、SGIが破門されたことを知らないまま19年間過ごし、その間に120人をメンバーにしました。SGIの過ちに気がついてからは、80名のメンバーを日蓮正宗に入信させることができましたが、40名がSGIに残ったままです。まずは、このメンバーを日蓮正宗へと導き、さらには、未入信の5人の子供たちをはじめ、未だに大聖人様の仏法を知らない多くの人々を折伏していきたいと考えています。そして、2015(平成27)年の大佳節には1人でも多くのメンバーと共に総本山へ参詣し、喜びを分かち合いたいと思います。
〈アメール〉2010年7月24日、法華寺から御住職・加藤信学御尊師を迎え、コンゴ共和国で初めての出張御授戒が開催されました。参加者約2百名、御授戒者数79名、8時間にも及ぶ盛大な座談会でした。また、第2回の出張御授戒も大盛況の裡(うち)に行うことができました。
 しかし時に、外国人へのビザの発給が慎重にされることがあり、万全の用意が調っていながら出張御授戒が延期になります。そのたびに、末法にあっては、御授戒を受けること自体が難しいと教えてくださっている大聖人様の御言葉を拝し、だからこそ正法を持つことがすばらしく、それによって幸福な境界を築けることを確信しています。
 出張御授戒の開催は容易ではありませんが、コンゴ共和国の広布のためにも、毎年、御住職をお迎えできるよう、信徒一同、異体同心して唱題、折伏に励み御祈念してまいります。
 現在、老齢となった祖父ですが、折伏・育成に対する気持ちは年々強くなっています。そんな祖父を支え、また祖父の信行に負けないように、私も精いっばい精進していく覚悟です。


▲コンゴ共和国で行われた第2回の出張御授戒