"引きこもり"が1万キロ越えた寺院参詣!?
―社会復帰、結婚 人生大変革の功徳―
(『大白法』H26.4.16)
北欧デンマークにも、大聖人様の仏法を護持する法華講衆が、世界広布の活動を積極的に展開している。
デンマークのメンバーは、スペイン妙昌寺に所属しているが、その距離2千キロは、総本山と台湾までの距離と同じである。
今回はそのデンマークの信徒代表であるケント・ニーセンさんにお話を聞いた。
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最初に、簡単な自己紹介をお願いします。
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〈ケント〉私はケント・セッチャー・ニールセンと言います。北欧諸国の1つであるデンマークに住んでいます。デンマークは伝統的なキリスト教プロテスタントの国ですが、多くの欧州諸国と同様に、現在若い世代の中でキリスト教徒は減少しているように感じています。私も非宗教的な環境で育ち、説明と証拠がなければ何も信じない、科学的な考えのみを信じるようになりました。
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日蓮正宗の信仰に出合った経緯をお話ください。
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〈ケント〉日蓮正宗との出合いは、妻のシャンティーとの出合いに深い繋(つな)がりがあります。この2つの出合いは、どちらも私の人生の上でたいへん重要な変革をもたらした出来事であり、摩訶不思議な出来事でした。
シャンティーとは、2005(平成17)年7月、インターネット上で出合いました。その頃、私は他人(ひと)を信じられなくなり世界そのものに失望し、自分の殻に閉じこもって仕事も辞め、可能な限り家に引きこもりました。インターネットのオンラインゲームで遊ぶことに日々を費やし、時折、必要に応じて小さな人間関係をオンラインゲームの中で発見するだけでした。当時私の世界はゲームの中にしか存在しなかったのです。それは、貧しく報われない人生と呼ばれるべきものでした。しかし私はそんな生活に満足し、変えようとも思いませんでした。
しかし、ある出来事が、SNS(ソーシャルネットワークサービス)に登録したことから始まりました。何となくそのサイトに登録し、その後、登録したことさえ忘れてしまっていたのですが、2005年のある日、「友達になりましょう」という1通のメールが届いたのです。シャンティーからでした。
彼女はインドネシアのジャカルタに住んでいて、会社の中で高い地位の仕事に就(つ)き、たいへん充実した日々を送っていました。彼女はただ、英語学習のために英語で会話する相手を探していたのです。
彼女と最初の会話を交わしたとき、彼女は仏教を信仰していると言いました。私にとって仏教は関わったことがない新しい宗教だったため、非常に興味を持ちました。仏教について何も知りませんでしたが、彼女から聞く仏の教えでは、それまで知っている周囲にある宗教とは明らかに違っていると感じました。
そして、仏教とはどんな教えなのか、修行とは何なのか、たくさんの質問が涌いてきました。シャンティーは、私の質問に答え続けてくれました。
他人に会うことを恐れ、嫌っていた私がなぜ行動できたのかは今もって不思議ですが、私はシャンティーに会いにインドネシアに行きました。
そして彼女に連れられて日蓮正宗の寺院に参詣し、そこで生き生きと信仰に励む多くの法華講員を知りました。それは忘れられない経験でした。
私は他人への信頼を取り戻し、社会に復帰できました。そして新しい街で新しい家と仕事を見つけ、シャンティーと結婚して御授戒を受け、日蓮正宗の信徒となったのです。現在、2歳になるかわいい子供にも恵まれ幸せな日々を送っていますが、これまでの道のりは、私たち2人にとって偉大な冒険の数々でした。
特に妻は、会社での成功を捨て、大切な家族や友人も祖国に残して、遠くて寒いこの国にやって来なければなりませんでした。もし彼女に日蓮正宗の信仰と御本尊様の御加護がなければ、これほどの勇気と自信は持てなかったと思います。
私の人生の変革の直接原因は妻のシャンティーでした。しかし、御本尊様の功徳によって、それまでの自分勝手な人生を変える希少な機会を得られ、私は家族を持つ責任を受け入れることができたのです。御本尊様が、私にすばらしい新たな人生を与えてくれたことは間違いありません。私は御本尊様に永遠に感謝申し上げます。
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デンマークでの活動内容と、今後の目標について聞かせてください。
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〈ケント〉現在、デンマークの信徒は多くありませんが、継続的に1ヵ月に1回の会合を開いています。
会合では勤行・唱題を行い、広布唱題会の砌の御法主日如上人猊下の御指南と、スペイン妙昌寺御住職・在間良妙御尊師の御講法話を皆で読み合わせます。その後、それを中心に話し合い、さらに一緒に夕食をとりながら、仏法について様々な意見交換をしています。
また年に2回、御住職がスペインよりデンマークを訪問される際は、会合や家庭訪問を行って指導会や質問会を開いています。
また、年に1回、御住職をお招きして、北欧4ヵ国の信徒が1ヵ所に集まって北欧総会を開き、各国の法華講員間で互いに意見や体験談を交わし、激励し合っています。
もっと活発な活動をしたいと思っているのですが、少ない信徒では難しく、いつも同じ信徒が会合を準備し、出席もしています。
このように、今は小さな流れであっても、異体同心の信心を貫くならば、やがては大河となることを固く信じて前に進む決意です。
ですから、私たちは、たとえどんなに時間がかかっても、忍耐強く1人から1人へと日蓮大聖人様の仏法を弘め、折伏していかなくてはなりません。そうすれば将来必ずすばらしい法華講をデンマークに築ける日が来ると確信しています。