母の確信あふれる信心で体験積み入信

―励まし合い新来者誘って集う―
(『大白法』H26.2.16)

 江戸幕府の鎖国政策の中で唯一の貿易相手国であったオランダ。この関係は約2百年続き、蘭学と呼ばれた西洋医学や科学技術等は我が国に大きな影響を与えた。
 今、そのオランダにも、日蓮大聖人の仏法を弘通すべく純真に精進をする法華講員が誕生している。今回はオランダで中心者として活動している、インドネシア出身のスリ・アユスティアニ・ブーマン(通称:ユースティン)さんにお話を伺った。
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まずは自己紹介を兼ねて入信の経緯などをお聞かせください。
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〈ユースティン〉私は、インドネシア・ジャカルタで生まれました。
 母が信心を始めて約30年になりますが、私は母を通じて日蓮正宗の信心に縁をしました。1984(昭和59)年、私の7歳の誕生日に母が御本尊様を御下付戴きました。それ以来、母と一緒にお仏壇を掃除したり、一緒に唱題をするようになりました。また機関誌などを見て、日蓮大聖人様の仏法についても、子供ながらに学んできました。
 それから13年後の1997(平成9)年、インドネシアのメガマドン研修道場(現妙願寺)で私もついに御授戒を受け、2001年には御本尊様を御下付戴きました。
 そしてドイツ留学を経てオランダに移り住みました。今は結婚して、夫のぺーター、長男のデックスと共に、ここオランダで暮らしています。デックスは昨年1月に、フランス・信行寺で御授戒を受けました。

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ではご自身の信仰体験を、お話いただけますか。
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〈ユースティン〉はい。入信前、16歳の時のことです。私というより母の信心のお陰でのことです。
 私は毎日風邪をひいたように鼻の調子が悪く、それに伴う頭痛にも悩まされていました。また17歳の頃には、少し精神的に問題を抱えるようになりました。このような状況でしたから勉学にも集中できませんでした。この頃から、私は真剣に勤行・唱題を行うようになりました。母も私の状況を知っていましたので、日蓮正宗の活動に積極的に参加しなさいと激励してくれました。
 ある日のこと、母の古い友人が訪ねてきたときに、母が私のことを話したようで、その友人は非常に心配して、すぐにでも病院に行ったほうがよいと強く勧めてくれました。
 母も心配になり、すぐさま私を病院へと連れていきました。副鼻腔炎と診察され、早めに手術をしたほうがよいと言われました。しかし、同じ病気で手術をした、ガーゼで鼻の部分をお覆った車イスの少女を見かけたとき、「絶対に手術を受けたくない」と思ったのです。それからは毎日、御本尊様に手術なしで治るよう真剣に唱題しました。母も祈ってくれました。
 思いがけず漢方医に出会え、スイカの根を持ってきてくれれば薬が調合できると言われました。母がずいぶんと探したのですが見つからず、古い知人を訪ねてバスで西部ジャワの村まで行くことにしました。
 着いたその日の夜のことです。外で人々の走る音や大きな声が聞こえていました。翌朝起きてみると、スイカ畑が踏み荒らされていました。そこで母は、畑の持ち主を探してスイカの根のことをお願いしてみました。すると篭(かご)一杯の根っこを持ってきてくれたのです。母は喜んで代金を払い、ジャカルタヘ急いで戻りました。母はその出来事を私に話した後、「きっと根を持ち帰ることができるように御本尊様が助けてくださったのよ」と言い聞かせてくれました。私は御本尊様に心から感謝しました。
 調合された薬を飲むことができ、手術することなく、私の病気はすっかりよくなりました。
 精神的に悩んでいたことも、この御本尊様の御力を確信することで必ずよくなると信じ、20歳の時に御授戒を受けさせていただき、これも克服できました。
 他にも、ここでは言い尽くせないほど、本当にたくさんの功徳を頂戴しました。

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貴重な体験でしたね。最後に活動状況、また今後の決意などをお聞かせください。
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〈ユースティン〉オランダの法華講はとても小さな組織で、またメンバー同士の住まいも近くありませんので、皆が集まって会合を持つことが難しい状況です。しかし、各メンバーに呼びかけて激励し、御僧侶が訪問されるときには、できるだけ新来者を誘って集まるようにしています。
 折伏も、個々の繋がりを基本にして、縁のある人には仏法の話をするようにしています。
 私自身、最も大切な人である夫が未入信ですので、一日も早く御授戒を受けることができるように、家庭内の広宣流布をめざして努力したいと思います。
 そして必ず御命題達成ができるように、また、もっと多くのオランダ人が日蓮大聖人様の仏法に目覚められるように、異体同心の唱題を根本として精進していきたいです。