2家族から始まった広布の道

―母国広布めざし基本の充実図る―
(『大白法』H26.5.16)

 ニュージーランドは日本から約9千キロ、飛行時間は約11時間。オセアニアの中では最南端の国である。
 この国から、2009(平成21)年に総本山に連絡があり、翌2010年に初めて日蓮正宗の御僧侶が訪問された。現在は、少人数ではあるが大都市オークランド市を拠点に、異体同心して折伏に励んでいる。
 今回はその連絡責任者であるサンジーワ・クマラ・カッタージゲさんに、これまでの経緯や今後の決意を伺った。
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まず最初に、入信についてお話ください。
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〈サンジーワ〉私は、2005(平成17)年に御授戒を受けました。それ以来、当たり前のことですが、朝晩の勤行を欠かしたことはありません。入信当初、仕事の都合でマレーシアに住んでいましたので、そちらで信心を学びました。

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マレーシアからニュージーランドヘ移ったのはいつ頃ですか?
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〈サンジーワ〉2008年にニュージーランドのオークランド市に移り住むことになりました。マレーシアと違い、寺院も布教所もありませんでした。マレーシアを離れ1人で信心を継続していけるか不安でしたが、不思議なことに、日蓮正宗の信仰をされているご夫婦に出合うことができました。この方たちもご家族だけで信心されており、それ以来、私たち2家族は互いの家を交互に訪問し、毎週日曜日は、欠かさず朝の勤行と唱題会を行ってきました。

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ニュージーランドでのこれまでの活動と、現在のふだんの信行について教えてください。
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〈サンジーワ〉当初、ニュージーランド全土で2家族だけしかいないことは心細かったです。しかし、折伏をしていく中で少しずつ、一緒に信心をしたいという人も増えてきました。
 しかし、総本山への連絡をどうすればよいか判らず、どうしたら登山できるのか、御指導をいただくにはどうすればよいのか、雲をつかむような思いでした。そのような時に、宗務院海外部から年に1度、御僧侶が訪問してくださることになり、御授戒や信心指導が受けられるようになりました。そのお陰で、現在は7世帯14人にまでなり、座談会も充実してきています。まだまだ少ない人数ですが、やがて大きな流れとなることを固く信じ、進んでいます。
 ふだんの活動は、先ほどもお話しましたように、毎週日曜の朝の勤行とその後の唱題会が中心です。さらに、海外部からメールなどで送っていただく御法主上人猊下の御指南を拝して勉強しています。
 折伏については、それぞれの縁をたどり、座談会に誘ったり、機会あるごとに仏法の話をしたりして進めています。
 登山については、容易なことではありません。費用の面のほか、日数がかかるので、まとまった休みを取る必要があるからです。アクセスの面でも不便なことが少なくありません。
 それでも私たちは、総本山に登山参詣するという願いを持って、何年も実現を祈り続けました。そして、昨年暮れの御影堂大改修落慶記念法要に、ニュージーランドから4人が初めての登山をできました。こちらとは季節が反対な上、時差や慣れない環境に戸惑いもしたようですが、それを含めて記念すべき思い出深い登山だったようで、帰国した4人が言葉では表現することができないほど歓喜し感動した様子を目の当たりにして、次の機会には私も登山参詣が叶うように、と今も毎日祈っています。

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最後に、今後の目標を聞かせてください。
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〈サンジーワ〉ニュージーランドの人口は440万人です。この人たちを相手に、2世帯4人から始まった折伏です。簡単なことではありません。しかし、知人への折伏はもちろんのこと、インターネット等を使った折伏も実現したいと考えています。
 大聖人様は、
 「一H(てい)あつまりて大海となる。微塵つもりて須弥山となれり。日蓮が法華経を信じ始めしは日本国には一H一微塵のごとし。法華経を二人・三人・十人・百千万億人唱え伝うるほどならば、妙覚の須弥山ともなり、大涅槃の大海ともなるべし。仏になる道は此よりほかに又もとむる事なかれ」(御書P868)
と仰せです。例え少人数であっても、そこからニュージーランド広布は始まるとの自覚を持ち、まずは基礎である勤行・唱題を欠かさず行い、全信徒が団結して折伏に精進します。
 またオーストラリア各都市の信徒とも手を取り合って、いずれはオセアニアに寺院の建立と、御僧侶の常駐が叶うことを夢見ています。
 平成27年、そして33年に向けて、御法主上人猊下の御指南を拝し、海外部の御指導に従い、まずは小さくとも確固とした組織を作り、より折伏弘通を前進させる決意です。