折伏の原点は御報恩と使命感

―自発的に折伏するよう育成―
(『大白法』H24.6.16)

 台湾の南部にある法宣院は、北は台南市から、寺院がある高雄市を経て屏東県と南北に長い地域を管轄している。
 今回紹介するョ玉連さんは、台湾最南部の屏東支部の主任(支部の責任者)を勤める。屏東支部は、2010(平成22)年に所属信徒180名で御命題達成へ向けてスタート。昨年暮れには法華講員50パーセント増の目標である270名を達成し、現在は300余名が所属している。ョさんに実際の活動についてお話を伺った。
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初めにョさん自身の信心背景を教えてください。
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〈ョ〉私は、小学校時代の同級生に折伏され、28歳で入信しました。結婚して様々な苦労を乗り越え、入信から10年が過ぎた頃、突然ガンを患いました。両親の家系や親戚が皆長生きなので、非常に動揺しました。半年間の治療の後、医師から「あまり長く生きられない」と宣告され、まだ小さい子供を育てていくことができないのかと思うと、悲しくてたまりませんでした。
 そこから、罪障消滅には御題目を唱えるしかないと思い、命の底から涌き上がるような命がけの唱題をしました。体中のガン細胞を良性の細胞に転化するようにと強く念じると同時に、もし願いが叶い少しでも長く生きることができたなら、余生をすべて御本尊様のために使い切ると誓願を立てました。
 願いが叶い体調もよくなってきて、ここ数年間、怠けることなく報恩行の折伏をさせていただいています。

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屏東支部は、毎年の折伏目標を早期に達成し、法華講員50パーセント増の御命題も既に達成しています
が、支部員への激励で強調してきたことは何ですか?
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〈ョ〉御法主上人猊下の御指南を根本に、御主管の御指導に随い、支部の皆へ折伏の重要性を伝えてきました。御授戒を受けたばかりの信徒に対して、自発的に慈悲心を持って下種・折伏することができるよう育成しています。また、全員が異体同心し、御題目の功徳で折伏誓願目標を達成するよう努力しています。
 毎年の誓願目標が早期に達成できているのは、屏東支部の全法華講員が御報恩謝徳の心を抱き、折伏の使命感に燃え、堅固な折伏チームとなって積極的に活動を展開しているからです。大聖人様の、
 「末法に入って今日蓮が唱ふる所の題目は前代に異なり、自行化他に亘りて南無妙法蓮華経なり」(御書P1594)
の御金言の通り、自分が唱題するだけでなく、唱題の功徳と歓喜の心を持って折伏をしていくことが「実行前進の年」にふさわしい振る舞いだと思い、地域の信徒には、いろいろと言い訳をせずに、すぐ折伏の行動を起こすよう激励しています。「坐して食らえば山も空し」という言葉が示すように、勇猛心を持って折伏の行動をしなければ、今まで積み累(かさ)ねた功徳もいつかはなくなるでしょう、と常に話しています。

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屏東支部は該当地域が広範囲で、なおかつ他支部に比べて法宣院から離れていて、遠い所では3時間かけて参詣する信徒もいるそうですが、そのような方々をどのように育成されていますか?
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〈ョ〉現在の屏東支部は地区が2つあり、その下に全部で10個の組があります。この地域は地形が南北に広く信徒が点在しているため、各地の信徒を1ヵ所に集めることは容易ではありません。とは言え、御本尊様の広大無辺の仏力法力の御導きにより、皆が一丸となって御題目を唱え、入信直後の人も、自発的に折伏をする期待が持てるような育成ができています。その上で、
1.役員のことを信頼し、信徒間で批判し合うことなく、お互いを尊重しながら信行学に努める。
2.信心を主体とし、正法興隆・宗門の発展に責献できる法華講員となれるよう、行動力・忍耐・慈悲を磨きながら支部を成長させていこう。
3.家庭訪問を行い、法要や活動の連絡をし、その場で参加の約束をして、毎回の大事な法要や活動に皆で参加して互いに成長をしよう。
の3点を強調し、激励をしています。例えば、台風による水害の救援活動でも、お葬式でも、支部内で起こったことは自分のことのように関心をもって、互いに励まし合い、手伝っています。
 また、信心を深め、唱題の習慣を養うため、唱題会をするチームを作り、屏東の北地区は週に2回、南地区は週1回、いろいろなお宅へ行って少人数の唱題会をしています。1時間の唱題をして、機関誌『本興』を教材として読み合わせ、その後、座談会形式で話し合いをしています。
 夜は、墓地の脇や川岸などの辺鄙な田舎道をスクーターで帰らなければいけないので危なく怖いですが、御本尊様に対する責任を思うと、役員としてはとにかくやらなければと思っています。
 台湾では私のようにスクーターで移動している人が多いです。ですから、車を持つ信徒にお願いして他の信徒も送迎してもらい、多くの人が法宣院へ参詣できるよう推進しています。
 今後、屏東支部がより活気を持っていくことが、私の1番の望みです。

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未来へ向けての支部内の今後の課題・目標を聞かせてください。
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〈ョ〉折伏と育成をバランスよく両立しながら、1人も欠けることなく成長していけるよう、さらなる前進をめざしていきます。私自身も、現在続けている5、6時間の唱題を引き続き実践し、他の信徒に対しても、御題目の力以外に諸事を成就する方法はないと励ましていきます。
 皆が一丸となり、御主管の指導のもと、僧俗異体同心して師子奮迅之力をもって折伏実践のムードを作ります。
 さらに今後、地区を2つ増やし4つの地区にして、机の脚のように安定した堅固な状態にして、御法主上人猊下より賜った2015(平成27)年及び2021(平成33)年の御命題達成へ邁進していきたいと思います。