茨城・取手駅前で男が女子高生ら通行人13人を次々刺す

―2人重傷―
(『産経新聞』H22.12.17 8時55分配信)

 17日午前7時40分ごろ、茨城県取手市のJR取手駅西口ロータリーで、男が停車中の関東鉄道が運行する路線バス2台に相次いで乗り込み、通学で乗り合わせた女子高生ら乗客を包丁で次々切り付けるなどした。中高生ら13人が病院に運ばれたが、いずれも軽傷。男はバスの乗客らに取り押さえられ、茨城県警が殺人未遂の現行犯で逮捕した。
 県警によると、男は住所不定、無職、斎藤勇太容疑者(27)。調べに対し「不特定の人を包丁で傷つけたのは間違いない」と容疑を認め、「自分の人生を終わりにしたかった」と供述。落ち着いた様子で淡々と応じているという。県警は斎藤容疑者が持っていた包丁1本を押収した。
 バスの乗客は、同市にある私立江戸川学園取手中・高等学校の生徒が多く、16歳の女子生徒が耳などを切られた。負傷したのは、同校高等部の男子4人と女子3人、同校中等部の男子3人と女子1人と、同校生徒が11人を占めた。ほかに40代と50代の一般の女性2人。13人のうち刃物で切られたのは4人で、残る9人は斎藤容疑者にバス内で殴られるなどして打撲などを負ったとみられる。
 関東鉄道などによると、ロータリーに止まっていた2台のうち、最初の1台は午前7時45分出発予定の「江戸川学園行き」で、2台目は「取手駅西口着」。斎藤容疑者は、同学園行きの後部の乗降口から乗り込み、刃物を振り回し降車した後、ロータリーで通行人を殴るなどして駅西口着のバスに移動。2台目で乗客らに取り押さえられた。
 1台目は同校に向かう生徒ら約50人が乗り、ほぼ満員の状態だった。乗降口近くに立っていた斎藤容疑者が発車の合図とともに、生徒らに切り付け、悲鳴があがった。1台目の乗客がけが人の多くを占めた。
 生徒から学校に「刃物を持った男がバスに乗り込んで切り付けた」と連絡があったという。
 同学園は17日午前中に生徒らを下校させ、臨時休校にすることを決めた。同学園の高等部は、野球部が夏の甲子園大会に出場したことがある。

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●斎藤容疑者は3兄弟の末っ子。県立取手第一高校を卒業後、職を転々とし、1年前に会社をリストラされてからは引きこもりの状態が続いていた。
 「数年前に母親を亡くしてからは父親と2人暮らし。創価学会の熱心な信者で、以前は朝晩1時間ずつ、お経を唱える声が聞こえました。(『週刊文春』H22.12.30)