韓国SGIが扇動する反日運動の本音

(ジャーナリスト・山村明義『フォーラム21』H17.5.15抜粋)

【相手国に「間違ったメッセージ」を与え続ける存在】
(前略)この韓国と中国で繰り返し起きる反日デモの原因は、実は広く指摘されているような両国の歴史認識のせいではなく、戦後の日韓・日中関係に携わってきた人間の「ナショナリズム」に対する考え方の違いにある、と私は常々考えてきた。
 すなわち、中国人や韓国人が愛国心を持つことは「善」であり、日本人がそれを抱くことは「悪」であるという前提が最初から成り立っていて、その上で日韓・日中関係を構築していこうとするために、最終的に対立や摩擦を生んでいる、という実態が多かったからである。(中略)
 現実に私が、日本に通じているはずのマスメディアや政府の要人である韓国人や中国人の知人と話していても、「いまの日本は軍国主義化している」と真面目な顔で突然、荒唐無稽な説教を始めることが少なくない。彼らの脳裏に戦前の記憶が残っているせいもあるだろうが、その理由を聞いてみると、韓国人や中国人がそう考えているというだけでなく、当の日本人が「靖国神社に行く人が悪い」「日本人が憲法改正するのは、軍国主義の再来だ」と言うからだというのだ。
 これではいつまでたっても日本が中国や韓国と経済や文化だけで交流し、政治や軍事という国家が当然持ちうる分野で、対等に国家同士の平和を構築するために何をすれば良いのか、という話し合いすらできない。
 日本の「対話」の方法論は、これまで常に謝罪し卑下するだけであった。。その結果として相手国に大きな誤解と曲解を産み続けることになっている。少々前講釈が長くなったが、つまるところ最大の問題は、相手の国に「間違ったメッセージ」を与え続けた人間や組織が日本のなかに存在するということだ。


【勢力拡大と財務のために反日活動を展開する】
 その代表的な組織の1つが、創価学会とその海外組織の創価学会インタナショナル(SGI)であると私は考えている。
 彼らが宗教上の指導者として仰いでいる池田大作氏自身が、過去に「日本は反省するべきだ」などと、日本の国家主義や愛国心に対して疑義を挟み続けてきた。池田氏の言葉は信者にとっては絶対的な意味を持つ。韓国SGIの取材を行うと、その言葉にまるで便乗するかのような現象が起きていた。
 ソウルでの元幹部たちの話を総合すると、韓国SGIでは「独島(竹島)問題」の韓国領有権の主張や日本の歴史教科書の「歪曲」に対する糾弾活動は、青年部などの「社会活動」の1つになっていて、「日本のSGIの指示で行われていた」と語っている。
 日本のSGIはそれを否定するが、彼らが「愛国者」にならざるを得なかった理由は、韓国内で彼らの立場や地位がなかなか認められなかった経緯を考慮すれば容易に理解できる。(中略)
 91年に宗門から破門されて以降、「SGI文化会」を名乗った時期もあったが、韓国SGIとしての活動を始めていた90年代後半に誕生した金大中政権下で、韓国SGIの反日行動は次第に激しさを増した。だが、この活動は日本に本部を置く宗教団体としては、かなりの問題を孕んでいた。
 例えば今年4月8日付けの韓国SGIの機関紙である「和光新聞」には、「独島(竹島)妄言・歴史教科書糾弾、軍事主義亡霊の復活は敗北の道」という見出しや、「韓国SGIも『国の愛、独島(竹島)の愛』という立場を確固たるものにするため、『日本政府の妄言を強力に糾弾する』として、即刻、日本政府の謝罪を促した」、「日本軍国主義の亡霊復活と独島野望を強力に糾弾した」−などという内容の記事が踊った。まさに韓国の愛国心を煽り、日本に対する「謝罪」を要求するナショナリズムが全面にあらわれた内容である。(中略)
 韓国では愛国心を加速させ、日本では愛国心は「悪」だという。韓国SGI青年部に詳しい幹部は、その実態をこう解説した。
 「彼らにとっての反日活動の目的は、1つは信者数を増やし、韓国国内で勢力を拡大するため。2000年に彼らは財団法人格を取得しましたが、そのためにありとあらゆることをやってきた。もう1つは財務です。というのは韓国SGIの幹部たちは、長く給料をもらえず、金銭面での激しい不満が高じて分裂した時期もあるからです。いまでは分裂騒ぎも収まり、いい給料を貰っていますが、彼らにとって社会活動は、財務を集めるための良い名目になるという側面があるのです」
 日本のSGI本部の広報担当者がこんな理屈を立ててきた。「韓国SGIと日本のSGIは別の紺織である」−。それならSGIという名称を使わず、韓国SGIを本当に独立させればよさそうなものだが、彼らはそれは決してやらない。結局、日本のSGIは、韓国SGI側と本当の「対話」が出来ているとは思えないのだ。
 日本政府がいくら韓国に「謝罪」をしても、何の解決にもならず、むしろ反日デモが加速していくのは、日本が謝罪する方が都合のいいという立場の人間が大勢いるからではないのか。
 日本の組織や日本人が、韓国や中国の反日デモをこれ以上、加速・便乗させるような言動は、決して許されるべきではない。中国人や韓国人は日本人のそういう言動まで盾に取り、確信的に行動しているからだ。相手国に無用な誤解を与える言動は、すでに日本全体に国家的損失を及ぼしている。
 創価学会は自らの「被害」についてはすぐに訴訟を起こすが、彼らが相手国を優位に立たせるだけの言動を続けるのなら、日本人全体が創価学会やSGIに損害賠償を求めてもしかるべきであろう。