フランス国家博士論文『創価学会、タブーの解剖』(仮題)

―学会は「セクト・全体主義・マフィア型」と分析―
(『慧妙』H23.11.16)

〈小多仁伯(元文化本部副書記長 芸術部書記長)〉まず福本先生、ラクロワ女史(注:フロランス・ラクロワ博士。フランス国家博士論文『創価学会、タブーの解剖〈かいぼう〉』を著す)の博士論文を読んだ感想から聞かせてください。
〈福本潤一(元愛媛大学助教授 農学博士)〉さすがにフランス・パリの国立高等研究院の博士論文審査会で最高の「優秀」と評価されただけあって、一流学者としての誇りをかけた学問的に貴重な論文でした。
〈小多仁〉博士論文として、最高の評価を受けたということですね。
 のラクロワ女史の博士論文ですが、中身は、どういう内容でしょう。
〈福本〉題名は、『創価学会、タブーの解剖』とあります。創価が提供する大義名分の資料だけに頼(たよ)らないで、客観的に創価の真実を解剖してあり、現役の創価学会員が分からないところまで踏み込んでいますので、現役の創価学会員にとって必読の書でしょう。
(中略)
〈福本〉主な内容ですが、論文要旨によると、

@セクト・全体主義・マフィア型の組織である。
 その組織と権力行使、金銭や国家との関係、いずれの関係においてもそういえる。
A歴史の流れを利用して、日本において権力征服の戦略、そして外国において浸透工作の戦略を発展させた組織である。
 日本では国家内国家、そして1975年以来、世界に国際的組織(SGI)を作るまでに至った。
B崇拝の対象は仏陀でなく、「ゴッドファーザー」の系統のグル(教祖=池田大作のこと)。
C外国での浸透は、宗教的言説よりも、政治や知識の場への汚職や浸透工作による。
D日蓮正宗との紛争の負担と抵抗に対し、マスコミの武装解除、知識層の親セクト・ロビーの獲得、訴訟、ハラスメント、盗聴や監視、暴行などの手段を行使した。
E創価学会は、日本の文化要素に依(よ)りつつ、信仰の世界的マーケットの勃興(ぼっこう)をうまく利用した。
 全体主義の要求が、一定数の信者に根強く残っている。

〈小多仁〉これだけ、カルト化した創価の実態を、よく外国人が中立的に調べられたものですね。
〈福本〉学者の真実追求の執念でしょうね。東大法学部に留学していた時に、国際的宗教団体としての創価学会に興味を持ち、東大の会員たちとの接触や、信濃町の行事にも参加したようです。それから12年間にわたる研究成果の結実でしょう。
 ラクロワ女史は、1991年に創価が日蓮正宗から破門された後、創価と出会っています。
 ですから、この頃が、創価が大きく変質する前後の時で、セクト(=有害カルト)化する分岐点といえるでしょう。
(中略)
 さて、ラクロワ博士はまた、創価による組織支配として、2種類の相互作用を上げています。精神の操作コントロールと、組織内の権力構造です。
 特に、精神の操作コントロールは、希望と恐怖の2項式に基づく、と分析しています。
 それは、創価の実践によって問題点が解決するという希望を与えておいて、成果がなければ、正しい創価の活動をしてないからだ、という脱現実化に至っている、とする。
 組織からの支配を排除して、脱会する気になると、「実践で獲得した恩恵(功徳)を失うのみならず、全てを失う」とし、希望が恐怖に変わり、自由の一歩を妨害することになる。
 そして、集団訴訟や暴力で攻められ、脅迫された元信者の証言などを多数例示し、この弾圧は、襲撃(しゅうげき)や殺人にまで至る、としています。
〈小多仁〉大変衝撃的な内容ですね。創価からの公式発表だけに頼らず、多方面から調査・分析しておられます。フランスの創価からの攻撃、先輩学者からの風圧にも屈せず、学者の真実追求から生まれた力作と思います。
 日本の高倉教授とフランスのラクロワ博士には、今後ますます活躍していただくとともに、学会員が、一刻も早くカルト創価の呪縛(じゅばく)から解放されることを願うものです。