週刊現代が逆転勝訴

―公明党幹部の「メモ」持ち去り報道―
(<asahi.com>H21.3.27)

 公明党幹部だった元参院議員ら3人が、矢野絢也・元同党委員長の自宅から手帳を持ち去ったとの『週刊現代』の記事で名誉を傷つけられたとして、損害賠償などを求めた訴訟の控訴審判決が27日、東京高裁であった。南敏文裁判長は3人が矢野氏を脅迫して手帳などを提出させた上、自宅に上がり込んでほかの資料も捜したと認定。発行元の講談社などに計660万円の支払いを命じた1審・東京地裁判決を取り消し、3人の請求を棄却した。3人は即日上告した。
 また判決は、反訴した矢野氏側の請求を認め、持ち去った手帳などを矢野氏に引き渡し、プライバシー侵害の慰謝料として計300万円を支払うよう3人に命じた。
 訴えていた元幹部は、元参院議員の黒柳明氏と大川清幸氏、元衆院議員の伏木和雄氏の3人。創価学会や同党に関する矢野氏の「極秘メモ」を持ち去ったとの同誌報道について「手帳を強奪した事実はない」と主張していた。
 判決は、3人が05年5月、4回にわたり矢野氏の自宅を訪れ、要求を拒めば創価学会や公明党員が危害を加える恐れがあると脅迫していたと指摘。矢野氏はやむなく手帳などを引き渡したが、3人はさらに矢野氏宅の本棚や引き出しなどを開けたと認めた。
 3人は代理人弁護士を通じて「全く真実を無視した信じられない不当な判決。勝訴まで断固戦う」とのコメントを出した。
 講談社は「記事の正当性を認めた極めて妥当な判決だ」とのコメントを出した。

[資料]:公明党OB議員ら、証拠を"改ざん"!?



手帳持ち去りで矢野氏の勝訴確定

―元公明議員に賠償命令―
(<共同通信/47NEWS>H21.9.1)

 公明党の元国会議員3人が、矢野絢也元委員長の手帳を本人宅から奪ったとする「週刊現代」の記事で名誉を傷つけられたとして、発行元の講談社などに損害賠償などを求めた訴訟の上告審で、最高裁第3小法廷(田原睦夫裁判長)は1日、元議員3人の上告を受理しない決定をした。
 記事は真実として名誉棄損を認めない一方、「プライバシーを侵害された」として逆に訴えていた矢野元委員長の主張を受け入れ、元議員らに手帳の返却と300万円の支払いを命じた2審東京高裁判決が確定した。
 2審判決によると、元議員らは2005年5月、矢野元委員長宅で手帳を探し回り、持ち去った。週刊現代は「矢野極秘メモ100冊が持ち去られた」と題する記事を掲載した。
 1審東京地裁は名誉棄損を認めたが、2審は「元議員らは手帳を渡すよう強要し、妻の部屋まで探した。手帳を奪ったとする記事は真実」と判断した。
 3人は黒柳明、伏木和雄、大川清幸の各氏。