宗教団体の「提供番組」一覧
―創価学会が圧倒! 朝のラジオは宗教アワー―
(『宝島』H22.5)
【教祖本の朗読から環境問題番組まで】
日本の主な新宗教団体が提供するテレビ・ラジオ番組は別表の通り。番組数では創価学会(聖教新聞社含む)が他団体を圧倒している。
ラジオと宗教の結びつきの歴史は長い。(中略)
ラジオの宗教番組では、教祖の著書や講話などを直接朗読する方式(「ラジオライブラリー 新・人間革命」など)や、音楽番組、あるいは純粋な情報番組などさまざまなバリエーションがあり、そこに出演するパーソナリティは必ずしも信者とは限らない。幸福の科学の「天使のモーニングコール」(スタートから19年目)や創価学会の「あなたヘモーニングコール」(9年目)は長く続く1社提供のラジオ番組で、放送局としても著名宗教団体は優良スポンサーとなっている。
ところで、日本では政教分離の原則から「宗教団体は放送局を持つことができない」あいるは「宗教番組は法律上大幅に制限される」との認識を持つ人もいるが、実際、放送法で宗教番組が明確に規制されていることはない。
あえて言えば放送法第3条の2に定められる「政治的公平」や、「公安及び善良な風俗を害しない」といった項目について、放送局側の判断にゆだねられているのが実情だ。
そのあたり、宗教番組内で政治的メッセージが発信されることはないにしても、創価学会や幸福の科学といった政治色の強い宗教団体がスポンサーとして放送局と関係を結ぶこと自体が、「政治的公平」から離れているという指摘はもちろんある。しかし、そこでどうするかはすべてメディア側の判断しだいである。
【積極的な電波進出を進める「創価・聖教」】
さて、個別に番組内容を見ていこう。
'08年10月より「創価大学」の地上波テレビCMも開始している創価学会は、聖教新聞社と合わせ、提供番組が多い。今年はじめ、ローカル局に続き民放キー局も創価学会本体のCMを"解禁"するのではないかという報道が飛び交ったが、ここまで電波露出を積極的に進めてきたのは新宗教でも創価学会以外にない。
現在、学会の提供でテレビ放送されている「中国世界遺産ものがたり」も短いながらゴージャスな内容。全編ハイビジョン撮影で音楽は喜多郎が担当している。
聖教新聞社提供でローカル放送されているのは「とんとんみーの冒険」。「とんとんみー」は沖縄に生息するハゼの一種で、地球環境の大切さを啓蒙する番組。
また聖教新聞といえばラジオの「新・人間革命」が有名。池田大作自伝本の朗読だが、まだ夜も明けぬ早朝に「平和ほど尊きものはない。平和ほど幸福なものはない」で始まるラジオ放送は、信者でない人間からすればちょっとシュールな内容だ。(以下略)
▲新宗教の「提供番組」一覧(放送局は制作局・キー局を表記)