公明党破折
松浪進退問題



国民無視し、与党内でかばい合い/法蔵

松浪議員―これが与党の正体か/『朝日新聞ニュース速報』H15.5.22

別の暴力団系企業から献金/『しんぶん赤旗』H15.5.22

政倫審幹事会の結論見守る=公明代表/『NHKニュース速報』H15.5.21

続・国民をなめるな/『朝日新聞ニュース速報』H15.5.9

国会はかばい合い互助会か/『毎日新聞』社説H15.4.23

国民をなめるな/『朝日新聞ニュース速報』H15.4.22

処分を了承=自民・公明両党/『時事通信ニュース速報』H15.4.21

保守新党の甘い対応/『毎日新聞ニュース速報』H15.4.21

松浪議員のけじめを問う/『日経新聞』H15.4.18

進退は論じるまでもない/『毎日新聞』社説H15.4.17

松浪議員、辞職不要=神崎代表/『NHKニュース速報』H15.4.16

松浪議員は辞めるべき=公明党幹部/『読売新聞ニュース速報』H15.4.15


国民無視し、与党内でかばい合い
―保守新党・松浪議員進退―
(法蔵)
<松浪議員の疑惑>
暴力団組員(当時)が実質的に経営している建設会社に、私設秘書の給与を肩代わりさせていた。肩代わりは5、6年前のことで、額は275万円だ。 ・そのころ、この暴力団組員は、大阪府営住宅の解体工事をめぐり談合(競売入札妨害)容疑で大阪府警に逮捕され、起訴されるのだが、松浪氏は指名手配中のこの暴力団員と会い、求めに応じて、府警に捜査状況を照会している。
秘書給与肩代わりは、企業の政治家への寄付、すなわち、政治献金に当たる。なのに松浪氏はこれを政治資金収支報告書に記載しなかった。虚偽の報告をしていたのである。発覚直前に、修正報告しているが、この時、ほかの献金300万円についても報告が漏れていたとして併せて修正した。(以上『毎日新聞』社説H15.4.17抜粋・要旨)


<与党の対応>
●公明党の神崎代表は、(中略)保守新党の松浪健四郎(マツナミケンシロウ)衆議院議員が平成9年から10年にかけて、当時暴力団員だった男が会長を務める大阪の建設会社に秘書の給与を肩代わりさせていた問題について、「刑事訴追など重大な違反が明白である場合、議員辞職が相当と考えるが、疑惑の段階にとどまる場合は議員辞職勧告は慎重にあるべきだ」と述べ、松浪議員は辞職する必要はないという考えを示しました。(『NHKニュース速報』H15.4.16)

●山崎拓自民、冬柴鉄三公明両党幹事長は21日午後、国会内で保守新党の二階俊博幹事長と会い、同党の松浪健四郎衆院議員を役職停止処分としたことについて説明を受け、了承した。(『時事通信ニュース速報』H15.4.21)


<国民無視の"処分"に批判>
●保守新党は15日、松浪氏に厳重注意したが、除名や議員辞職勧告などは行わず、おとがめなしだ。他の与党も不満を持ちながらもこの扱いを受け入れる姿勢をとっている。自浄作用が機能しない。事の重大性が分かっていないのではないか。 松浪氏は指摘された事実を認め、反省しているのはせめてもの救いだが、政治家と暴力団との関係を絶つためにも国会はけじめをつける必要がある。(『毎日新聞』社説H15.4.17))

●松浪健四郎・保守新党衆院議員の一連の疑惑について、同党が衆院政治倫理審査会での弁明など、甘い対応で決着を図ろうとしていることは、かえって国民の批判を増幅させそうだ。(中略)結局、自民党も「口をはさむことはない」(幹部)。公明党の東順治国対委員長も「保守新党は記者会見をその都度開いて、正面からきちんと対応している」と理解を示し、一斉に沈黙してしまった。(『毎日新聞ニュース速報』H15.4.21)

驚くばかりの開き直りだ。暴力団とは何か。政治家とはどういう仕事なのか。そんな最低限の常識もない。 松浪健四郎衆院議員と、所属する保守新党のことである。 保守新党は松浪氏の役職停止と、国会の政治倫理審査会で本人に弁明させることを決めた。党としては議員の辞職も求めないし、除名もしないということだ。 これではおとがめなしに等しい。(中略)これだけでも議員を辞めてもらいたいというのが、多くの国民の感覚だろう。(中略) かばう議員たちも同じようなものだ。(中略)連立を組む自民、公明両党も事の重大さがわかっていない。 国民をなめるのもいい加減にしてもらいたい。松浪氏が生まれ変わりたいのなら、まず議員を辞めてからだ。(『朝日新聞ニュース速報』H15.4.22)




松浪議員―これが与党の正体か
(『朝日新聞ニュース速報』H15.5.22)

 暴力団組員とつきあいがあったことを認めた。秘書給与を肩代わりしてもらっていたことも認めた。指名手配中の組員の件で警察に電話したことも認めた。
 保守新党の松浪健四郎衆院議員は、それでも辞職しないと言い張る。この程度のことは「不注意でお騒がせした」と反省し、わびれば済むと思っているようだ。
 暴力団関係者とのうわさを聞いたが、確認できなかった。その組員から刑事の名刺を見せられ、相談を受けたが、まさか被疑者だとは思わなかった……。
 衆院政治倫理審査会での松浪議員のこうした弁明には、議員辞職を求めている野党はもちろん、自民党や公明党の質問者からさえ「違和感を感じる」「非常に不自然」といぶかる声があがった。
 ところが、与党は首をかしげておきながら、松浪議員に辞職を求める動きは一向に見せない。保守新党に至っては、今回の政倫審で質問に立つことさえしなかった。
 暴力団との関係など大した話ではない。そんなことで、いちいち議員の資格を問われてたまるか。政倫審でつらい思いをしたのだから、お仕置きはもう十分だ。
 与党はこぞって、そう考えているとしか受け取れない。
 松浪議員が居座り続けるようなら、昨年相次いで議員を辞職した加藤紘一、辻元清美、田中真紀子の各氏はさぞ悔しかろう。逮捕後も議員を辞めない鈴木宗男、坂井隆憲両被告は意を強くするに違いない。
 政倫審の前日、東京地裁はKSD汚職事件で村上正邦元労相に懲役2年2カ月の実刑を言い渡した。
 その判決は、国会議員を「全国民の代表として国家意思の形成に携わるべき地位」にあって、「高度の倫理性と廉潔性が求められている」と定義している。
 実際はどうか。
 国会議員の在職時にしたことで有罪判決を受けた人は、ここ10年で11人にのぼる。国会は毎年のように逮捕者を出しているのである。これでは「とりわけ倫理性と廉潔性を欠いた集団」と国会議員を定義し直した方がよいくらいだ。
 「政治家はカネを欲しがる生き物。献金をやめてしまうと強盗さえしかねない」と経団連幹部が発言したのは、10年前のことだ。自民党ともめて経団連が陳謝した。
 だが、その後の「国会議員の犯罪」の多さを見れば、謝る必要などなかったのではないか、と思えるほどだ。
 政治家はいくら金があっても足りないらしい。企業・団体献金の規制は進まないどころか、逆行の動きさえある。しかも、企業献金規制の見返りに導入された政党交付金はがっちり握ったままだ。
 このまま、与党が松浪議員をかばい続けるなら、「政治家は献金をやめようとやめまいと、暴力団にたかりかねない」とまで言いたくなる。[2003-05-22-00:42]




別の暴力団系企業から献金
―松浪議員 追及され認める/“秘書給与以外ない”の弁明から一転/政倫審―
(『しんぶん赤旗』H15.5.22)

<児玉議員追及>
 21日の衆院政治倫理審査会で、暴力団との癒着問題に関する保守新党の松浪健四郎議員の弁明が行われました。日本共産党の児玉健次議員は、松浪議員が弁明で秘書給与の肩代わり問題以外の暴力団関係者との関与を否定したのに対し、新たな暴力団関係者からの献金の事実をつきつけました。松浪議員はこれを認め、謝罪しました。
 児玉氏は、暴力団幹部が事実上の経営者である大阪府阪南市の「三宝総業」から1999年―2001年に計28万円の献金を受けた事実を指摘。「これで(冒頭にのべた)『本件以外に暴力団関係者と一切関係を持ったことはない』といえるのか」と追及しました。松浪議員は「報道で知らされ驚いている。そういう企業についての吟味を怠ってきたことにおわびしなければならない」と弁解しました。
 児玉氏は「承知していたとは重大だ。誠意をもって弁明するなら、『これ以外にない』とはいえないはずだ」と批判。松浪議員は「十分に確認していないので、これからしかるべき対応をする」と答えました。
 児玉氏は、98年に提供された秘書給与を政治資金収支報告書に記載しなかった虚偽記載について「時効は5年であり、まだ成立していない」と指摘。「暴力団と深くかかわり秘書給与を肩代わりさせた責任を国民に明らかにしようとするなら、直ちに議員辞職すべきだ」と要求しました。




政倫審幹事会の結論見守る=公明代表
―松浪議員弁明―
(『NHKニュース速報』H15.5.21)

 公明党の神崎代表は記者会見で、「松浪氏本人は率直に事実関係を話しているという印象を受けた。ただ、本来、政治資金をもらってはいけないところからもらったり警察に問い合せたりするなど、政治家としてやるべきでないことをやっていた点もある。こうしたことを踏まえ、政治倫理審査会の幹事会がどのような結論を出すのか見守りたい。野党側が提出している議員辞職勧告決議案への対応は、幹事会が結論を出した後の問題だ」と述べました。[2003-05-21-17:52]




松浪氏問題―続・国民をなめるな
(『朝日新聞ニュース速報』H15.5.9)

 ものには限度というものがある。
 倫理感覚を批判されることにはもう慣れっこだろうが、暴力団と関係をもった政治家をかばうまでになってしまった政党や国会とは、いったい何か。
 保守新党の衆院議員、松浪健四郎氏は、暴力団員が役員だった建設会社に秘書給与を肩代わりしてもらった。指名手配中のこの人物に頼まれて警察に捜査状況を尋ねてもいた。本人もそれらを認めている。
 それでも保守新党は松浪氏を擁護し、自民党も公明党も異を唱えない。野党が出した辞職勧告決議案もたなざらしだ。
 そのうちほとぼりも冷めるだろうと首をすぼめているのかと思ったら、そうではないらしい。保守新党のホームページに、大阪の地元紙に載った大学教授のコラムが転載されている。
 いわく、松浪氏の地元は「気性が激しい」から、相手が暴力団だとすぐに分からなかったのはやむをえない。気付いた時点で肩代わりさせるのをやめたのは「いわば良心的」。警察への照会で捜査が影響された事実はない。だから、松浪氏に「特に批判される理由はないのではないか」。
 松浪氏を是が非でも守りたい保守新党にすれば、願ってもない援軍なのだろう。
 しかし、多くの国民は、開き直りとも言えるこの党の態度を、なるほどと思うだろうか。暴力団というものに対する感度の鈍さには驚くばかりである。
 大阪の男性が車を誤って駐車中のベンツにぶつけた。暴力団員に会社の身分証を取り上げられ、現金を要求された。毎月約10万円を払い続けて15年。耐えきれなくなって警察に相談したのが昨年のことである。こんな例は至るところにあるだろう。
 暴力団はヤミ金融にも触手を伸ばしている。警視庁などが摘発したグループは、山口組系暴力団組員が経営を統括し、法定利率の1000倍もの高利を取っていた。
 不況も利用する。金融機関が不良債権処理を進めるなか、賃借権を悪用して担保物件の競売入札を妨害したり、違法な占有を繰り返して強制執行を妨害したり。そんな暴力団員が次々に捕まっている。結果として金融機関の経営改善、ひいては日本経済の再建を妨げているのだ。
 税金も食い物にされる。暴力団系の企業が公共事業を受注し、利ざやだけ抜いて丸投げするケースは後を絶たない。
 暴力団は、どう考えても国会議員が資金提供を受けたり、頼み事を聞いてやったりしていい相手ではない。
 行政機関と企業、市民が足並みをそろえ、暴力団と戦っている。軽率だったですまそうとしている松浪氏や与党の態度は、そうした努力をあざ笑うものだ。
 松浪氏は今月下旬にも衆院の政治倫理審査会で弁明する。実態を大いに語ってもらいたいが、どう言い繕おうとも、結論は議員を辞めていただくことしかない。[2003-05-09-00:14]




松浪問題、国会はかばい合い互助会か
(『毎日新聞』社説H15.4.23抜粋)

 保守新党の松浪健四郎衆院議員が、かつて暴力団員と関係のあった問題で、同党は21日松浪氏が衆院政治倫理審査会で説明することと、役職(国対副委員長)を辞任することを決めた。松浪氏は重ねて議員辞職しない意向を表明している。

 同審査会は85年10月、国会議員の政治倫理確立のための政治倫理綱領および行為規範の議決とともに設置された。
 綱領は「政治倫理の確立は議会政治の根幹であり、いやしくも国民の信頼にもとることがないよう努めなければならない」と5項目を定める。
 第1項には「国民の信頼に値するより高い倫理的義務に徹し、政治不信を招く公私混淆(こんこう)を断ち、かりそめにも国民の非難を受けないよう……」とある。
 国会法には議員の綱領、規範順守規定がある。国会の国民に対する公約でもある。法を定める立法府を構成する国会議員として当然の規定だと考える。
 松浪議員と反社会的な暴力団員との不明朗な関係は綱領に抵触することは明らかではないか。

 与党の一部に、鈴木宗男、坂井隆憲両衆院議員が、議員辞職勧告決議をされてもなお議員として居座っていることを理由に、松浪氏の議員辞職は必要ないという考え方や議員辞職論をけん制する意見があるという。本末転倒もはなはだしい。
 まるで疑惑議員をかばい合う議論ではないか。こんな議論がはびこったら国会の自浄機能は絶望的といわざるを得ない。

 保守新党が国民の信頼と支持を得るためにも、ここで毅然(きぜん)とした態度をとるべきだ。役職停止と政治倫理審査会出席だけで済まそうとしても有権者は納得しない。(毎日新聞04-22-23:59)




松浪議員―国民をなめるな
(『朝日新聞ニュース速報』H15.4.22)

 驚くばかりの開き直りだ。暴力団とは何か。政治家とはどういう仕事なのか。そんな最低限の常識もない。
 松浪健四郎衆院議員と、所属する保守新党のことである。
 保守新党は松浪氏の役職停止と、国会の政治倫理審査会で本人に弁明させることを決めた。党としては議員の辞職も求めないし、除名もしないということだ。
 これではおとがめなしに等しい。
 松浪氏は売り物の「ちょんまげ」を切り落とし、「もう1回生まれ変わらなきゃいけない」と神妙な顔を見せた。「国民に心からおわびを申し上げたい」とも語った。しかし、辞職する意思はないようだ。
 政倫審で「説明責任を果たしたい」と松浪氏は言うが、本人は暴力団と関係があったことを認めている。何を弁明しようというのだろうか。
 暴力団組員が実質的に経営していた会社に秘書の給与を肩代わりしてもらっていた。松浪氏は発覚当初から「責任を痛感している」と語っている。
 指名手配中のこの組員に頼まれ、事件について警察に電話で問い合わせた。これも「軽率だった」と認めている。
 これだけでも議員を辞めてもらいたいというのが、多くの国民の感覚だろう。
 ところが、保守新党は松浪氏をかばい続けている。今回の決定も全員一致だったというから、常識のなさには恐れ入る。
 二階俊博幹事長は松浪氏の政倫審出席について「話をよく聞いてあげることが大事ではないか。それが民主主義というものだ」と述べた。
 暴力団と付き合ったぐらいで議員を辞めてどうする。金をもらっても大したことではない。そんなおごりさえ、この党の態度からは伝わってくる。
 政界と暴力団との関係は、これまでも度々明るみに出た。今回の件も、知って仰天した議員はむしろ少数かもしれない。
 だが、暴力団は国民があげて排除しようとしている対象だ。資金源を断とうと公共事業から締め出したり、事務所の明け渡しを求めて訴訟が相次いだりしている。
 市井の人々が恐怖や危険を感じながらも立ち向かっているのに、国会議員がなれ合うことが許されていいはずはない。
 まして秘書給与を肩代わりしてもらうような議員に、税金から歳費が払われることをだれが納得するだろうか。
 かばう議員たちも同じようなものだ
 保守新党は昨年末、保守党と民主離党組が政党交付金をあてこみ、駆け込みで結成した党である。松浪氏をかばい続けるなら、交付金を返してもらいたい。
 連立を組む自民、公明両党も事の重大さがわかっていない。
 国民をなめるのもいい加減にしてもらいたい。松浪氏が生まれ変わりたいのなら、まず議員を辞めてからだ。[2003-04-22-00:09]




松浪氏の処分を了承=自民・公明両党
(『時事通信ニュース速報』H15.4.21)

山崎拓自民、冬柴鉄三公明両党幹事長は21日午後、国会内で保守新党の二階俊博幹事長と会い、同党の松浪健四郎衆院議員を役職停止処分としたことについて説明を受け、了承した。[時事通信社][2003-04-21-19:27]




<松浪議員>保守新党の甘い対応
―国民の批判を増幅させる結果へ―
(『毎日新聞ニュース速報』H15.4.21抜粋)

 松浪健四郎・保守新党衆院議員の一連の疑惑について、同党が衆院政治倫理審査会での弁明など、甘い対応で決着を図ろうとしていることは、かえって国民の批判を増幅させそうだ。(中略)
 結局、自民党も「口をはさむことはない」(幹部)。公明党の東順治国対委員長も「保守新党は記者会見をその都度開いて、正面からきちんと対応している」と理解を示し、一斉に沈黙してしまった。(以下略)【中川佳昭、浜名晋一】




松浪議員のけじめを問う
(『日経新聞』H15.4.18抜粋)

 松浪氏はかつて衆院本会議場で野党席にコップの水をかけ、懲罰処分を受けている。今回の不祥事と合わせて、問われているのは松浪氏の国会議員としての適格性である。
 松浪氏が属する保守新党の対応も不可解である。暴力団組員との関係が明るみに出たにもかかわらず、処分はせずに「国会活動を通じて信頼回復に努めるとの松浪氏の決意を見守る」というのでは有権者の理解は得られまい。与党の立場にある政党こそ、一層の自浄能力の発揮が求められる。
 野党側は衆院予算委員会で松浪議員の参考人招致を行うよう求め、最終的には議員辞職勧告決議案を提出する構えを見せている。松浪氏の問題の取り扱いが今国会の焦点である有事関連法案や個人情報保護法案の審議にも影響を及ぼす可能性が出てきた。こうした事態を避けるためにも松浪氏本人が明確なけじめを示すことが必要である。与党の自民、公明両党にとっても他人事ではないはずである。




松浪議員、進退は論じるまでもない
(『毎日新聞』社説H15.4.17)

 また政治とカネの問題が明らかになった。今度は国会議員と暴力団の関係である。長髪を後ろで束ねた独特のヘアスタイルの松浪健四郎衆院議員(保守新党)が、暴力団組員(当時)が実質的に経営している建設会社に、私設秘書の給与を肩代わりさせていたことが発覚したのである。
 肩代わりは5、6年前のことで、額は275万円だ。そのころ、この暴力団組員は、大阪府営住宅の解体工事をめぐり談合(競売入札妨害)容疑で大阪府警に逮捕され、起訴されるのだが、松浪氏は指名手配中のこの暴力団員と会い、求めに応じて、府警に捜査状況を照会している。
 照会内容は明らかでないが、普通ならできないことである。
 問題は「黒い関係」だけではない。秘書給与肩代わりは、企業の政治家への寄付、すなわち、政治献金に当たる。なのに松浪氏はこれを政治資金収支報告書に記載しなかった。虚偽の報告をしていたのである。
 発覚直前に、修正報告しているが、この時、ほかの献金300万円についても報告が漏れていたとして併せて修正した。
 立法府にいて、国政を担う議員が、資金提供の見返りに、反社会的な存在である暴力団員に便宜を図ったといえる。その上、法に従わないで報告しない。このような事態がはびこれば、国の政治が基本から崩れかねない。
 3年前の「加藤政局」の時、松浪氏は野党提出の森喜朗内閣不信任決議案に対する反対討論中、演壇から野党席にグラスの水をかけて、懲罰委員会で25日の登院停止処分を受けている。
 言論の府にふさわしくない議員といわざるを得ない。
 政治とカネの問題は今や慢性症状である。今年になってから、ゼネコン汚職事件で実刑が確定した中村喜四郎衆院議員の失職、自民党長崎県連の違法献金事件、坂井隆憲衆院議員の政治資金規正法違反容疑での逮捕、そして大島理森農相の辞任と続いている。いいかげんにしろといいたい。
 しかも今度は暴力団との関係である。政治家のカネ集めは何でもありの状態である。
 これまで、保守政治家と暴力団との関係はときどき明るみに出ているが、その根深さを改めて示したといえる。
 こうした政治家とカネをめぐる不祥事が表面化するたびに、国民の政治家不信は強まり、政治の土台が崩れていることが分からないのか。
 保守新党は15日、松浪氏に厳重注意したが、除名や議員辞職勧告などは行わず、おとがめなしだ。他の与党も不満を持ちながらもこの扱いを受け入れる姿勢をとっている。自浄作用が機能しない。事の重大性が分かっていないのではないか。
 松浪氏は指摘された事実を認め、反省しているのはせめてもの救いだが、政治家と暴力団との関係を絶つためにも国会はけじめをつける必要がある。(毎日新聞04-17-00:31)




松浪議員、進退は論じるまでもない
(『毎日新聞』社説H15.4.17)

 また政治とカネの問題が明らかになった。今度は国会議員と暴力団の関係である。長髪を後ろで束ねた独特のヘアスタイルの松浪健四郎衆院議員(保守新党)が、暴力団組員(当時)が実質的に経営している建設会社に、私設秘書の給与を肩代わりさせていたことが発覚したのである。
 肩代わりは5、6年前のことで、額は275万円だ。そのころ、この暴力団組員は、大阪府営住宅の解体工事をめぐり談合(競売入札妨害)容疑で大阪府警に逮捕され、起訴されるのだが、松浪氏は指名手配中のこの暴力団員と会い、求めに応じて、府警に捜査状況を照会している。
 照会内容は明らかでないが、普通ならできないことである。
 問題は「黒い関係」だけではない。秘書給与肩代わりは、企業の政治家への寄付、すなわち、政治献金に当たる。なのに松浪氏はこれを政治資金収支報告書に記載しなかった。虚偽の報告をしていたのである。
 発覚直前に、修正報告しているが、この時、ほかの献金300万円についても報告が漏れていたとして併せて修正した。
 立法府にいて、国政を担う議員が、資金提供の見返りに、反社会的な存在である暴力団員に便宜を図ったといえる。その上、法に従わないで報告しない。このような事態がはびこれば、国の政治が基本から崩れかねない。
 3年前の「加藤政局」の時、松浪氏は野党提出の森喜朗内閣不信任決議案に対する反対討論中、演壇から野党席にグラスの水をかけて、懲罰委員会で25日の登院停止処分を受けている。
 言論の府にふさわしくない議員といわざるを得ない。
 政治とカネの問題は今や慢性症状である。今年になってから、ゼネコン汚職事件で実刑が確定した中村喜四郎衆院議員の失職、自民党長崎県連の違法献金事件、坂井隆憲衆院議員の政治資金規正法違反容疑での逮捕、そして大島理森農相の辞任と続いている。いいかげんにしろといいたい。
 しかも今度は暴力団との関係である。政治家のカネ集めは何でもありの状態である。
 これまで、保守政治家と暴力団との関係はときどき明るみに出ているが、その根深さを改めて示したといえる。
 こうした政治家とカネをめぐる不祥事が表面化するたびに、国民の政治家不信は強まり、政治の土台が崩れていることが分からないのか。
 保守新党は15日、松浪氏に厳重注意したが、除名や議員辞職勧告などは行わず、おとがめなしだ。他の与党も不満を持ちながらもこの扱いを受け入れる姿勢をとっている。自浄作用が機能しない。事の重大性が分かっていないのではないか。
 松浪氏は指摘された事実を認め、反省しているのはせめてもの救いだが、政治家と暴力団との関係を絶つためにも国会はけじめをつける必要がある。(毎日新聞04-17-00:31)




松浪議員、保守新党幹部と進退含め協議
(『読売新聞ニュース速報』H15.4.15)

 保守新党の松浪健四郎衆院議員(56)(大阪19区)は15日昼、暴力団組員が実質経営していた建設会社からの秘書給与肩代わり問題を受け、国会内で同党の二階幹事長らと進退問題を含め、対応を協議した。今後の展開によっては、議員辞職の可能性もある。
 これに関し、公明党幹部15日午後、記者団に対し、「暴力団との関係も取りざたされており、身をただして辞めるべきだ」と述べ、松浪氏の進退問題に発展するのは避けられないとの見通しを示した。
 松浪氏は、保守新党の国会対策副委員長を務めるほか、国会運営全般や秘書問題などを扱う衆院議院運営委員会の委員。松浪氏は午前の衆院議院運営委員会理事会で、与野党の委員に対し、「お騒がせしてすみません。心からおわび申し上げたい」と述べた。
 保守新党の熊谷代表は午前の会見で、「法的、道義的問題もあるので、党として相談のうえ対応したい」と語った。[2003-04-15-14:01]