************************************************************ 何げなく『聖教新聞』(7月1日付)に目を落とした宮内庁幹部は、1面左上に掲載された写真を見て困惑(こんわく)した。壇上で、にこやかに微笑(ほほえ)む皇太子さま。そしてその5人置いた右側には、やはり笑顔で拍手をする池田博正・創価学会副理事長(55)―ある式典で、この2人が並んだカラー写真が大きく載っていたからだ。紙面の中央には、式典で学会員たちが"組み体操"を披露(ひろう)する姿がさらに大きなサイズで紹介されている。
〈ブラジルパラナ州で日本人移住100年祭〉
〈SGIメンバーらの熱演〉 などと大見出しが並び、
〈式典には、皇太子さま……式典委員会の招聘(しょうへい)を受けた池田大作SGI会長の名代として池田博正SGI副会長が出席した〉 とある。さらに、
〈大会関係者は語った。「見事な演技もさることながら、役員の方々も式典成功のために献身的に協力してくださいました。素晴らしい振舞いでした。世界の平和には皆さんのような青年が必要です!」〉 などと自画自賛が続く。「なぜこんなことに……」
思わず出たため息とともに、宮内庁幹部にこんな思いが頭をよぎった。「これでは、皇太子さまが"学会の広告塔になったのでは"と見られないか。皇室と創価学会との距離を誤解されなければいいが……」
(『週刊朝日』H20.8.1)
------------------------------------------------------------ 宮内庁幹部の心配は的(まと)を射たものといえよう。とくに「皇室と創価学会との距離を誤解されなければいいが」という心配は。************************************************************ 和太鼓など、祝賀の演奏、演技に続いて登場したのが、、ブラジルSGIのタイヨウ(太陽)音楽隊、ノーヴァ・エラ(新世紀)鼓笛隊である。日本の民謡「八木節」をモチーフにしたマーチが、観客を魅了(みりょう)した。
圧巻だったのは、SGI青年部を中心とした200人による組み体操。
スピード感あふれる演技が、場内の空気を一変した。
グラウンドいっぱいに3段円筒、4段円筒を作り上げていく。初挑戦となった女子部の"人間ピラミッド"にも大拍手が送られた。
終盤、2つの4段円筒から、ブラジル、日本両国の国旗をイメージした垂(た)れ幕がたなびくと、場内の盛り上がりは最高潮に。
壇上の来賓(らいひん)たちも、身を乗り出して見入っていた。
(『聖教新聞』H20.7.1)
------------------------------------------------------------ これを読んだなら、宮内庁幹部でなくとも「皇室と創価学会との距離を誤解されなければいいが」と心配になる。************************************************************ (※池田博正の出席につき)創価学会広報室は、「
長年にわたる日伯の友好交流の貢献に対し、池田SGI会長が式典委員長名で式典委員会から招聘を受けたもの。名代として池田博正副会長が出席しました」
と説明するが、主催者側の認識は少々違うようだ。
「われわれ日系社会のメンバーが博正氏を積極的に招待したというよりは、
BSGI(※ブラジルSGI)から"池田会長を招待したい"との申し出を受けたのです。BSGIには大変お世話になったし、博正氏はわざわざ日本からいらっしゃるという。せっかくですから、来賓としてご招待します、となったのです」(ニシモリ執行委員長)
しかし、式典を主催した州政府や日本領事館からは"注意事項"があった。
「領事館からは、"宗教関係は気をつけてください"と言われていました。つまり、皇太子さまがいらしているのだから、"特定の名称は言うな"ということです。ですから、式典で博正氏の紹介もしていませんし、音楽隊や組み体操についてもプログラムにBSGIの文字は載せず、場内でアナウンスもしていません」(同)
(『週刊朝日』H20.8.1)
------------------------------------------------------------ すなわち、皇太子殿下と池田博正は、同じ式典に列席し、目の前で繰り広げられるブラジルSGIの演技を観覧したことは確かだが、