創価学会本体が乙骨氏に敗訴(仮題)

(『慧妙』H23.4.16)

 去る3月24日、東京地裁(中村也寸志裁判長)は、フリージャーナリスト・乙骨正生氏が創価学会などを相手取り起こしていた民事訴訟に、乙骨氏全面勝訴の判決を下した。
 この裁判は、創価学会が発行する『創価新報』(H18.2.1)に掲載された「青年部座談会5」と題する記事中に、乙骨氏の名誉を毀損(きそん)する、創価学会青年部幹部らの口汚ない悪口誹謗(あっくひぼう)が掲載されていたことに対し、乙骨氏が1千百万円の損害賠償や謝罪広告の掲載を求めて訴えていたもの。
 これに対し学会側は、記事は乙骨氏の名誉を毀損するものではなく、また記事の内容も事実に則したものであるとして争ったが、裁判所は学会側の主張を退け、乙骨氏に対して55万円を支払うよう命ずる判決を下したのである。
 創価学会本体を相手取っての訴訟で、原告側に勝訴判決が出たという点において、今後の展開が注目される。


東京地裁が不法行為責任を認定
―「言論の暴力」そのものの誹謗中傷―
(『フォーラム21』H23.4抜粋)

 本誌の編集人兼発行人である乙骨正生が、創価学会青年部の機関紙『創価新報』平成18年2月1日号掲載の「青年部座談会」によって名誉を毀損されたとして、宗教法人・創価学会(代表役員・正木正明)と、座談会発言者の竹内一彦(青年部長)・佐藤芳宣(男子部長)・笠原康紀(副男子部長・創価班委員長)奥村孝史(副男子部長・牙城会委員長)・森山城昌(学生部長)の5人と、『創価新報』発行人の本多正紀(副会長)を被告として、1100万円の損害賠償と『創価新報』への謝罪広告の掲載を求めて提訴した事件の判決が、3月24日午後、東京地方裁判所で言い渡された。
 同判決において東京地裁民事49部(中村也寸志裁判長)は、乙骨の主張をほぼ全面的に認め、『創価新報』記事の名誉毀損性を認定。被告らに対して55万円の損害賠償を支払うよう命じる判断を示した。(中略)

 判決において東京地裁民事49部は、(中略)いずれも名誉毀損を構成すると判示した。
 その上で、真実性ならびに相当性についても、被告・創価学会側が提出した理事長の正木の陳述書での主張や、本件記事をまとめた聖教新聞記者の平松和朗の証人尋問での陳述の主張、さらにかつては創価学会に批判的な言論を行っていたにもかかわらず、今回、創価学会に与して陳述書や弁護士の照会書などを提出した、「仏教タイムス」の矢部一雄元編集長や兵本達吉元日本共産党国会議員秘書、正信会の浜中和道伝法寺住職らの主張を斥け、(中略)真実性・相当性がないと認定。(中略)
 なお、損害額の認定については、『創価新報』が150万部を発行する巨大媒体であるものの、その頒布先は主として創価学会青年部員に限定されていることから、一般社会への伝播可能性が低いとして、損害は原告・乙骨の精神的苦痛への慰謝料として50万円、弁護士費用として5万円の支払いが相当であるとし、『創価新報』への謝罪広告の掲載要求は棄却した。(中略)

 なお、創価学会は、これまで乙骨や、乙骨と『週刊新潮』を共同被告とする名誉毀損訴訟で勝訴すると、「東京地裁ガセネタ屋乙骨を断罪」などの大見出しをつけた記事を『聖教新聞』等の機関紙誌に大々的に掲載してきたが、今回の敗訴については、過去の創価学会敗訴事件同様、ただの一行も報じていない
 創価学会は、平成18年3月に日蓮正宗僧侶に対する『聖教新聞』座談会記事での名誉毀損が東京地裁判決で認定され、宗教法人・創価学会そのものと秋谷栄之助会長(当時)、青木亨理事長(宗教法人代表役員・当時)、原田稔副理事長(当時・現会長)、奥山義朗副会長らの共同不法行為責任が認定され、80万円の損害賠償の支払いを命じられ、同判決は確定している。
 また本誌2月号で詳報したように、今年1月には、谷川佳樹副会長が、新潮社と矢野絢也元公明党委員長を提訴した名誉毀損に基づく謝罪広告請求事件で、東京地裁は谷川副会長をはじめとする青年部最高幹部らが矢野元委員長を「脅迫」した事実を認定した。
 そして今回、東京地裁は創価学会ならびに青年部最高幹部の、乙骨に対する名誉毀損という不法行為を認定した。税制上の優遇措置を受けている公益法人たる創価学会が、名誉毀損や脅迫を繰り返していることを裁判所が立て続けに認定した意味は重大である。
 創価学会は「言論による暴力を許すな」とか、「言論による人権侵害を許すな」などのキャンペーンを張り、創価学会を母体とする公明党に、国会で名誉毀損の損害賠償の高額化や名誉毀損罪の速やかな適用を図るよう促し、公明党はそうした質問を繰り返してきた事実がある。ところが創価学会は、自らが犯した名誉毀損を謝罪し反省するどころか、名誉毀損を犯したことを裁判所に認定された人物を副理事長から会長へ昇格させたのである。また日蓮正宗僧侶への名誉毀損で敗訴した事実も、今回、乙骨に対する名誉毀損が認定された事実もいっさい報じない。
 現在、日本相撲協会が公益法人であることの是非が問われているが、所詮はたかがバクチに八百長である。しかし創価学会は、言論出版妨害事件や宮本宅盗聴事件を端緒として、名誉毀損に脅迫と、重大な人権侵害を繰り返していながら、一向に反省の姿勢を見せず、開き直っているのである。
 今回の乙骨に対する名誉毀損の認定は、創価学会が宗教法人としての適格性を欠いていることを改めて示したということができよう。

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