『聖教』が報道しない呆れた「真実」

―池田大作への米下院議会顕彰の実態―
―なんと、顕彰を発意した議員は学会員!!―
―「議会顕彰」といっても実質は個人顕彰―

(『慧妙』H22.2.16)

 池田大作を顕彰するため、ありとあらゆる手段を講じてきた創価学会―。
 "池田は名誉称号を金で買っている"とする指摘は、昔から後を絶たず、また、様々なコネクションを使っての名誉称号獲得工作の話も聞かれる。すなわち、これまで本紙が報じてきた、元創価学会スペイン理事長による、マドリード大学に対する、図書贈呈への見返りとしての名誉称号獲得工作の話や、あるいは、元公明党参議院議員・福本潤一氏が暴露した、学会による福本氏への、東京大学の名誉称号獲得に向けた工作の依頼等といった話である。
 そして、今回、本紙読者から、"インターネット上で、池田に対するアメリカ連邦下院議会からの顕彰について、その真相が暴(あば)かれている。ぜひ『慧妙』でも取り上げて、多くの人に知らしめてほしい"との要望が寄せられた。確認してみると、たしかに、池田に対する顕彰の実態を暴く惰報であった。
 そこで、読者の要望に応(こた)え本紙もこの問題を取り上げることにした。


【『聖教』が伏せた議員の「正体」】
―じつはSGI会員だった!―
 平成21年2月4日付の『聖教新聞』の1面。「米連邦下院議会 池田SGI会長に顕彰状」との大見出しが打たれ、さらに「キング博士の生誕日を記念し授与式」『平和と正義の使者』讃(たた)え」といった見出しが躍る。
 少々長いが、その内容を紹介すると、まず本文冒頭には
 「アメリカ連邦下院議会の議会顕彰(発議者ハンク・ジョンソン下院議員)が、池田SGI(創価学会インターナショナル)会長に贈られた。SGI会長を『平和と正義の使者』と讃えている」
とあり、議会顕彰の授与式が連邦議会議事堂内にあるジョンソン議員のオフィスで開催されたことなどを報じた後、ジョンソン議員が感激の面持(おもも)ちで証書(下記●参照)を読み上げた、として、解説付きで証書の内容を紹介している。その中には、
 「米国下院議会は、こうした影の努力を続けてきた、一人の比類なき英雄を讃えて、池田大作SGI会長を『平和と正義の使者』と命名します」
との件(くだり)が。そして記事は
 「人権の英雄を偲(しの)び、歴史的大統領の誕生を祝したこの日。世界をリードしゆくアメリカは、平和と正義の『行動の人』を讃えた」
と結ばれている。
 池田大作の隠れた功績に気付いた米下院議員が、米連邦下院議会に働きかけ、議会が池田大作を顕彰した―この記事を読めば誰もが、そう信じ込むだろう。
 ところがそこには、とんでもないゴマカシがあったのだ。
 まずは、ハンク・ジョンソン下院議員の"正体"。なんと、彼はSGI(創価学会インターナショナル)のメンバーであった。
 ウィキペディア(※インターネツト上の百科事典)によると、彼の「Religion(宗教)」は「Buddhist(仏教徒)」となっており、しかも「Soka Gakkai」と付記されている。
 また、彼の来歴の項にも明確に
 「Johnson is a practicing Buddhist and is a member of Sokagakkai International(ジョソンンは仏教徒であり、創価学会インターナショナルの会員である)」
と書かれているではないか。
 すなわち、『聖教新聞』が報じた「アメリカ連邦下院議会の議会顕彰」なるものは、SGI会員であるハンク・ジョンソンが、SGI会長の池田大作を顕彰したいと「発議」した、何とも手前味噌な顕彰だったのである。


【「下院議会」は、じつは「一議員」】
―『聖教新聞』が弄(ろう)した愚劣なゴマカシ―
 ゴマカシはそれだけではない。じつはこの顕彰証書の内容が、とんでもなく歪(ゆが)められていたのだ。
 『聖教』の記事には、ハンク・ジョンソンが読み上げたという顕彰証書の写真が添えられていた。そこで本紙は、その翻訳を、かつてSGI公認通訳を務めていた後呂聖子氏(法華講員)に依頼した。
 その結果、『聖教』が
 「米国下院議会は、こうした影の努力を続けてきた、一人の比類なき英雄を讃えて、池田大作SGI会長を『平和と正義の使者』と命名します」(前出)としていた部分を正確に訳すと、
 「私の一アメリカ議員としての立場から、そうした傑出した一人の英雄、即ち我々の歴史の中で、この瞬間にも多大なる貢献をしていながら語られず、人目に触れることのない影の努力を成してきた池田大作SGI会長を、平和と正義の使者と称することによって、彼の努力をここに認めたい」
となることが判明したのである。
 加えて、顕彰証書の署名も「アメリカ連邦下院議員ハンク・ジョンソン」の署名のみ
 すなわち、この顕彰証書の内容は、ハンク・ジョンソンが"私は池田センセーを「平和と正義の使者」と認めたい"と宣言した、というだけのものであり、加えて、その中にはどこにも、このことについて米下院議会の議決を求めた、あるいは議会の賛同が得られた、とする旨の文章は見あたらない。
 現に、米政府印刷局のサイトにて、当日の「Congressional Record(連邦議会議事録)」のPDFファイルを、「Daisaku」と「Ikeda」でそれぞれ検索してみたが、何もヒットしなかった。
 ということは、池田大作に対する顕彰は、正式な議題として議決されたわけではない、ということではないか。
 では、ハンク・ジョンソンは、いったい何をしたのだろうか。
 調べを進めると、
 「Extensions of Remarks(直訳すると〈意見の拡大〉)」
というファイルの中に、ハンク・ジョンソンが議会で先の意見を述べた記述があったが、やはりその中にも、同僚議員に同意を求める文言はなかった。
 ということは、下院議会においてハンク・ジョンソンが、自らの「アメリカ連邦下院議員」という立場で顕彰することを表明し、これを、議会が、議員個人が所有する権限の行使ということで承認した、という程度の話なのであろう。
 現に、それを裏付けるように、顕彰の授与式も、議事堂内にあるとはいえ、ハンク・ジョンソンのオフィスで行なわれたというのだから、やはり、この顕彰の実態は明々白々といえる。
 にも拘わらず『聖教新聞』は、「米連邦下院議会 池田SGI会長に顕彰状」「世界をリードしゆくアメリカは、平和と正義の『行動の人』を讃えた」などと大仰(おおぎょう)に報じたのだから、その厚顔(こうがん)ぶりには、ただただ恐れ入るしかない。


【「米連邦議事堂に星条旗掲揚」の真相】
―13.05ドルで議員に頼めば誰もが!?―
 さて、このハンク・ジョンソン、じつはその前にも、創価学会のプロパガンダに一役買っている。
 平成20年1月12日付の『聖教』は、「アメリカ台衆国『1月2日』SGI会長の傘寿を慶祝 米連邦議事堂に星条旗を掲揚」「首都ワシントンDC 昨年12月31日 池田大作氏の誕生日を祝して」なる大見出しを掲げ、
 「アメリカ各界で、池田SGI会長の傘寿(80歳)の誕生日『1月2日』を寿(ことほ)ぐ慶事が続いている。首都ワシントンDCの連邦議会議事堂では、『1.2』を祝賀してアメリカ舎衆国の国旗である『星条旗』が高らかに掲揚された。これは、ハンク・ジョンソン米連邦下院議員の発意によるもの。このほど、掲揚された星条旗とその証明書が届けられた。証明書には『この旗は、池田大作氏の80歳の御誕生日を祝して掲揚された』と綴(つづ)られている」
と、ハンク・ジョンソンの"活躍"を報じているのだ。
 アメリカの事情を知らぬ学会員は、この記事を読んで、"池田先生の誕生日を祝ってアメリカ各界で慶事が続き、アメリカ連邦議会議事堂にまで星条旗が掲揚されるなんて。すごい!池田先生はアメリカでも認められているんだ!!"と、単純に喜んだことだろう。
 だが、じつはアメリカでは、誰でも、自分の選挙区の議員を通じて、連邦議会議事堂に星条旗を掲揚し、さらに掲揚の理由を記した証明書を発行してもらいたい、と申請できるのだ。(!)
 しかしてそのお値段は、星条旗の大きさと材質によって幅があるものの、13ドル5セントから始まって、24ドル5セントまで(1ドル90円として計算すれば、1,200円弱から、せいぜい2,200円弱である)。
 これが事実かどうか確認したければ、ハンク・ジョンソンの公式サイトの、次のぺ-ジを開くがいい(https://hankjohnsonforms.house.gov/flag-requests.shtml)。そこにはちゃんと、料金表が付いた、星条旗掲揚のための申請用フォームが用意されているから(笑)。
 ちなみに、ハンク・ジョンソンはこれらの他に、池田大作夫妻に対し、平成21年11月に"11月18日を「ダイサク&カネコ・イケダ勝利の日」とする"と宣言した顕彰状を、さらには本年1月にも、「パイオニア人道賞」なるものを贈っている(もちろんこれらも、『聖教』が大きく報じた)。
 このように、ハンク・ジョンソンは手を変え品を変え、都合3年ほどの間に4度も、池田に対する顕彰を行なってきたのだ。
 それを、あたかも"アメリカ合衆国が池田センセーを顕彰した"ように信じ込まされ、さらに洗脳の深みに嵌(はま)り込んでいく学会員こそ哀れ、である。
 そんな学会員を覚醒(かくせい)させ、無間地獄への道から救い出すべく、我々は日夜、再折伏に励まねばなるまい。


▲『聖教』(平成21年2月4日付)が華々しく報じた米下院議会顕彰も、その実態は―


▲"星条旗の掲揚は13.05ドルから"ハンク・ジョンソンのサイトにも申請用のフォームが(背景は米連邦議会写真提供・ロイター=共同)

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●その種の証書はいわば感謝状のようなもので、下院議員が勝手に乱発することで有名。議会で"誰々を賞賛する"と発言するだけで議事録に残りますから。日本と違い米下院議員は党から選挙資金を貰えず任期も2年と短いので、選挙のために有力な支援者にそうした感謝状を乱発するんです(ニューヨーク市立大教授・霍見芳浩『週刊新潮』H22.3.11)

●米国に確認しないと答えられない(学会広報室『週刊新潮』H22.3.11)