深刻な学会員の公明離れ

―民主党への露骨なスリ寄りの真相―
―非会員引き込みもタレントグッズ頼み―

(『日刊ゲンダイ』H22.1.12)

 売れないジゴロのような民主党へのスリ寄りぶりだ。公明党の山口那津男代表が、10日のNHK番組で次期参院選の自民・民主両党との選挙協力について「人間関係を中心に選挙の基盤を広げていく」と発言。選挙区によっては民主候補との連携に含みを持たせた。
 公明党は先週も、政界を引退していた市川雄一元書記長(74)が常任顧問に復帰する人事を決定。市川氏は、かつて民主党の小沢幹事長と「一・一ライン」と呼ばれた強固な連携を築いた人物だ。突然の復帰に「公明党は再び小沢氏とのパイプを構築するのか」との観測が流れている。
 「最近の公明党は“小沢シフト”に傾いています。天皇と中国の習近平副主席の会見問題では、猛烈に批判した自民党を尻目に『天皇の政治利用ではない』と表明。宮内庁長官の辞任に言及した小沢氏を山口代表は『間違ってない』と擁護しました」(政界関係者)
 鳩山首相と小沢の献金問題への対応にも温度差がある。首相には「政治責任を決断すべきだ」(山口代表)と辞任を求める一方、小沢の不動産取引疑惑には「まずは小沢さん自身が説明責任を果たすこと」(同)との発言にとどめるのみ。小沢への配慮がハッキリとうかがえるのだ。
 公明党が小沢に秋波を送るのには、ワケがある。創価学会と公明党。一枚岩とみられた両組織だが、学会員の公明離れが止まらないのだ。
 自公連立の10年間で公明党の独自色は失われ、昨年の衆院選では大敗。野党転落後も埋没気味で、もはや学会員にとって公明党は“信仰の勝利”を実感する存在ではなくなりつつある
 非会員を説得して引き込むパワーも弱まっている証拠だろう。信濃町界隈の学会員向けのグッズショップには、学会タレントの三船美佳がイメージキャラクターを務める腕時計や、氷川きよしの関連商品があふれている。こんな現象は、政権与党時代には見られなかった。
 「組織の弱体化を食い止めるため、悲願の『外国人参政権法案』を実現させようと、公明党は焦っています。小沢氏が、通常国会で付与法案を政府提出する考えを打ち出したのは“渡りに船”。参院選を前に学会員の公明離れが進めば、ますます小沢氏へのスリ寄りが強まりそうです」(学会ウオッチャー)
 腐敗政党に手を貸したツケは重い。