■定額給付金 1人1万2000円 ―高齢者(65歳以上)、子ども(18歳以下)8000円加算―
―市区町村で交付要綱決定 円滑、迅速な実施めざす― 『公明新聞』H20.11.13
自民、公明両党の幹事長、政務調査会長、国会対策委員長は12日午前、都内で会談し、新たな経済対策の柱となる総額2兆円の「定額給付金」について1人当たり1万2000円、65歳以上と18歳以下にはそれぞれ8000円を加算することで合意した。公明党から北側一雄幹事長、山口那津男政調会長、漆原良夫国対委員長が出席した。
給付金額が固まったことで、夫婦と18歳以下の子ども2人の標準的世帯であれば合計6万4000円、同じく18歳以下の子どもが3人の5人家族では8万4000円、65歳以上の夫婦2人家族の場合は4万円が支給される。
焦点の1つだった高額所得者に所得制限を設けるかどうかについては、各市区町村がそれぞれの実情に応じて交付要綱で決めることとし、所得制限を設ける場合の下限を「目安として所得1800万円」とした。
会談後、与党両政調会長は国会内で記者団の質問に答え、所得制限を設ける場合の所得の考え方について、「収入から必要経費(給与所得者の場合は給与所得控除)を控除した後の金額」と説明。給与所得者であれば所得1800万円は給与収入に換算し2074万円と例示した。
その上で、所得制限を1800万円としたことについては、「2000万円以上収入のある方は確定申告を出さなければならないので、ここで線引きをした」と説明した。
また、給付金の名称については、「生活支援とともに経済対策の意味合いもある」とし、最終的に「定額給付金」となった旨を報告した。
公明党の山口政調会長は、今後の流れについて、円滑な実施、運用に向けて自治体の意見も十分踏まえ、総務省の「定額給付金実施本部」で検討が進められるとし、「現場で確実に混乱なく給付が行われることを期待してこのような決定をした」と述べた。
また山口政調会長は、「生活支援を重視すれば所得制限の検討は十分あり得る。一方で給付の実務に当たる市区町村の実情も十分配慮しなければならない」とし、年度内に迅速に実施するため、ある程度、幅を持たせた形で与党の枠組みを決めた経緯を説明した。
与党両政調会長は同日、首相官邸を訪ね、与党の合意内容について河村建夫官房長官に報告した。
“丸投げ”批判は当たらず 太田代表 公明党の太田昭宏代表は12日、与党が同日、定額給付金の支給額などで合意したことに関連し、首相官邸で記者団の質問に答える形で見解を述べた。
太田代表は、所得制限の設定の有無を市町村に委ねた与党の判断に対し“丸投げ”批判が出ていることについて、「丸投げというよりは基準を示したということ。それほど難しいことではない」と反論。居住地によって対応が違った場合、不公平感が出てくるのではとの指摘に対し、「そういうことにならないのではないか」と述べた。
また、公明党が主張していた減税方式が給付方式に変わったことについては「よりスピーディーに、漏れなく、できるだけ多くの方にお渡しできるということで決まったことは大変良いことだ」と述べ、
公明党の当初の発想が生かされている点を強調した。
庶民の生活守る安全網 全国商店街振興組合連合会理事長 桑島俊彦氏
定額給付金の決定を高く評価します。内需拡大が期待できます。今、子どもを抱えている家庭や年金で生活している方などは、収入が目減りしています。皆、欲しいものを買って元気になってもらいたい。
一方、商店街も小さい店ほど大変な状況です。この機会に、知恵の出し方によっては一層の活性化が期待できます。
「バラマキだ」と野党やマスコミは批判していますが、給付金はバラマキではありません。中小・零細企業や庶民は、米国発の金融不況などの、いわば被害者です。困っている庶民を支援するのはバラマキでしょうか。その意味では、給付金は生活のセーフティーネット(安全網)とも言えます。(談)