日蓮正宗関係
正依と宗規



宗規変更に無意味な論難/『慧妙』H16.4.1ほか

宗規の改正について/『大日蓮』H16.4

宗規(H16.3.5改正)/『大日蓮』H16.4

正依
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御書編纂
『観心本尊抄』の「十界久遠之上国土世間既顕一念三千殆隔竹膜」の読み方について/教学部長・水島公正 御尊師『大日蓮』H24.1

『開目抄』の「秘してしづめたまへり」の文について/教学部長・水島公正 御尊師『大日蓮』H21.10

『平成新編日蓮大聖人御書』の編纂について/『大日蓮』H7.6

宗門御書の批判は「ヤブヘビ」/『慧妙』H17.7.16

天に唾(つば)吐く宗門御書への批判/『慧妙』H17.5.16


正宗の宗規変更に無意味な論難

―部外者どもが本宗の宗規に因縁―
―哀れな誹謗中傷を一刀両断する!―

(『慧妙』H16.4.1ほか編集)

 池田学会は、宗門の「宗規」変更にかこつけて、『聖教新聞』(本年3月13日付、同26日付)や『創価新報』(同3月17日付)などで、好き勝手な虚言(そらごと)を吐いているが、その内容たるや、お粗末の一言につきる。
 すでに10年以上前に宗門からの「魂の解放記念日」を祝ったはずの彼等が、何時までも宗門の出来事に関心を寄せ続けること自体、彼等の拭いがたい劣等感を証明するものであり、まことに笑止千万と言うほかない。
 それでは彼等の戯言を逐条粉砕してみよう。

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<弓谷> 日顕宗が先日「宗規」を変更したようだな。(『聖教新聞』H16.3.13)
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 古今東西、「日顕宗」などという宗派は存在しないし、当然そのような宗派の「宗規」も存在しない。
 座談会に同席している(ことになっている)弁護士の松村が「宗というのは宗門の法律」云々と発言しているが、いくら7つも脳みそがある(頭破七分)とはいえ、「法律」の話をするときくらい、物事を正確に認識せよ。

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<杉山> 裁判に負け続けているのが相当こたえているんだな(笑い)。(同)
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 裁判に負け続け、相当こたえているのは、いったいどちらか。
 機関紙誌上であれほど喧伝していた数多の「正本堂訴訟」は、100%宗門側の勝利。
 また、学会側が形式的に「勝訴」したものですら、学会側の行為の違法性が認定された「写真偽造事件」のような例や、学会が「勝訴」したにもかかわらず、学会側の恒常的「盗聴」が認定された結果、裁判費用の1000分の999を学会が負担した例もある。
 その他、実際に学会側が敗訴した事件は約80件にも及び、宗門の実質勝訴といえる和解も多数あるではないか。
 なにより、提訴の際には鳴り物入りで喧伝し、敗訴すればダンマリという学会の姿勢自体、「敗訴」が「相当こたえている」証拠である。笑止。


<法主は、遷化(せんげ)または自らの意志による以外はその地位を退くことはない>
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<築地> ずばり、日顕(上人)の「独裁の強化」ですね。法主の権限を一段と強くした
<他の幹部> 「私物化」「クーデター」(同)
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 本当に学会の幹部というのは、救いようのない莫迦(ばか)者どもである。
 前掲の規定(※)を一見して分かるように、当然のことを明文化しただけのことであり、事実、これまでもこの規定のとおりだったのだ。
 つまり、御法主は御自身のお立場に関することは、最終的に自ら判断されてきたのである。
 まして創価学のような「外界」の者共が、「退座」だ「除歴」だと百万遍繰り返したとしても、猊座にチリ1つつけることは不可能である。
※法主は、能化のうちから次期の法主を選び血脈を相承する。但し、特に相当と認めるときは、大僧都のうちから選び血脈を相承することができる。(宗規第7条2)

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「日顕は自分で辞めない限り(中略)死ぬまで法主でいられる」とうそぶき、果ては日蓮宗や真言宗、曹洞宗などの例を挙げて法主の「任期制」を吹聴
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 言うに事欠いて邪宗を宗門批判の例証に持ち出すとは、悩乱の極みではないか。
 知らないなら教えてやろう。御法主上人の御進退は、唯授一人血脈相承なる故に、余人が容喙(ようかい)するところではない。故に戸田2代会長も、
◆先代牧口先生当時から学会は猊座の事には一切関知せぬ大精神で通して来たし、今後もこの精神で一貫する。これを破る者はたとへ大幹部といえども速座に除名する(『聖教新聞』昭和31年1月29日付)
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と指導していたではないか。
 傀儡どもよ、
◆新猊下を大聖人様としておつかえ申上げ(前同)
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る、との言葉も合わせ、戸田氏の指導に逆らうのか!(『大白法』040416)


<檀信徒の処分>
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<八尋> 「信徒の処分」についても大きく変えた。これまでは「訓告」「戒告」「権利停止」「除名」の4つの処分があったが、一番重い「除名」処分だけにした。
<築地> しかも(略)住職又は主管が総監の承認を得て処分(略)できるようにした。
<弓谷> (略)恐ろしい限りだ(笑い)。これじゃ、信徒なんて、いつでも簡単に除名できる
(『聖教新聞』H16.3.13)
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 おいおい、八尋よ、一体いつの「宗規」を見て非難しているのだ?改正前の「宗規」でも、信徒の処分は「除名」しかない。迂闊(うかつ)に過ぎる論難で悦に入っているとは……、さすが5千万円もの大金をちらつかせて離脱を勧誘した弁護士、たいした「センセー」だ。
 もっとも、かつて日顕上人を御法主と仰ぎ、その下で訴訟を担当しながら、今や率先して血脈否定の言を吐くのだから、それだけでも立派な二枚舌の持ち主だが……。
 親分たる大作が「除名」された腹いせの非難だろうが、頭破作七分の現証か、全く的に当たっていないぞ、「センセー」。(『大白法』040416)

 そもそも、宗規に限らず、我が国における「刑法」などでも、処分に関する規則というものは、「処分」することそのものが目的なのではなく、「防非止悪」のためであるといえよう。
 真面目に信行に励む信徒が「処分」されるはずはない。弓谷のように「恐ろしい限りだ」と思うのは、正法正義に背(そむ)く心根がそうさせるのである。
 弓谷らのような考え方をするなら、国法には「死刑制度」もあるわけだから、日本国に住むこと自体「恐ろしい限りだ」となってしまう。
 それならそれで「創価王国」にでも移住してはどうか。もっとも、そこでは独裁者のセンセーの逆鱗(げきりん)に触れると、赤い線で名前をバーッと消され、2度と人間界に生まれてこれなくなる「処分」があるそうだ。「恐ろしい限り」である(笑い)。
 そもそも、池田大作と同等の謗法を犯しながら、日蓮正宗から「除名」処分とされなかった学会幹部達は、何よりも「善導」を旨とした宗門の慈悲を思うべきと考えるが、如何。


<管長は(監正会の)裁決につき裁定する>
<管長の裁定に対しては、何人も異議を申し立てることは出来ない>

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<杉山> (監正会は)宗門の"裁判所"のようなところだな。 なんだ、これまた「全部、法主の一存で決まる」ということじゃないか。(『聖教新聞』H16.3.13)
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 学会員らはよく、『遺誡置文』の
 「時の貫主(かんず)たりと雖(いえど)も仏法に相違して己義を構へば之を用ふべからざる事」(御書1885頁)
との御指南を引き合いに出して、御法主上人を誹謗(ひぼう)するが、その次の
 「衆議たりと雖も、仏法に相違有らば貫首之を擢(くじ)くべき事」(同頁)
との御指南は目に入らないのか。これはまさに今回の宗規改正で明文化されたものと同趣旨ではないか。
 そして、「用ふべからざる」と「擢くべき」との力関係は、あまりにも明らかである。
 学会幹部の眼球には、何か特殊なフィルターが内蔵されているから、この御指南が見えないのだろう。
 ともかく杉山は、日興上人をも「独裁者」と誹謗する愚を犯しているのであるから、これこそ「恐ろしい限り」だ。

最後に、八尋のゴマカシ発言を一蹴(いっしゅう)する。
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<八尋> 一昨年には宗門は最高裁で3敗した。これは全て、改革僧侶の寺院の明け渡しを求めて日顕宗が起こした裁判だ。(同)
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 平塚・大経寺等の3ヵ寺のことを言っているらしいが、宗門が「寺院の明け渡しを求め」たのは事実である。
 そしてこれら3ヵ寺は、盤踞(ばんきょ)する脱落僧らが死亡すれば宗門に返還されることが、この裁判で確定した。
 その意味では、宗門の所期の目的は果たされたというべきであり、創価学会の「実質敗訴」である、と言っておく。
 そうそう、大経寺といえば、ここを占拠し続ける渡邊慈済は、先に挙げた「正本堂訴訟」の原告の1人で、『創価新報』(平成12年3月1日付)によれば、
 「正本堂破壊は真心から供養を寄せた者に対する重大な背信行為であり、違法である」
などと主張していたが、他の「正本堂訴訟」と同じく、渡邊もまた1審(静岡地裁)で完敗している。
 本来なら、御供養の意義を正確に説くべき立場にあった渡邊が、"本門戒壇の大御本尊を荘厳するため"に、と奉ったはずの御供養を「返せ」と訴え、負けたのだから、嗤(わら)えるではないか。
 それより何より、創価学会副会長で同責任役員、さらに弁護士でもある八尋よ。
 「敗訴」といえば、次の話をしないわけにはいかないだろう。
 以前、八尋ら学会幹部が、ある宗門僧侶に対し離脱勧誘をした際に、「創価学会本部から現金5千万円の支度金を支給する」と述べていた事実が暴露(ばくろ)された。
 八尋らは名誉を毀損(きそん)された旨主張し、暴露した僧侶を相手取り提訴したが、逆に、この多額の金銭提供を条件に離脱勧誘した事実は、東京地裁・東京高裁の双方において認定されてしまった。そして、八尋ら創価学会側は最高裁に上告すらできないまま、この判決は確定したのである。
 要するに、創価学会が宗門僧侶の離脱の支度金として、現金5千万円もの大金の提供を申し出ていながら、知らん顔で名誉毀損の訴訟を起こしたことは、司法が認めた事実であり、しかもこの判決は"判例"として広く法曹界に紹介されている(判例タイムス1094-181)。
 その当の本人である八尋ら自身が、『聖教新聞』紙上などで、御法主日顕上人をウソつき呼ばわりしているのであるから、厚顔無恥も甚だしい。どちらがウソつきか、判例タイムスを再読して、よく考えてみよ。

 余の誹謗中傷記事は、彼奴(きゃつ)等の単なる妄想に基づく発言であり、論評する必要すらないので、捨て置く。
 今月も、彼等の後生を思うと憐憫(れんびん)の情、禁じがたく、嘆息することしきりである。
合掌。





日蓮正宗宗規の改正について

(『大日蓮』H16.4)
平成16年3月6日 日蓮正宗 宗務院 印

 本日付院第3754号をもって宗内一般へ通達したとおり、第160宗会及び責任役員会の議決を経て、宗規が改正され、4月1日から施行されます。
 今回の改正は、創価学会破門以後における真の僧俗一体による正法弘通の伸展を一段と促進し、また多様化する社会環境にも対応しつつ、未来広布へ向かう宗門運営に万全を期するため、かねてより懸案であった宗規の改正に着手し、全面的な見直しを行なったものであります。
 改正に際しては、宗祖以来の本宗の伝統と信仰の基本を踏まえ、法律専門家の意見を参考にして、仏法、世法の両面から検討し、また、条文の形式や用語については、文化庁の『宗教法人の規則質疑応答集』により統一しました。
 その結果、条数の整理や字句の修正を含め、全面的な改正となりました。よって院達【別記1】には改正後の全文を掲載しました。以下に主な改正点を略記します。
 僧俗各位には、改正の趣旨をご理解の上、今後とも本宗の法規を遵守して信行増進大法広布にご精進願います。

一、目次について
 目次の構成と章節の区分を見直し、一宗を統率する立場にある管長の規程を第2章として、第1章宗綱の次に配した。また、宗務院、宗会、参議会、監正会の各規程の配列順序と章節の区分を改めた。更に第8章、第10章、第12章の章目をそれぞれ修正した。
二、法主に関する規定について(第7条・第8条)
 法主選定の規定について、従前の条文表現には解釈上、誤解を招く余地があったため、本来のあるべき規定内容に改め、本宗の命脈たる血脈の尊厳と唯授一人の法主の地位について、疑義を生ずることのないよう配慮した。
三、管長推戴会議の新設について(第17条・第18条)
 管長の選定方法について、従前は「管長は、法主の職にある者をもって充てる」ことになっていたが、この充て職制は、管長の地位や職権に係る対外的な問題を処理する上で支障を及ぼす面があった。
 かかる障害を一掃するため、新たに「管長推戴会議」を設け、新管長はこの管長推戴会議において選定される、いわゆる《機関決定制度》を導入した。新管長に推戴される方は新法主に就任された方に限ることはいうまでもないが、この「管長推戴会議」を経て、正式に管長に就任し、宗内に告知されることになる。
四、大布教区の地域区分について(第29条)
 国の行政地域区分や交通手段の利便などを考慮して、甲信布教区と新潟布教区を、中部大布教区から関東大布教区へ編成替えした。
五、監正会の裁決について(第97条・第98条)
 監正会の制度を見直し、監正会の裁決の結果が、監正会長から管長へ上申されたとき、管長がその裁決について裁定し、その管長の裁定をもって最終決定とする規定に改めた。
六、選挙規程(宗会議員、監正員の選挙)について(第7章)
 選挙規程の各規定について、条文の構成や表現など、必要な改正を行なった。
七、褒賞及び懲戒の規程について(第12章)
 褒賞に関する規定について、必要な改正を行なった。また、懲戒規程については、第2節に僧侶に対する懲戒規定をまとめ、特に懲戒事由については、多角的な視点から抜本的な見直しを行ない、懲戒種目の適用とともに、大幅に改正した。更に、第3節に檀信徒に対する懲戒規定をまとめ、懲戒事由を統合整理し、その他必要な改正を行なった。
八、宗費の賦課について(第13章第2節)
 宗費賦課金の納付について、寺院教会賦課金は年度を4期に分けて納付することとし、教師賦課金・事務取扱者賦課金は年度分全額を1期に納付する規定に改めた。また、臨時賦課金の制度は廃止した。
以上





日蓮正宗宗規

(『大日蓮』H16.4)

平成十六年三月五日改正、同年四月一日施行
【別記1】一、改正後の宗規全文を記載した。

【目次】
第一章 宗綱
第二章 管長
第三章 宗務院規程
 第一節 宗務院
 第二節 宗務大支院及び宗務支院
第四章 宗会規程
第五章 参議会規程
第六章 監正会規程
第七章 選挙規程
 第一節 選挙の方法
 第二節 選挙の取締
 第三節 宗会議員選挙
 第四節 監正員選挙
第八章 布教、寺院、教会及び日蓮正宗法華講
 第一節 布教
 第二節 寺院及び教会
 第三節 日蓮正宗法華講
 第四節 講頭会
第九章 住職及び主管
第十章 僧侶及び教師
 第一節 得度
 第二節 僧侶
 第三節 教師
 第四節 僧階
 第五節 能化検定試験
 第六節 僧侶の養成
 第七節 服制及び資具
 第八節 席次
第十一章 檀信徒
第十二章 褒章及び懲戒
 第一節 褒章及びその方法
 第二節 僧侶に対する懲戒
 第三節 檀信徒に対する懲戒
第十三章 財産管理その他の財務
 第一節 財産管理
 第二節 宗費の賦課
 第三節 義納金
 第四節 手数料及び寄附金
第十四章 補則
附則

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→主な改正部分

第一章 宗綱
第一条 本宗は、日蓮正宗という。


第二条 本宗の伝統は、外用は法華経予証の上行菩薩、内証は久遠元初自受用報身である日蓮大聖人が、建長五年に立宗を宣したのを起源とし、弘安二年本門戒壇の本尊を建立して宗体を確立し、二祖日興上人が弘安五年九月及び十月に総別の付嘱状により宗祖の血脈を相承して三祖日目上人、日道上人、日行上人と順次に伝えて現法主に至る。


第三条 本宗は、宗祖所顕の本門戒壇の大漫茶羅を帰命依止の本尊とする。


第四条 本宗は、宗旨の三箇たる本門の本尊即ち宗祖所顕の大漫茶羅、本門の題目即ち法華経寿量品の文底妙法蓮華経及び本門の戒壇の義を顕わすを教法の要義とする。

2 本宗は、大漫茶羅を法宝とし、宗祖日蓮大聖人を仏宝とし、血脈付法の人日興上人を僧宝とする。


第五条 本宗の信行は、僧俗一途にして専ら大漫祭羅を礼拝して、本因下種の妙法蓮華経を口唱するを正行とし、法華経方便寿量の両品を読謂するを助行とする。

2 本宗は、次に掲げる経釈章疏を所依とする。
 正依
  妙法蓮華経 八巻
  無量義経 一巻
  観普賢経 一巻
  宗祖遺文
  日興上人、日有上人、日寛上人遺文
 傍依
  摩詞止観十巻 弘決
  法華玄義 十巻 釈籤
  法華文句 十巻 疏記


第六条 本宗の弘教は、四悉檀を立て衆機を教化し、正法の広布により世界の平和を計り、人類の福祉を増進するを目的とする。


第七条 法主は、宗祖以来の唯授一人の血脈を相承し、次の法務を行なう。
 一 本尊の書写
 二 日号、上人号、院号及び阿闍梨号の授与
 三 教義に関する正否の裁定

2 法主は、能化のうちから次期の法主を選び血脈を相承する。但し、特に相当と認めるときは、大僧都のうちから選び血脈を相承することができる。

3 法主は、遷化又は自らの意思による以外はその地位を退くことはない。

4 前項により法主がその地位を退いたときは、第二項により血脈を相承された者が法主となる。

5 退位した法主は、前法主と称し、血脈の不断に備える。

6 前法主は、法主の委嘱があった場合、その専有にかかる法務を代行することができる。


第八条 法主は、必要と認めるときは、能化又は大僧都のうちから次期法主の候補者として学頭を任命することができる。


第九条 本宗の儀式は、「総本山の山法山規」によりこれを行なう。

2 その法要は、恒例法要、特別法壊及び臨時法要の三種とする。


第十条 恒例法要は、次の通りとする。
 一 元旦勤行 一月一日
 二 興師会 二月七日
 三 宗祖誕生会 二月十六日
 四 春季彼岸会 春彼岸中
 五 立宗会 四月二十八日
 六 大行会 五月一日
 七 盂蘭盆会 七月十五日
 八 寛師会 八月十九日
 九 秋季彼岸会 秋彼岸中
 十 御難会 九月十二日
 十一 有師会 九月二十九日
 十二 目師会 十一月十五日
 十三 三師報恩講 毎月七日、十三日、十五日
 十四 晨朝衆会 毎月一日、七日、十三日、十五日


第十一条 特別法要は、次の通りとする。
 一 丑寅勤行 毎朝
 二 霊宝虫払会 四月七日
 三 宗祖御大会 十月十三日


第十二条 臨時法要は、次の通りとする。
 一 宗門に重大な慶弔のあったとき。
 二 その他法主が必要と認めたとき。


第十三条 本宗の紋章は、次の三羽根の鶴の丸とする。
【画像】


第十四条 本宗の法規は、「日蓮正宗宗制」、「日蓮正宗宗規」及び「施行細則」の三種とする。




第二章 管長
第十五条 本宗に管長一人を置き、本宗の法規で定めるところによって、一宗を総理する。


第十六条 管長は、次の宗務を行なう。但し、本宗の法規に規定する事項に関してはその規定による手続きを経なければならない。
 一 本宗の法規の制定、改廃及び公布
 二 訓諭及び令達の公布
 三 宗会の招集、停会及び解散
 四 選挙の発令
 五 宗務、布教、教育その他の職制及び役職員の認証、任免
 六 住職、主管及びそれらの代務者の任免、僧階の昇級、得度の許可並びに寺院教会の等級の認証
 七 僧侶に対する褒賞及び懲戒、懲戒の減免、復級、復権又は僧籍の復帰
 八 檀信徒に対する褒賞
 九 本宗並びに寺院及び教会の財産の監督
 十 宗費の賦課徴収及び義納金の徴収
 十一 法華講講頭会の招集
 十二 各種事業の監督
 十三 その他本宗の法規に定める事項及び必要と認める事項

2 管長は、緊急の案件で宗会を招集することができないときは、責任役員会の議決により、規程に代わる宗令を出すことができる。但し、この場合は、次期の宗会でその承認を求め、宗会が不承認の議決をしたときは、将来に向かって、その効力を失う。


第十七条 新管長は、管長推戴会議において選定する。

2 管長推戴会議は、法主となった者を新管長に選定する。

3 前項により選定された者は、管長推戴会議の終了と同時に管長に就任し、現管長はその職を退く。

4 管長推戴会議の結果に対しては、何人も異議を申立てることができない。


第十八条 管長推戴会議は、管長、学頭、総監、重役及び能化によって構成する。

2 管長推戴会議は、管長がこれを招集し、その議長となる。

3 管長が、遷化その他の事由により管長推戴会議を招集できないときは、学頭以下の法席上位の構成員が順次これを招集し、その議長となる。

4 管長推戴会議は、構成員の三分の一以上の出席がなければ開くことができない。

5 管長推戴会議の議長は、会議の日時、場所、出席者の氏名及び議事の結果を記載した議事録を作成し、署名、押印する。

6 管長推戴会議の議事は、非公開とする。

7 管長推戴会議の事務は、庶務部がこれを行なう。





第三章 宗務院規程
第一節 宗務院
第十九条 本宗の宗務は、管長の総理のもと、総監の指揮監督により、宗務院で行なう。


第二十条 総監は、管長を補佐し、次の宗務を執行してその責めに任ずる。
 一 宗務に関する指揮監督及び宗務院の職員の任免
 二 檀信徒に対する懲戒及び赦免
 三 その他本宗の法規に定める事項及び必要と認める事項


第二十一条 庶務部は、次の事項を掌る。
 一 住職、主管及びそれらの代務者に関する事項
 二 僧籍、僧階及び服制に関する事項
 三 宗制、宗規、施行細則並びに寺院及び教会の規則に関する事項
 四 寺院及び教会の設立、合併、解散並びに登記等に関する事項
 五 会議に関する事項
 六 選挙に関する事項
 七 賞罰に関する事項
 八 宗務院、宗務大支院、宗務支院、宗務院東京出張所及びそれらの役職員に関する事項
 九 檀信徒に関する事項
 十 法華講に関する事項
 十一 総代に関する事項
 十二 宗宝に関する事項
 十三 寺院及び教会の等級並びに宗費賦課金の負担割合の個数の査定に関する事項
 十四 その他の他部に属さない事項


第二十二条 教学部は、次の事項を掌る。
 一 教義及び布教に関する事項
 二 法要儀式に関する事項
 三 教師の養成及び検定に関する事項
 四 本宗に関係のある学校に関する事項.
 五 刊行物に関する事項
 六 各種の講習に関する事項
 七 その他の教学に関する事項


第二十三条 渉外部は、次の事項を掌る。
 一 官公署に関する渉外事項
 二 他の宗派、教派、教団その他の団体に関する渉外事項
 三 公益事業に関する事項
 四 司法保護及び青少年保護に関する事項
 五 その他の渉外に関する事項


第二十四条 海外部は、次の事項を掌る。
 一 海外の寺院、教会、僧侶、檀信徒及び布教に関する事項
 二 海外派遣要員及びその養成に関する事項
 三 その他の海外に関する事項


第二十五条 財務部は、次の事項を掌る。
 一 予算及び決算に関する事項
 二 宗費賦課金及びその他の負担金の賦課徴収、義納金並びに手数料に関する事項
 三 金銭物品に関する事項
 四 土地、建物の維持及び管理に関する事項
 五 寺院及び教会の財産監護に関する事項
 六 募財に関する事項
 七 その他の財務に関する事項


第二十六条 各部の事務につき、相互に関係あるものは、その関係部と合議しなければならない。



第二節 宗務大支院及び宗務支院
第二十七条 地方には、各大布教区に宗務大支院、各布教区に宗務支院を置き、宗規の定めるところにより事務を処理する。


第二十八条 毎年一回以上宗務大支院長会議及び宗務支院長会議を宗務院において行なう。


第二十九条 大布教区は、次の通り区分する。
 北海道大布教区 北海道第一布教区・北海道第二布教区・北海道第三布教区
 東北大布教区 東北布教区・秋田布教区・山形布教区・宮城布教区・福島布教区
 関東大布教区 栃木布教区・群馬布教区・茨城布教区・埼玉布教区・東京第一布教区・東京第二布教区・千葉布教区・神奈川布教区・甲信布教区・新潟布教区
 中部大布教区 静岡北布教区・静岡南布教区・北陸布教区・中部布教区・岐阜布教区

 関西大布教区 北近畿布教区・大阪布教区・南近畿布教区・兵庫布教区
 中国大布教区 東中国布教区・西中国布教区
 四国大布教区 香川布教区・愛媛布教区・南四国布教区
 九州大布教区 福岡布教区・西九州布教区・中九州布教区・宮崎布教区・南九州布教区

2 宗制第二十一条の規定にかかわらず、特別布教区はいずれの大布教区にも含まないものとする。


第三十条 布教区は、次の通り区分する。
 特別布教区 大石寺及びその塔中
 北海道第一布教区 桧山・渡島・後志・胆振・石狩・日高・空知(深川市・滝川市・赤平市・芦別市・雨竜郡を除く。)各支庁
 北海道第二布教区 留萌・空知(深川市・滝川市・赤平市・芦別市・雨竜郡)・上川・宗谷各支庁
 北海道第三布教区 十勝・釧路・根室・網走各支庁
 東北布教区 青森県・岩手県
 秋田布教区 秋田県
 山形布教区 山形県
 宮城布教区 宮城県
 福島布教区 福島県
 栃木布教区 栃木県
 群馬布教区 群馬県
 茨城布教区 茨城県
 埼玉布教区 埼玉県
 東京第一布教区 足立区・荒川区・.板橋区・江戸川区・葛飾区・北区・江東区・墨田区・台東区・中央区・豊島区・練馬区・文京区
 東京第二布教区 大田区・品川区・渋谷区・新宿区・杉並区・世田谷区・千代田区・中野区・港区・目黒区・多摩地区・伊豆七島・小笠原諸島
 千葉布教区 千葉県
 神奈川布教区 神奈川県
 甲信布教区 山梨県・長野県
 新潟布教区 新潟県
 静岡北布教区 富士宮市・富士郡
 静岡南布教区 静岡県(富士宮市・冨士郡を除く。)
 北陸布教区 富山県・石川県
 中部布教区 愛知県・三重県
 岐阜布教区 岐阜県
 北近畿布教区 福井県・滋賀県・京都府
 大阪布教区 大阪府
 南近畿布教区 奈良県・和歌山県
 兵庫布教区 兵庫県
 東中国布教区 烏取県・島根県・岡山県
 西中国布教区 広島県・山口県
 香川布教区 香川県
 愛媛布教区 愛媛県
 南四国布教区 徳島県・高知県
 福岡布教区 福岡県
 西九州布教区 佐賀県・長崎県
 中九州布教区 熊本県・大分県
 宮崎布教区 宮崎県
 南九州布教区 鹿児島県・沖縄県

2 宗制第二十一条の規定にかかわらず、特別布教区には宗務支院を置かない。

3 特別布教区の事務は、大石寺内事部において取り扱い、第百五十四条及び同条第二項の規定にしたがって処理するものとする。

4 外国は、布教区を設けず、宗務院が直轄する。


第三十一条 宗務大支院は、第三十二条に掲げる宗務支院の事務及びその他の宗務の円滑、迅速な処理をはかるため、宗務院の指示又は管内の宗務支院の要請に基づいて必要な事務を行なう。

2 宗務大支院には、次の書類を備えて置く。
 一 宗務院及び宗務支院との往復文書
 二 その他必要な書類


第三十二条 宗務支院は、管内の次の事務を行なう。
 一 寺院、教会、教師、僧侶及び檀信徒の請願、伺及び届書の進達に関する事項
 二 本宗の法規に関する事項
 三 布教、徒弟教育及び学事奨励に関する事項
 四 寺院及び教会の規則に関する事項
 五 僧侶及び檀信徒の褒賞又は懲戒に関する事項
 六 宗費賦課金、義納金及びその他の負担金納付に関する事項
 七 宗務支院会に関する事項
 八 紛議に関する事項
 九 その他宗務院又は宗務支院が必要と認める事項


第三十三条 宗務支院には、次の書類を備えて置く。
 一 宗務院、宗務大支院、管内の寺院及び教会との往復文書
 二 管内の寺院及び教会の規則、収支予算書、収支計算書及び財産目録
 三 管内の僧侶の履歴書
 四 その他必要な書類


第三十四条 宗務大支院及び宗務支院の経費は、それぞれ管内の寺院及び教会の負担とする。


第三十五条 宗務大支院長及び宗務支院長は、毎年五月末日までに前年度の管内の事務状況を宗務院に報告する。


第三十六条 宗務支院長が住職又は主管を務める寺院及び教会に関する進達事項は、副宗務支院長がこれを取扱わなければならない。

2 宗務支院長の役職にある者に関する進達事項についても前項と同様とする。




第四章 宗会規程
第三十七条 宗会を招集するときは、期日及び会期を定め、十五日前までに令達を発しなければならない。但し、緊急を要するときは、この限りでない。


第三十八条 宗会に主事一人及び書記若干人を置く。

2 主事及び書記は、教師のうちから総監がこれを任命する。


第三十九条 主事は、議長が就任するときまでその職務を代行し、議長が就任した後はその指揮を受けて宗会の事務を処理する。


第四十条 宗会は、午前九時に開会し、午後五時に散会する。但し、議長が必要と認めるときは、開会及び散会の時間を変更することができる。


第四十一条 宗会は、議長及び副議長が定まったとき、その成立を宗務院に報告し、管長臨席のもとに開会式を行なう。

2 開会式の順序は、議長の指揮による。


第四十二条 開会式における管長の教詞に対し、議長は、宗会を代表して答辞を呈する。


第四十三条 宗務院は、議案を宗会に提出する。

2 議員は、議員三人以上の賛成を得て、議案を宗会に提出することができる。


第四十四条 議長は、議事日程を定め、宗会に報告する。

2 宗会の議事は、宗務院が提出した議案を先議しなければならない。但し、他の緊急を要することで、宗務院の同意を得たものは、この限りでない。


第四十五条 宗会の議案は、三読会を経て議決する。但し、出席議員の過半数の同意を得れば、これを省略することができる。


第四十六条 議案修正の動議を提出する者は、議員三人以上の賛成を得なければならない。但し、予算に関する修正の動議は、議員十人以上の賛成を要する。


第四十七条 宗務院は、議長の許可を得て、既に提出した議案を修正し、又は撤回することができる。


第四十八条 宗会で議決された議案は、議長から宗務院に通知するものとする。


第四十九条 審議未了の議案は、次期宗会に継続しない。


第五十条 宗会に、常任委員会及び特別委員会を置く。

2 常任委員会は、行政調査、予算、決算、請願及び運営の五科とし、その員数を各五人とする。

3 特別委員会は、宗会の付議する特別の事項を審議し、その員数を七人とする。

4 常任委員会及び特別委員会の委員は、議員の互選とする。但し、宗会に諮った上で、議長が指名することができる。


第五十一条 委員会は、委員の互選により委員長一人を定める。

2 委員長は、委員会の議長となり、議事を整理し、委員会を代表する。


第五十二条 委員会の議事は、議員のほか傍聴を許さない。


第五十三条 議長及び管長より任命された宗務院委員は、委員会に出席して発言することができる。但し、表決に加わることができない。


第五十四条 委員長は、委員会の経過及び結果を宗会に報告しなければならない。


第五十五条 宗務院又はその他の宗務機関は、宗会が審査のため必要な報告又は文書の提出を求めたときは、その求めに応じなければならない。但し、報告又は文書の提出を求められた事項が機密にわたるときは、この限りでない。


第五十六条 宗務院に対し質問をしようとする議員は、簡明な質問主意書を作成してあらかじめ議長に提出しなければならない。但し、緊急の場合は、この限りでない。


第五十七条 質問主意書は、議長がこれを宗務院に回付する。

2 宗務院は、質問主意書の回付を受けたときは直ちに答弁をなし、又は期日を定めて答弁をしなければならない。

3 前項の質問に対し、答弁をしないときは、その理由を明示しなければならない。


第五十八条 質問主意書を提出しない議員は、質問主意書による質問が終わった後でなければ、発言を求めることができない。


第五十九条 建議案を提出するときは、その動議につき三人以上の賛成を得て、これを議題とし、文書をもって議長よりこれを提案しなければならない。


第六十条 宗会において、建議案を可決したときは、議長は意見書を付し、その建議書を宗務院に回付する。


第六十一条 宗会に提出する請願書は、議具二人の紹介により、議長がこれを受理する。


第六十二条 請願につき、請願委員会の要求又は議員五人以上の要求があったときは、議長はこれを会議に付さなければならない。

2 宗会において、請願を採択することに議決したときは、議長は意見書を付して請願書を宗務院に回付する。


第六十三条 宗会は、議員に対し、懲罰を行なうことができる。

2 宗会において懲罰事犯があったときは、議長はこれを特別委員会の審議に付して、宗会の議決を経て、これを宣告する。

3 懲罰事犯の議事は、秘密会とする。


第六十四条 議員は、自己に対する懲罰事犯の審議に加わることができない。但し、議長又は委員長の要求又は許可によって出席し、弁明することができる。

2 委員会で懲罰事犯があったときは、委員長は、これを議長に報告して、その処分を請求することができる。


第六十五条 懲罰は、次の通りとする。
 一 譴責(けんせき) 公開した議場で譴責する。
 二 陳謝 公開した議場で陳謝せしめる。
 三 出席停止 三日を最高限度とし、議場への出席を停止する。出席を停止された議員が委員会の委員である場合は、その間その職を失う。
 四 除名 議員の資格を剥奪する。但し、出席議員の三分の二以上の同意がなければ、これを行なうことができない。

2 議長は、前項各号の懲罰があったときは、直ちにこれを宗務院に報告しなければならない。


第六十六条 議員は、五人以上の賛成を得て、宗会に懲罰の動議を提出することができる。

2 懲罰の動議は、事犯のあった日から三日以内に、これを提出しなければならない。


第六十七条 議長は、議事及び議決を妨げない限り、一日を超えない範囲において、議員の請暇を許すことができる。

2 請暇が一日を超えるときは、宗会に諮り、これを処理しなければならない。


第六十八条 議長は、議事及び議場の情勢に応じて、随時当日の会議を中止し、又はこれを閉じることができる。


第六十九条 議長は、議事を妨害し、又は議場の品位を汚す傍聴人を議場から退去させることができる。


第七十条 宗会の議事及びその他一切の関係事項は、速記録によりこれを議事録として作成し、議長及び議事録署名人二人の署名を得て、宗務院に保存しなければならない。

2 議事録署名人は、その都度宗会において定める。


第七十一条 会期が満了したときは、管長臨席のもとに閉会式を行なう。




第五章 参議会規程
第七十二条 参議会は、参議五人で組織する。

2 参議は、権大僧都以上の者(この法人の責任役員、宗務院の役職員、宗会議員及び監正員を除く。)のうちから総監及び重役の意見を徴して管長が任免する。

3 参議は、この法人の責任役員、宗務院の役職員又は宗会議員となったときは、その資格を失う。

4 参議の任期は、三年とする。但し、再任を妨げない。

5 補欠参議の任期は、前任者の残任期間とする。

6 参議会に議長一人を置き、参議の互選によって定め、管長が認証する。

7 参議は、辞任又は任期満了後でも、後任者が就任するときまで、なおその職務を行なうものとする。


第七十三条 参議会は、必要に応じ会議を開いて審議し、又は文書で稟議することができる。

2 参議会の議事は、傍聴を許さない。


第七十四条 議長に事故があるときは、参議の互選により臨時議長を定めて、議長の職務を行なわせる。


第七十五条 参議会は、参議四人以上の出席がなければ開会することができない。


第七十六条 参議会の議事は、定数の過半数で決する。


第七十七条 宗務院の役員は、その主管事務について、随時に参議会に出席して説明することができる。


第七十八条 参議会に主事を置き、部長のうちから総監が選任する。


第七十九条 参議会の主事は、議長の指揮に従い、会議の顛末を議事録に記載し、宗務院に保管する。




第六章 監正会規程
第八十条 監正会は、常任監正員五人で組織し、そのうち一人を会長とする。


第八十一条 監正会は、前条の他に予備監正員二人を置く。


第八十二条 監正員は、選挙によって七人を定め、上位当選者五人を常任監正員とし、下位当選者二人を予備監正員とする。

2 常任監正員に欠員を生じたときは、予備監正員のうち、上位当選者から順に常任監正員とする。

3 補欠選挙によって当選した監正員については、第一項後段の規定を準用する。


第八十三条 監正員の任期は三年とし、再任を妨げない。但し、任期満了後でも後任者が就任するときまで、なおその職務を行なうものとする。


第八十四条 補欠選挙によって当選した監正員の任期は、前任者の残任期間とする。


第八十五条 会長は、常任監正員の互選により定め、管長が認証する。


第八十六条 会長に事故のあるときは、僧階最上位の常任監正員がその職務を代行する。


第八十七条 監正会は、常任監正員の定数全員の出席がなければ開会することができない。

2 常任監正員が事故又は第八十九条の規定により出席できないときは、会長は予備監正員のうちから補充する。


第八十八条 監正員は、懲戒処分による以外は、任期中その意思に反して免職されることがない。


第八十九条 監正員は、申立事件が自己に直接関係あるときは、監正会の審査及び裁決に参与することができない。


第九十条 監正員は、この法人の責任役員、宗務院の役職員、参議又は宗会議員の職を兼ねることができない。但し、各種の選挙において選挙権を行使することを妨げない。


第九十一条 監正会の審査及び裁決に際しては、何人も干渉してはならない。


第九十二条 監正会の裁決を求めようとする者は、選挙については第百三十三条第一項に定める期間内に、懲戒処分についてはその効力が発生した日から十四日以内に、書面をもって会長に申立てなければならない。

2 前項の申立は、その裁決前に取り下げることができる。


第九十三条 申立書には、次に掲げる事項を記載し、正副二通を提出する。
 一 申立人の住所、氏名及び身分
 二 要求の事件及び事由
 三 立証方法

2 申立書の正本には証拠書類を、その副本には証拠書類の謄本を添付しなければならない。


第九十四条 会長は、申立書を受理したときは、直ちに監正会を開いて審査し、裁決しなければならない。但し、申立書が本宗の法規に違反していると認めたときは、その理由を付して直ちに却下する。

2 裁決は、常任監正員の定数の過半数で決する。


第九十五条 監正会の議事については、議事の経過の要領及びその結果を記載した議事録を作成し、会長及び出席監正員全員が署名してこれを保管しなければならない。


第九十六条 監正会の裁決については、主文及び理由を明記した裁決文を作成し、これを会長より直ちに管長に上申し、同時に申立人に送達しなければならない。


第九十七条 管長は、監正会から前条の上申があったときは、その裁決につき裁定する。


第九十八条 管長の裁定に対しては、何人も異議を申立てることはできない。





第七章 選挙規程
第一節 選挙の方法
第九十九条 選挙を行なうときは、選挙期日を定め、その期日より二十日乃至二十五日前に令達を発しなければならない。但し、立候補制の選挙にあっては三十五日乃至四十日前とする。


第百条 選挙発令の日において、僧正以下の教師である者は、選挙人名簿に登録され選挙権を有する。但し、教師叙任後二月未満の者はこの限りでない。

2 被選挙人の資格は、別に定めるところによる。


第百一条 次に掲げる各号の一に該当する者は、選挙人及び被選挙人となることができない。
 一 停権処分中の者
 二 降級又は罷免に処せられた後、未だ三年を経過しない者
 三 選挙発令の日より三月前の時点において、宗費賦課金の滞納が一年に及ぶ者


第百二条 選挙人被選挙人名簿は、宗務院において調製し、選挙発令と同時に選挙人に配布する。


第百三条 選挙人又は被選挙人において、前条の名簿に脱漏又は誤載を認めたときは、その理由書及び証拠を添えて、選挙発令の日より十日以内にその訂正を総監に申立てることができる。


第百四条 総監は、前条の申立に対し、正当と認めたときは、名簿を訂正してその旨を告示し、正当でないと認めたときは、その理由を申立人に通知する。


第百五条 選挙は、宗務院において行なう。


第百六条 総監は、選挙長となり、選挙に関する事務を統括する。


第百七条 選挙は、投票により行なう。

2 宗会議員総選挙の投票は、定数の二分の一を連記し、無記名とする。

3 宗会議員補欠選挙の投票は、補欠の数の二分の一(補欠の数が奇数のときは、これに一を加えた数の二分の一)を単記又は連記し、無記名とする。

4 監正員選挙の投票は、単記の無記名とする。


第百八条 投票用紙は、次に掲げる様式とする。
【画像】

2 立候補制の選挙は、候補者の氏名を抽選により順位を定め、投票用紙に印刷する。

3 前項の抽選は、選挙立会人の立会いのもとに、これを行なう。


第百九条 投票用紙は、第九十九条の発令と同時に、宗務院より選挙人に書留郵便にて発送する。但し、立候補制の選挙にあっては、選挙期日前十五日までに発送する。

2 選挙人が外国に居住している場合の投票用紙の発送は、前項の規定にかかわらず、書留郵便によらず、選挙長が適当と認める郵便その他の送達方法で行なうことができる。第百十条、第百十七条第二項及び第百二十条第二項に規定する書留郵便についても、また同様とする。


第百十条 投票は、各自において厳緘の上、選挙期日の午後六時までに宗務院に到着するように、書留郵便(選挙人が外国に居住している場合は、前条第二項の規定による郵便その他の送達方法)で発送しなければならない。

2 前項に反する投票は、投票管理者において管理し、選挙会に提示しなければならない。


第百十一条 宗務院は、前条の投票を受理したときは、投票管理者において直ちに選挙人名簿と照合して、投票受付簿に割印をして投票箱に投入する。


第百十二条 投票管理者は、庶務部長が当り、投票に関する事務を担任する。


第百十三条 開票及び選挙会は、選挙期日の翌日宗務院において行なう。


第百十四条 選挙立会人は三人とし、候補者でない教師のうちから管長が任命する。


第百十五条 開票及び選挙会には、選挙立会人が立会わなければならない。


第百十六条 選挙立会人が事故により立会いができないときは、選挙長は選挙人中より臨時選挙立会人を指名して、立会わしめなければならない。


第百十七条 立候補する者は、選挙長に対し、選挙発令後、選挙期日前十八日までに候補者届を提出しなければならない。

2 前項の届出は、書留郵便によらなければならない。


第百十八条 立候補した者は、候補者たることを辞退することができない。


第百十九条 候補者が当選者の定数である場合は、投票を行なわない。

2 前項の場合は、選挙長は直ちにその旨を選挙人に通知しなければならない。

3 第一項の場合は、選挙長は選挙期日において、その候補者をもって当選人とし、その旨を選挙人に通知し、管長に届出なければならない。

4 前項の場合の当選順位は、第二百十九条第一項の規定による。


第百二十条 候補者が当選者の定数に充たない場合は、更に届出期間及び選挙期日を延期し、選挙長はその旨を選挙人に告示する。


第百二十一条 次の投票は、無効とする。
 一 宗務院より交付した用紙及び封筒を用いないもの。
 二 候補者でない者の氏名を記載したもの。
 三 第百十条の規定に違反したもの。
 四 記載した候補者の氏名に誤字、脱字があるもの、又は敬称その他氏名以外の記載をしたもの。
 五 用紙に指定以外の記号を付し又は故意に汚染、塗抹若しくは毀損をしたと認められるもの。但し、第百三十九条の規定に該当するものを除く。
 六 規定による員数を記載しないもの。


第百二十二条 選挙人が投票した後に死亡した場合、その投票は有効とする。


第百二十三条 投票の効力の有無について疑義があるときは、選挙立会人の意見を聞いて選挙長が決する。


第百二十四条 選挙人は、選挙長の指定した席において、開票及び選挙会を参観することができる。


第百二十五条 選挙人は、何人に対しても投票した候補者の氏名を陳述する義務を負わない。


第百二十六条 選挙会は、開票の終了に引続いて開く。


第百二十七条 得票数の最高位より所定の人員だけを当選人とする。

2 当選人を定めるに当り、得票同数のときは、第二百十九条第一項の規定により、その上位の者を採って定める。


第百二十八条 選挙長は、選挙立会人立会いの上、開票録につき当選人及び次点者の順位を定めなければならない。


第百二十九条 選挙長は、次の事項を記載した選挙録を作成し、選挙立会人連署の上、管長に提出しなければならない。
 一 選挙会の顛末
 二 投票用紙配布数
 三 投票到着数
 四 投票未着数
 五 有効投票数
 六 無効投票数
 七 当選人の氏名及び得票数
 八 次点者の氏名及び得票数


第百三十条 当選人が確定したときは、二日以内に選挙長において、本人にその旨を通知しなければならない。

2 前項の通知を受けた当選人は、その通知を受けた日より七日以内に宗務院に到着するよう、書留郵便又は電報をもって、承諾の旨を届出なければならない。

3 第二項の規定による承諾の届出のない場合は、当選を辞退したものと認める。


第百三十一条 当選人が当選を辞退したときは、次点者をもって当選人とする。

2 次点者のない場合は、第百四十四条又は第百四十七条により補欠選挙を行なう。


第百三十二条 当選人が確定したときは、総監は直ちに第百二十九条第二号乃至第八号に掲げる事項を宗内に告示しなければならない。


第百三十三条 選挙人又は被選挙人は、選挙又は当選の効力について異議があるときは、選挙に関しては選挙期日より二十日以内に、当選に関しては前条の告示の日より三十日以内にその理由書及び証拠を添えて、配達証明郵便をもって監正会長に申立てることができる。

2 前項の申立は、期日内に到着しなければ無効とする。


第百三十四条 第九十七条により選挙無効の裁定がなされたときは、二月以内に更に選挙を行なわなければならない。


第百三十五条 第九十七条により当選無効の裁定がなされたときは、直ちに次点者を当選人とする。

2 次点者のない場合は、第百四十四条又は第百四十七条により補欠選挙を行なう。




第二節 選挙の取締
第百三十六条 当選人で次に掲げる各号の一に該当するときは、その当選は無効となる。
 一 当選を得若しくは得しめ又は得しめない目的をもって、選挙人に対し金銭、物品その他の財産上の利益若しくは本宗その他の職務の供与、その供与の申込若しくは約束をし
又は饗応接待、その申込若しくは約束をしたとき。
 二 当選を得若しくは得しめ又は得しめない目的をもって、選挙人に対しその者又はその者と関係のある寺院、教会等に対する債権、寄附その他特殊の直接利害関係を利用して
誘導をしたとき。
 三 当選を得若しくは得しめ又は得しめない目的をもって、虚偽を構え、文書によって他を誹毀讒謗したとき。


第百三十七条 第百一条の規定により選挙人若しくは被選挙人となることができない者又は非教師は、宗内の選挙に関し運動をすることはできない。


第百三十八条 何人も、文書をもって候補者を推薦してはならない。


第百三十九条 宗務院において受理した投票を故意に汚染、塗抹又は毀損した者は、懲戒に付する。




第三節 宗会議員選挙
第百四十条 選挙発令の日において、僧正以下の教師である者は、宗会議員選挙の被選挙人名簿に登録され被選挙権を有する。但し、教師叙任後三月未満の者はこの限りでない。


第百四十一条 この法人の責任役員及び宗務院の役職員は、被選挙人となることができない。

2 監正員は、被選挙人となることができない。


第百四十二条 総選挙は、議員の任期満了の日より三十日以内に発令する。

2 宗会が解散したときの総選挙の場合は、解散の日より六十日以内に発令する。


第百四十三条 議員にして、次に掲げる各号の一に該当する者は、その資格を失う。
 一 この法人の責任役員又は宗務院の役職員に就任した者
 二 宗費賦課金の滞納一年に及んだ者
 三 停権以上の懲戒に処せられた者


第百四十四条 議員に欠員を生じたときは、総選挙において次点者の順位にある者一人に限り当選人と定め、更に欠員を生じたときは、その欠けた日より一月以内に補欠選挙を発令する。




第四節 監正員選挙
第百四十五条 選挙発令の日において、僧正以下権大僧都以上の教師を監正員選挙の被選挙人とする。


第百四十六条 第百四十一条第一項及び第百四十三条の規定は、監正員の選挙及び資格に準用する。

2 宗会議員及び参議は、被選挙人になることができない。


第百四十七条 監正員に欠員を生じたときは、選挙において次点者の順位にある者一人に限り当選人と定め、更に欠員を生じたときは、その欠けた日より一月以内に補欠選挙を発令する。





第八章 布教、寺院、教会及び日蓮正宗法華講
第一節 布教
第百四十八条 本宗の布教の区域は、第三十条の規定による。


第百四十九条 本宗の布教を分けて次の四種とする。
 一 各寺布教 その寺院の住職又は教会の主管がこれを行なう。
 二 布教区布教 宗務支院長の指示により、管内の教師がこれを行なう。
 三 全国布教 管長の命により、全国布教師がこれを行なう。
 四 特別布教 法主の御親教をもってこれに充てる。


第百五十条 本宗に全国布教師若干名を常置する。


第百五十一条 全国布教師は、教師のうちから総監の意見を徴して管長が任免する。

2 全国布教師の任期は、三年とする。但し、再任を妨げない。


第百五十二条 全国布教師をもって布教師会を設置する。

2 布教師会の会長は、全国布教師のうちから管長が任免する。

3 布教師会の会長の任期は、全国布教師の任期による。但し、再任を妨げない。



第二節 寺院及び教会
第百五十三条 寺院及び教会は、その由緒及び資力により、宗教法人格を有すると否とにかかわらず、一等乃至三十一等の等級に分ける。

2 総本山、本山及びそれらの坊並びに外国の寺院及び教会は、等級を定めない。但し、宗費賦課金の負担割合の個数を別に定めるものとする。

3 第一項の等級及び第二項の宗費賦課金の負担割合の個数は、宗会及び責任役員会の議決を経て、管長が認証する。

4 第一項の等級及び第二項の宗費賦課金の負担割合の個数を審査するため、宗務院内に寺院等級審査委員会を常置する。

5 寺院等級審査委員会の規約は、別に定める。


第百五十四条 本末寺院相互の関係は、宗制及び宗規に低触しない限り、古来の慣例に従う。

2 寺院とその坊との関係は、特に由緒上古来の慣例を尊ぶ故に、その寺院において別に規則を定めるものとする。


第百五十五条 総本山以外の寺院を本寺とする末寺寺院は、本寺が合併又は解散した場合は、総本山の末寺となる。


第百五十六条 寺院を設立しようとするときは、次に掲げる条件を満たさなければならない。
 一 境内地五十坪以上
 二 本堂庫裡三十坪以上
 三 檀信徒百世帯以上

2 教会、その他の施設については、前項の規定を適用しない。


第百五十七条 寺院及び教会において、その規則を作成するときは、あらかじめこの法人の代表役員の承認を受けなければならない。

2 規則を変更しようとするときは、責任役員会において責任役員の定数の全員一致の議決を経て、この法人の代表役員の承認を受けなければならない。


第百五十八条 寺院及び教会は、毎会計年度開始前までに予算書を、毎会計年度終了後三月以内に財産目録及び収支計算書をこの法人の代表役員に届出なければならない。また、予算を変更したときは、変更した日から一月以内に届出なければならない。


第百五十九条 境内の建物が火災その他の災害により毀損又は滅失したときは、住職又は主管において遅滞なくその顛末を管長に報告しなければならない。


第百六十条 寺院又は教会の責任役員たる総代は、三人乃至五人とする。但し、特別の事情がある場合は、この法人の代表役員の承認を得て増員することができる。


第百六十一条 次に掲げる各号の一に該当する者は、寺院又は教会の総代となることができない。
 一 二十歳未満の者
 二 後見開始又は保佐開始の審判を受けた者
 三 破産の宣告を受け、未だ復権しない者
 四 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又は執行を受けることがなくなるまでの者


第百六十二条 寺院又は教会において総代を選任又は解任しようとするときは、住職又は主管よりこの法人の代表役員の承認を受けなければねらない。


第百六十三条 総代の任期は四年とする。但し、再任を妨げない。

2 総代が、辞任又は任期満了その他の事由によって欠けたときは、同時にその資格を失う。



第三節 日蓮正宗法華講
第百六十四条 日蓮正宗法華講(以下「法華講」という。)は、本宗の寺院及び教会の檀信徒を総括したものをいう。

2 法華講は、総本山内に本部を置き、各寺院及び教会に支部を置く。


第百六十五条 本部及び支部に、次に掲げる役員を置き、講務及び会計を掌理する。
 本部
  総講頭 一人
  大講頭 若干人
  幹事 若干人
  会計 二人
 支部
  講頭 一人
  副講頭 一人若しくは二人
  幹事 若干人
  会計 若干人


第百六十六条 本部の役員は、本宗の檀信徒のうちから総監の意見を徴して管長が任免する。

2 総講頭は、法華講を代表し、講務を掌理する。

3 総講頭の任期は五年とし、総講頭以外の本部の役員の任期は三年とする。但し、再任を妨げない。

4 補欠の本部の役員の任期は、前任者の残任期間とする。

5 本部の役員は、辞任又は任期満了その他の事由によって欠けたときは、同時にその資格を失う。

6 支部の役員の選任方法及び任期は、各支部の規約による。


第百六十七条 本部及び支部は、それぞれ規約を定めて講中を運営する。


第百六十八条 本部に指導教師三人を、支部に指導教師一人を置き、指導監督に当たる。

2 本部の指導教師は、教師のうちから管長が任免し、その任期は三年とする。但し、再任を妨げない。

3 支部の指導教師は、支部が所属する寺院又は教会の住職又は主管をもって充てる。


第百六十九条 新たに支部を結成しようとするときは、次に掲げる事項を記載した規約を定めた上、必要な書類を添えて、指導教師となるべき住職又は主管及び代表者の連名により宗務支院を経由して管長に許可を願出なければならない。
 一 名称
 二 事務所の所在地
 三 目的
 四 組織
 五 講費及び会計に関する規定
 六 その他必要な事項


第百七十条 支部の規約を変更しようとするときは、指導教師の同意を得て、講頭より宗務支院を経曲して管長に承認を願出なければならない。


第百七十一条 管長は、支部(これに準ずる講組織を含む。以下同じ)に次に掲げる事由があると認めるときは、この法人の責任役員会の議決に基づいて解散、活動停止、譴責の処分をすることができる。
 一 宗綱に違反し、異説を主張して、他の信仰を妨害したとき。
 二 宗制宗規、宗門又は本部の公式決定に違反し、宗内を乱したとき。

2 宗務支院長及び指導敦師は、その所轄の支部に前項各号の事由があると認められるときは、管長に対し、その旨を報告しなければならない。

3 管長は、第一項の処分を行なおうとするときは、その支部に対し、書面をもって弁疏する機会を与えなければならない。

4 解散の処分を受けた支部に所属していた檀信徒は、管長の指定する支部に所属を変更しなければならない。

5 管長は、処分を受けた支部に改俊の情が著しく、二度と誤りを犯す虞れがないと認められるときは、この法人の責任役員会の議決を経て処分を軽減し、又は赦免することができる。



第四節 講頭会
第百七十二条 法華講本部の役員及び支部の講頭で講頭会を開く。


第百七十三条 講頭会は、総講頭を会長とし、大講頭又は講頭のうちから副会長一人を管長が任免する。


第百七十四条 講頭会は、次に掲げる事項を審議し、必要により宗務院に建議する。
 一 講中に関する事項
 二 宗門の維持経営に関する事項
 三 興学布教その他に関する事項


第百七十五条 講頭会は、毎年一回以上総本山において開会する。


第百七十六条 講頭会の議事は、出席者の過半数で決する。




第九章 住職及び主管
第百七十七条 寺院に住職を、教会に主管を置く。

2 住職及び主管は、寺院又は教会を管掌して、財産を管理し、法要儀式を執行し、檀信徒を教化育成し、在勤僧侶及び寺族を教導し、寺院又は教会の興隆発展に努めるとともに、その責めに任ずる。

3 住職及び主管は、その職務の遂行にあたり、管長の嚮導(きょうどう)を遵奉(じゅんぽう)し、宗務院の命令及び通達に従い、本宗の法規及び寺院又は教会の規則を遵守しなければならない。


第百七十八条 住職及び主管は、善良なる管理者の注意義務をもって、寺院又は教会の運営にあたらなければならない。

2 住職及び主管は、寺院又は教会を営利の目的、その他の寺院又は教会に相応しくない目的に使用してはならない。


第百七十九条 寺院又は教会において特別の事情があるときは、寺院にあっては副住職を、教会にあっては副主管を置くことができる。

2 副住職又は副主管を置くときは、当該寺院の住職又は教会の主管が教師のうちから選定し、管長の承認を受けなければならない。但し、副住職及び副主管は、他の寺院の住職又は教会の主管であることができない。

3 副住職及び副主管は、住職又は主管の指示により事務を処理する。


第百八十条 住職、主管及びそれらの代務者は教師のうちから、事務取扱者は二等学衆以上の非教師のうちから管長がこれを任免する。

2 管長は、宗務上必要と認めるときは、住職、主管及びそれらの代務者並びに事務取扱者を免ずることができる。


第百八十一条 次に掲げる各号の一に該当する者は、住職又は主管及びそれらの代務者となることができない。
 一 心身に著しい障害を有し、その職に堪えない者
 二 懲戒処分により罷免せられ、未だ特赦されない者
 三 後見開始又は保佐開始の審判を受けた者
 四 破産の宣告を受け、未だ復権しない者
 五 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又は執行を受けることがなくなるまでの者


第百八十二条 総本山大石寺の住職は、法主をもってこれに充てる。


第百八十三条 寺院の住職又は教会の主管に充てる教師の僧階は、次の通りとする。
 一 本山
  権大僧正乃至権僧都
 二 由緒寺院・一般寺院・教会
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2 総本山の坊、本山の坊並びに外国の寺院及び教会の住職又は主管については、僧階の制限を定めない。


第百八十四条 寺院又は教会において、やむを得ない事由があるときは、一級に限り前条第一号又は第二号の規定に相当しない教師をもって、住職又は主管に充てることができる。

2 寺院又は教会の等級を改訂する場合は、現に当該寺院の住職又は教会の主管である者については、前条の僧階制限の規定を適用しないものとする。


第百八十五条 住職又は主管が辞任しようとするときは、その事由を具して管長に願い出なければならない。


第百八十六条 住職又は主管が辞任、死亡その他の事由によって欠けたときは、三十日以内に後任の住職又は主管を任命するものとする。


第百八十七条 管長は、住職又は主管に二以上の寺院又は教会の住職又は主管を兼ねさせることができる。

2 兼務の住職又は主管を置く寺院又は教会には、事務取扱者を置くことができる。

3 前項の事務取扱者は、兼務の住職又は主管の事務を代行する。


第百八十八条 管長の任命した住職又は主管及びそれらの代務者に対しては、いかなる者もこれを拒否することができない。


第百八十九条 兼務の住職又は主管は、次に掲げる各号の一に該当するときは、その地位を失う。
 一 住職又は主管が就任したとき。
 二 本務の住職又は主管の地位を失ったとき。


第百九十条 次の各号の一に該当するときは、代務者を置かなければならない。
 一 住職又は主管が辞任、死亡その他の事由に因って欠けた場合において、一月以内にその後任者を任命することができないとき。
 二 住職又は主管が病気、旅行その他の事由に因って三月以上その職務を行なうことができないとき。

2 住職又は主管の代務者は、住職又は主管に代わってその職務の全部を行なう。


第百九十一条 代務者は、その置くべき事由がやんだときは、当然に退職する。


第百九十二条 住職又は主管及びそれらの代務者は、辞令を受けた日より十四日以内に赴任しなければならない。


第百九十三条 宗費賦課金を滞納すること一年に及んだ者は、住職又は主管及びそれらの代務者となることができない。




第十章 僧侶及び教師
第一節 得度
第百九十四条 得度は、本宗の教義を信奉して、僧侶となることを管長から許可された者に対して行なわれる。


第百九十五条 次に掲げる者は、得度することができない。
 一 年令十一歳未満の者及び五十七歳以上の者
 二 後見開始又は保佐開始の審判を受けた者
 三 破産の宣告を受けて未だ復権しない者
 四 国法を犯して刑に処せられ、僧侶として適格でない者



第二節 僧侶
第百九十六条 僧侶とは、得度して僧籍を登録され、度牒を受けた者をいう。


第百九十七条 僧侶の称号を次の通り定める。
 一 上人号 法主、前法主及び法主の免許した者に対する敬称
 二 院号 権大僧正、僧正、権僧正及び法主の免許した者の称号
 三 阿闍梨号 権僧都以上にして法主の免許した者の称号
 四 房号 教師の称号


第百九十八条 僧侶は、教師となったときは道号に、権僧正に補任されたときは日号に改名しなければならない。


第百九十九条 僧侶は、本分をおかさない限り、総監の認許を得て世務につくことができる。但し、禁厭占術等をすることはできない。


第二百条 教師は、教典の註釈、教義に関する著述、その他布教に関する著作をすることができる。但し、これらを出版する場合はあらかじめ宗務院の許可を受けなければならない。また、定期の出版物は宗務院に届出るものとする。


第二百一条 非教師にして師僧が死亡その他の事由により僧籍を失った場合は、三月以内に新たに師僧を定め、師僧変更届を宗務支院を経て宗務院に提出しなければならない。


第二百二条 非教師にして次に掲げる各号の一に該当する者は、懲戒の手続きによらずして当然に僧籍を失う。
 一 師僧が死亡その他の事由によって欠けた後、三月以内に師僧変更届を提出しない者
 二 師僧より離弟せられた者
 三 正当の理由なく、行学講習会に欠席すること三期に及ぶ者



第三節 教師
第二百三条 教師とは、権訓導以上に叙任された者をいう。


第二百四条 次に掲げる各号の一に該当する者は、教師となることができない。
 一 二十歳未満の者
 二 得度後七年を経過しない者
 三 行学講習会の全課程を修了しない者
 四 品行不良の者


第二百五条 富士学林大学科を卒業した後、総本山に一年以上在勤した者は、講師に補任する。但し、事情によっては在勤日数通算によることもできる。

2 高等学校卒業又は高等学校卒業と同等以上の資格を有し、総本山に一年以上在勤した者は、訓導に補任する。但し、事情によっては在勤日数通算によることもできる。

3 権訓導は、高等学校を卒業しない者又は高等学校卒業と同等以上の資格を有しない者で、総本山に一年以上在勤した者にかぎる。


第二百六条 宗務院の命により一般大学を卒業した者は、富士学林大学科を卒業したものとみなす。


第二百七条 教師にして、住職、主管及びそれらの代務者、副住職又は副主管の職にない者を無任所教師と称する。

2 宗務院は、無任所教師に対し、期間を限って寺院又は教会への在勤を命ずることができる。但し、その期限にかかわらず随時に在勤命令を解除することができる。

3 無任所教師にして寺院又は教会に在勤を命ぜられた者を在勤教師という。

4 在勤教師は、住職又は主管の指導監督のもと、寺務に従事する。



第四節 僧階
第二百八条 僧侶の等級を僧階という。

2 教師の僧階を次の十三級とし、第四級以上を能化と称する。
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3 非教師の僧階を次の四級とする。
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第二百九条 教師の僧階を昇級せしめるのは年功又は功労褒賞とする。

2 法主となった者は、いかなる手続きも要せず、直ちに大僧正に昇級する。


第二百十条 年功により教師の僧階を昇級せしめる場合は、権大僧都、僧都、権僧都の者にあっては五年以上、大講師、講師、少講師の者にあっては四年以上、訓導の者にあっては三年以上、権訓導の者にあっては五年以上の期間を経過しなければならない。


第二百十一条 功労褒賞により僧階を昇級せしめる場合は、前条の期間の二分の一以上を経過しなければならない。


第二百十二条 宗費賦課金の滞納一年に及ぶ者及び教師補任式を行なわない者は、教師の僧階を昇級することができない。



第五節 能化検定試験
第二百十三条 権僧正昇級の試験を能化検定試験と称し、管長の命によって行なう。

2 前項の検定は、管長又は管長の任命した委員がこれに当たる。



第六節 僧侶の養成
第二百十四条 住職又は主管は、応分の徒弟を養成する。


第二百十五条 僧侶の養成と宗義研鑚の道場として、東京都内に法教院を置く。

2 法教院には、その維持管理のために担任教師を置き、教師のうちから管長が任免する。


第二百十六条 僧侶の宗学研鑚行学増進に資するため、毎年総本山において講習会を行なう。

2 教師を対象とする講習会を教師講習会という。

3 非教師を対象とする講習会を行学講習会という。



第七節 服制及び資具
第二百十七条 僧侶の服制及び資具は次の通りとする。但し、管長の免許した者はこの限りでない。
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2 鍵役は、本指貫を使用することができる。


第二百十八条 袈裟は、白色五条、法衣は薄墨色とする。

2 数珠は、円形百八顆を具え、房は白色に限る。但し、非教師及び在家は紐房を用いる。



第八節 席次
第二百十九条 僧侶の法席順位は、その僧階の順序による。

2 学頭の法席は、僧階によらず、権大僧正の最上位とする。

3 総監の法席は、僧階によらず、学頭の次席とする。

4 重役の法席は、僧階によらず、総監の次席とする。

5 宗会議長の法席は、僧階によらず、能化の者にあっては重役の次席とし、能化以外の者にあっては能化の次席とする。




第十一章 檀信徒
第二百二十条 檀信徒とは、本宗の教義を信奉し、寺院又は教会に所属して、葬祭追福を依託し、総本山及び所属の寺院又は教会の永続護持に努める者をいう。


第二百二十一条 寺院及び教会には、宗務院所定の檀信徒名簿を備え付け、住職又は主管において、檀信徒の氏名、住所その他必要事項を記載するものとし、これを檀信徒登録という。

2 檀信徒名簿の登録を抹消することを除籍といい、除籍された者は、檀信徒としての資格を失う。

3 檀信徒名簿は非公開とし、住職又は主管において適正に管理しなければならない。また、宗務院より檀信徒名簿の提出を求められたときは、本書又は謄本を提出するものとする。


第二百二十二条 檀信徒は、所属する寺院又は教会から他へ移籍しようとするときは、移籍前及び移籍先の寺院の住職又は教会の主管の承認を受けなければならない。

2 前項の移籍につき、当事者間において紛議が生じたときは、宗務院において調停又は裁定することができる。


第二百二十三条 檀信徒は、死亡したとき、又は次の各号の一に該当したときは、その資格を喪失し、除籍される。
 一 自ら離檀又は離宗を申し出たとき。
 二 本宗以外の宗教団体に所属したとき。
 三 第二百四十六条の規定により除名されたとき。

2 住職又は主管は、所属の檀信徒が本宗の信仰を失い、退転したことが明白に認められる場合は、総監の承認を得て、その者を除籍することができる。




第十二章 褒賞及び懲戒
第一節 褒賞及びその方法
第二百二十四条 僧侶及び檀信徒の善行に対しては、褒賞を行なう。


第二百二十五条 僧侶に対する褒賞は、次の五種と定める。
 一 特典 大漫茶羅の授与
 二 昇格 上人号、院号又は阿闍梨号の免許
 三 昇級 僧階の昇級
 四 物品授与 袈裟、法衣等の授与
 五 褒詞 賞状の授与


第二百二十六条 檀信徒に対する褒賞は、次の四種と定める。
 一 大漫茶羅授与
 二 日号授与
 三 物品授与
 四 褒詞


第二百二十七条 僧侶にして次に掲げる各号の一に該当する者には、褒賞を行なう。
 一 国家又は社会人類に対して、福祉増進の功顕著な者
 二 公共又は宗門の事業に裨益(ひえき)した者
 三 宗義を宣揚すべき一大著述をした者
 四 学術又は徳行が世の模範となる者
 五 堂宇又は会堂を新築し、その他寺院又は教会の永続維持の方法を確立した者


第二百二十八条 僧侶にして次に掲げる各号の一に該当する者には、第二百二十五条第一二号乃至第五号の褒賞を行なう。但し、本条により既に褒賞せられた者、又はその功績著大な者に対しては、同条第二号乃至第五号の褒賞を行なう。
 一 寺院又は教会を新設又は復興した者
 二 本堂又は庫裡を新築した者
 三 多年学林の教授に従事し、功労のあった者
 四 檀信徒の教化に特別の功績のあった者
 五 多年宗務及び布教伝道に尽力して功労のある者


第二百二十九条 僧侶又は檀信徒にして、次に掲げる各号の一に該当する者に対しては、僧侶にあっては物品を授与し、檀信徒にあっては、日号又は物品を授与し、その功特に著しい者には、大漫茶羅を授与する。
 一 寺院又は教会の新設、新築又は改築等のため特別の尽力をなし、又は多額の浄財を喜捨した者
 二 浄財又は不動産を喜捨し、宗門永遠の基礎の確立に功労のあった者
 三 宗学生のため浄財を喜捨し、徒弟の養成を助けた者


第二百三十条 僧侶又は檀信徒にして、次に掲げる各号の一に該当する者には褒詞を授与する。
 一 興学又は布教に勉励した者
 二 信行如法にして、堅く本宗の法規を遵守した者
 三 徳行優れ、他の模範となる者


第二百三十一条 宗務支院長は、その布教区管内の僧侶又は檀信徒に次に掲げる各号の一に該当する事由があると認めるときは、その者の氏名及び事績又は行状を管長に具申することができる。
 一 僧侶の褒賞又は懲戒
 二 檀信徒の褒賞


第二百三十二条 褒賞を行なうべき善行がある者でも、他に懲戒すべき非行があるときは褒賞を行なわない。




第二節 僧侶に対する懲戒
第二百三十三条 僧侶に対する懲戒は、次の六種と定める。
 一 譴責 罪科を明記した宣誡状をもって叱責する、
 二 停権 二年以内の期間を限り、役職員への就任並びに選挙権及び被選挙権を停止する。
 三 降級 僧階を一級乃至三級降す。
 四 罷免 住職又は主管の職を罷免する。
 五 奪階 現僧階を剥奪し、沙弥に降す。
 六 擯斥(ひんせき) 本宗より擯斥し、僧籍を削除する。


第二百三十四条 次の各号の一に該当する者は、擯斥に処する。
 一 法主の権限なくして本尊を書写し又は日号を授与した者
 二 教義上の異説を唱え又は信仰の改変を企て、訓戒を受けても改めない者
 三 管長を誹謗又は讒謗(ざんぼう)し、訓戒を受けても改めない者
 四 住職、主管又はそれらの代務者の赴任の際、これを妨害し又は寺院若しくは教会の財産の引継ぎをしない者


第二百三十五条 次の各号の一に該当する者は、その情状に応じて、第二百三十三条各号に定めるいずれかの懲戒に処する。
 一 本宗の法規又は寺院若しくは教会の規則に違反した者
 二 本宗、寺院又は教会の秩序を乱し又はその信用を害した者
 三 正当な理由なく宗務院の命令に従わない者
 四 宗内の選挙に関し、本宗の法規に違反し又は不正の行為をなした者
 五 住職、主管又はそれらの代務者として職務に違背し又はこれを懈怠した者
 六 本宗僧侶としての品位を失うべき非行を犯した者
 七 その他本宗僧侶として相応しくない言動をした者


第二百三十六条 僧侶に対する懲戒は、総監において事実の審査を遂げ、参議会の諮問及び責任役員会の議決を経てこれを行なう。


第二百三十七条 懲戒は、管長の名をもって宣告書を作り、懲戒の事由及び証拠を明示し、懲戒条規適用の理由を付して行なう。


第二百三十八条 懲戒処分は、次の各号のいずれかによって効力を発する。
 一 書面による本人への通告
 二 掲示場への掲示
 三 本宗の機関紙への公告


第二百三十九条 懲戒に処せられた者にしてその処分を不服とするときは、宗規の定める手続きに従い、書面をもって監正会に不服を申立てることができる。


第二百四十条 役職員、参議又は宗会議員にして、停権以上の懲戒に処せられたときは、免職の手続きを為さずしてその職を失う。但し、懲戒処分を取消されたときは、復職できるものとする。


第二百四十一条 住職又は主管にして、降級に処せられたため、寺院又は教会の等級相当の資格に異動があったときは、一級に限り事情によって住職又は主管の資格を管長において認めることができる。


第二百四十二条 管長は、懲戒に処すべき行為がある者でも情状酌量の余地があり改俊の情が著しいと認めるときは、期間を付して懲戒処分の執行を猶予することができる。


第二百四十三条 管長は、懲戒に処せられた者で改俊の情が著しいと認めるときは、情状を酌量して、その懲戒を軽減し、又は特赦することができる。但し、第二百四十四条又は第二百四十五条に定める期間を経過しなければこれを行なうことができない。


第二百四十四条 懲戒に処せられた後、次の期間を経過しない者については、懲戒の軽減又は特赦、復級又は復権を行なうことができない。
 一 擯斥に処せられた者 五年
 二 奪階に処せられた者 三年
 三 罷免に処せられた者 二年
 四 降級に処せられた者 一年
 五 停権に処せられた者 期間の二分の一


第二百四十五条 次の場合においては、前条に定める期間の二分の一を経過した者につき、懲戒の軽減又は特赦、復級又は復権を行なうことができる。
 一 本宗の重大な慶弔に際したとき。
 二 国家の慶弔に際したとき。




第三節 檀信徒に対する懲戒
第二百四十六条 住職又は主管は、所属の檀信徒が次の各号の一に該当するときは、総監の承認を得て、除名に処することができる。
 一 教義上の異説を唱え、又は信仰の改変を企てたとき。
 二 管長その他の本宗の僧侶又は寺族を誹毀又は讒謗したとき。
 三 本宗の法規又は寺院若しくは教会の規則に違反したとき。
 四 管長その他の本宗の僧侶又は寺族に対し、その職務を妨げ、その他不正行為をなしたとき。
 五 寺院又は教会の財産に関して不正行為をなしたとき。
 六 その他本宗、寺院又は教会の秩序又は平穏を乱したとき。

2 本宗の檀信徒に前項各号の一に該当する事由があると認められる場合において、特別の事情があるときは、総監が除名に処することができる。


第二百四十七条 総監、住職又は主管は、前条の規定により檀信徒を除名しようとするときは、その者に対し書面をもって弁疏する機会を与えなければならない。


第二百四十八条 第二百四十六条による除名処分は、次の各号のいずれかによって効力を発する。
 一 書面による本人への通告
 二 掲示場への掲示
 三 本宗の機関紙への公告


第二百四十九条 住職又は主管は、除名された檀信徒の改俊の情が顕著であるときは、総監の承認を得て、これを赦免し復籍させることができる。

2 総監は、除名された檀信徒の改俊の情が顕著であるときは、これを赦免し復籍させることができる。





第十三章 財産管理その他の財務
第一節 財産管理
第二百五十条 本宗の資産は、管長がこれを管理する。


第二百五十一条 財務部長は、宗制第四十五条第二項に掲げる物件につき、毎年度資産目録を調製し、宗務院に備えて置く。

2 前項の資産目録には、当該物件の種類、数量及び価格等を記載する。



第二節 宗費の賦課
第二百五十二条 宗費は、次に掲げる収入をもって支弁する。
 一 賦課金
 二 義納金
 三 手数料
 四 教学護法財団の補給金
 五 寄附金その他の収入

2 宗費は、予算をもって定める。


第二百五十三条 賦課金は、次の通りとする。
 一 寺院教会賦課金
 二 教師賦課金
 三 事務取扱者賦課金

2 賦課金は、毎年度四月一日を賦課期日として、寺院及び教会並びに権大僧正以下の教師及び事務取扱者に賦課する。

3 特別の事情により、寺院若しくは教会又は権大僧正以下の教師若しくは事務取扱者のうちに、賦課金を賦課することが適当でないと認められるものがあるときは、宗会及び責任役員会の議決を経て、賦課を免除することができる。


第二百五十四条 本宗の予算の総額から、第二百五十二条第二号乃至第五号の収入並びに教師賦課金及び事務取扱者賦課金の収入を控除したものを寺院教会賦課金の総額とする。


第二百五十五条 各寺院教会の賦課金は、次の規定によって算出する。
 一 前条の寺院教会賦課金の総額を第二百五十六条の負担割合の個数の総和をもって除す。但し、算出された金額に一円未満の端数を生じたときは、その一円未満の端数はこれ
を切上げる。
 二 前号により算出された金額に第二百五十六条による各寺院及び教会の負担割合の個数を乗ずる。但し、算出された金額に百円未満の端数を生じたときは、その百円未満の端
数はこれを切上げる。


第二百五十六条 寺院教会賦課金の負担割合は、次の各号に定める個数による。
 一 総本山、本山及びそれらの坊並びに外国の寺院及び教会は、宗会及び責任役員会の議決によりその個数を定める。
 二 由緒寺院、一般寺院及び教会は、次の表による。但し、一等の寺院及び教会については、寺院等級審査委員会の審査を経て、前号に準じて個数を定めるものとする。
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第二百五十七条 教師賦課金及び事務取扱者賦課金は、次の金額とする。
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第二百五十八条 賦課金納付通知書は、毎年度四月五日までにこれを発する。


第二百五十九条 寺院若しくは教会、権大僧正以下の教師又は事務取扱者が、前条の賦課金納付通知書に誤りを認めた場合は、納付通知書を受けた日から十日以内に財務部長に異議の申立をすることができる。

2 前項の申立を受理したときは、財務部長は直ちに審査の上、処理しなければならない。


第二百六十条 非常の災難その他の事由により賦課金を納付できないときは、宗務支院長の申請に基き、期限を定めてこれを減額又は免除することができる。


第二百六十一条 寺院教会賦課金は、年度を四期に分ち、一期は四月三十日までに、二期は八月三十一日までに、三期は十月三十一日までに、四期は一月三十一日までに、それぞれ財務部に納入するものとする。但し、その年度分全額を一期納入期日までに納入することができる。

2 教師賦課金、事務取扱者賦課金は、その年度分全額を四月三十日までに財務部に納入するものとする。


第二百六十二条 賦課金は、現金で納入し、又は宗務院加入の振替口座に払込むものとする。


第二百六十三条 財務部長は、納付期日から三十日以上を経過したときは、滞納者に対して更に納付期日を定めて督促をしなければならない。

2 督促料は一回につき五百円とし、二回以上にわたる場合は順次加算するものとする。


第二百六十四条 寺院、教会、権大僧正以下の教師又は事務取扱者において、宗費賦課金の滞納が一年以上に及ぶ場合は、滞納総額に対し一割の割合による延滞料を附加する。




第三節 義納金
第二百六十五条 義納金は、次の通りとする。
 一 度牒義納金
 二 昇級義納金
 三 任命義納金


第二百六十六条 度牒義納金は度牒下附の場合、昇級義納金は教師の僧階昇級の場合、任命義納金は住職又は主管任命の場合にこれを納付する。但し、新寺又は新教会に任命された場合は、その等級が決定したときに納付するものとする。


第二百六十七条 度牒義納金は、度牒下附の際、千円を納付するものとする。


第二百六十八条 昇級義納金は、次の表により納付する。
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第二百六十九条 任命義納金は、上級の寺院の住職又は教会の主管に任命された場合、次の通り納付する。
 一 総本山 百万円
 二 本山 十万円
 三 総本山の坊・本山の坊・外国の寺院及び教会 一万円
 四 由緒寺院・一般寺院・教会
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第二百七十条 兼務の住職若しくは主管又は代務者に任命された場合及び褒賞による僧階昇級の場合は、義納金の納付を要しない。


第二百七十一条 義納金納付通知書は、総監がこれを発する。


第二百七十二条 義納金は、前条の納付通知書を受けた日より三十日以内に財務部に納付するものとする。

2 前項の義納金を期限内に納付しない者は、その度牒、昇級又は任命を取消すことがある。



第四節 手数料及び寄附金
第二百七十三条 すべて認証、承認又は証明等を受けた場合は、財務部において管長の裁可を得て別に定める内規により手数料を納付するものとする。


第二百七十四条 寄附金は、その使途を指定されたものは、その指定使途に適う会計口に繰入れ、その他は日蓮正宗護法局に繰入れる。




第十四章 補則
第二百七十五条 本宗の達示を分って次の六種とする。
 一 訓諭 管長が一宗を嚮導するために発する。
 二 令達 管長が宗制を施行し、その範囲内においてこれを補充するために発する。
 三 特達 総監が宗務の執行上、宗内に対し訓諭又は令達の主旨を敷衍(ふえん)するために発する。
 四 院達 法令を宗内に通牒し、その他の宗務に関し通牒を要する場合、宗務院の名をもって発する。
 五 告示 宗内に告示を要する事項につき、宗務院の名をもって発する。
 六 部達 宗務に関して通牒を要する場合、部長の名をもって発する。


第二百七十六条 この宗規を変更しようとするときは、宗会及び責任役員会の議決を経なければならない。



附則
1 この宗規の変更は、第百六十宗会及び責任役員会の議決を経て、平成十六年四月一日から施行する。
以上





正依

―宗制宗規に対する邪難―
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 宗規には、第1章に宗綱(宗義の根本)を定めていますが、その第5条第2項には、「経釈章疏の所依」という表現で教義として採用する文証を定めています。その中でも根本とする文証である「正依(=正しい依文)」としては、法華経開結とともに「宗祖遺文」(御書)が挙げられているのです。
 この「正依」について更に詳しく説明すれば、宗規では続けて「日興上人、日有上人、日寛上人遺文」が掲げられています。このことは、大聖人の御金言(御書)が根本で、その大聖人の言葉どおりに口伝を書き残し、法を伝えた日興上人(僧宝の中でも信仰の対象である「久遠元初の僧宝」と呼びます。詳細は日寛上人の六巻抄に明らかです。)の言葉も正依、また、徹底して御書に基づき依義判文して日蓮正宗の教学を体系化した日寛上人の言葉も化法の上で正依とするのです。おかしくなった法主の言葉を根本としてはならない、というのが正しい日蓮正宗の教義なのです。
 また、教義には「化法」と「化儀」があることを知らねばなりません。
 では化儀についてはどうかと言えば、日有上人の言葉が「化儀抄」としてまとめられているとおり、日有上人の遺文は化儀の上での正依とするのが本来の日蓮正宗の教義なのです。なお、日寛上人の「当家三衣抄」も化儀に関して定めた正依と言えます。
 したがって、後の法主が言った仏法の解釈が、御書やその他の正依に照らして正しくなければ、当然ですが決して信じてはならないというのが、大聖人の仏法の正しい考え方・教義なのです。
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 日有上人、日寛上人の遺文が正依であるということは、そのまま、他のすべての歴代上人の遺文も正依であるということなのであります。
 なぜなら、日有上人は宗開両祖のあと、三祖日目上人、そして4世、5世乃至、8世と伝えられた御相承を継いで第9世となられた方であります。また、同様、第26世日寛上人も、25世まで継承された御相承を受けて登座された方であります。けっして個々に「大聖人直結」とやらで存在された方ではないのであり、唯授一人・金口嫡々の血脈によって伝承されてきておる方なのです。
 したがって、日有上人、日寛上人が大聖人の教えを正しく敷衍(ふえん)して正依となるべき立派な著作をなされたのは、その間に宗祖以来の血脈を相伝された歴代の御先師方がおいでになったからであり、何も日有上人あるいは日寛上人が、御歴代上人を飛び越えて「大聖人直結」だ、などということはないのです。
 しかし、彼等はその道理を無視して、日寛上人は「大聖人直結」だというのですが、不合理極まる言です。それだから、『創価学会の偽造本尊義を破す』において述べたように、「大聖人直結」の日寛上人がどうして、おまえ達の謗法とする「五道冥官」の入った導師曼荼羅をお書きになっているんだ、ということにもなるわけです(『創価学会の偽造本尊義を破す』76頁を参照)。(中略)
 「宗規」において、日興上人は別格として、御歴代上人中、日有上人と日寛上人のお二方の遺文のみを挙げているのは、一つには両上人の輝かしい御事跡、それから宗門において中興の祖として尊崇されるお立場から、その代表としておられるわけであります。したがって、本質的な意義の上から、日寛上人以後の御歴代においても、このことはまったく変わるものではありません。大聖人以来、唯授一人の血脈を師弟相対して相伝し、末法万年に正法を伝持・弘通する歴代上人の御指南ならびに著作はすべて、基本的に正依となることは当然です。
 その証拠に、また、「宗規」第15条の5には、法主である管長の宗務として
 「教義に関し正否を裁定する。」
と、唯授一人の血脈の意義において明確に」規定しておるのであります。ただ、それを「宗制宗規」の「正依」の所においては、代表してこのお二方を挙げておるというだけのことであります。(第67世日顕上人『創価学会の仏法破壊の邪難を粉砕す』)
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●(※法主は)教義に関し正否を裁定する。(「宗規」第15条の5/『創価学会の仏法破壊の邪難を粉砕す』)

●日興上人が弘安5年9月及び10月に総別の付嘱状により血脈を相承して三祖日目上人、日道上人、日行上人と順次に伝えて現法主に至る。(「宗規」第2条/『創価学会の仏法破壊の邪難を粉砕す』)

●明治33年に「宗制寺法」が認可されて以来、もちろん徳川時代には各宗ともに「宗制宗規」などというものはなく、その後、明治時代になってから宗派が分裂を繰り返している形のなかで、それがだいたい安定した時期において「宗制」等が出来てきたのであります。(第67世日顕上人『大日蓮』H16.5)
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宗門には、「宗制宗規」ができる以前から大御本尊と唯授一人の血脈が宗旨の根本であった(牧口会長も戸田会長も認めていた)。また、不文の化儀や相伝なども厳然と存続しており、それらもまた大聖人の法門の一部であることに相違ない。

●若し法華経の謂(いわれ)を知らざれば法華も仍(なお)これ爾前の経なり(乃至)若し本門の謂を知らざれば本門は仍これ迹門なり(乃至)若し文底の謂を知らざれば文底は仍これ熟脱なり(乃至)若し文底の謂れを知れば熟脱も即ちこれ文底の秘法なり(乃至)問う、若し爾らばその謂は如何。答う、宗祖云く「此の経は相伝に非ずんば知り難し」等云々。「塔中及び蓮・興・目」等云々。(第26世日寛上人『撰時抄愚記』/『日寛上人文段集』聖教新聞・初版271頁)
→当該御文(「此の経は・・・」)は、一往、権実相対についての御文であるが、再往、下種仏法の立場でいえば、文底下種仏法の深意は「相伝」(唯授一人の血脈)によらなければ「知り難」いということである。「正依」たる日寛上人の「遺文」にも、このように法華経(御書)の依義判文は、唯授一人の血脈によらなければ分からないと誡められているのである。その意味では、歴代上人の御指南は皆、正依と同様に扱われるべきである。

・「無量義は一より無量を生ず」(『一代五時継図』全集689頁)とあるように、大聖人の法門は無限に展開し得るのであり、御書のみが大聖人の法門だと執着することは浅見に過ぎない。日寛上人が数多くの遺文を残されたのも、ある意味"御書の意義の展開"であろう。しかして宗祖が仰せのように仏法は「相伝に非ずんば知り難」(『一代聖教大意』)いのであるが、その「相伝」とは日寛上人御自身が仰せのように、「『塔中及び蓮・興・目』等云々。」(『撰時抄愚記』)と続く相伝、すなわち唯授一人の血脈なのである。大聖人の法門が無限に展開し得るということは、日寛上人以後の歴代上人も、時代状況に応じた新たな視点より法門の展開をなされる可能性が存在するとうことである。

・自身の会則・規則を変更して、これまで根本としてきたものを臆面もなく否定・削除する学会が、宗門の宗制宗規を云々するとは、身の程知らずというか、無知(無恥)蒙昧さには呆れるばかりである。





御書編纂

 創価学会の『御書全集』は、過去から伝承されてきた霊艮閣から出た縮刷等の御書の系年を踏襲しておるのです。ところが、そのなかには色々と系年についての誤りが残っているわけだから、そこを正しくしたのが本宗の御書なのである。
 もう1つは真偽の問題であります。これはなかなか難しいのです。間違いなく真書であるものと、全く偽書であるものと、あるいはその中間において、はたしてこれは真書であるか、偽書であるかが色々な面で、かなり深い、広い洞察と教義的な意味での深い経験乃至その内容がなければ、その判定は難しいのです。しかし、『平成新編御書』の編纂に携わった人達の非常に深い勉学のなかから、それらのものが正しく取捨選択されておるのです。
 たしかに『御書全集』は、総本山第59世日亨上人が撰定されたものではあるけれども、日亨上人は当時の意識としてそれをなさったわけである。しかしその後、何も変化していないのである。だから『御書全集』においては、どちらかというと大切な御書の一部分が掲載されていない意味がある。『本門戒体抄』という御書も、大聖人の御指南の上から大切な御書であり、なければならない御書ではあるけれども、そういうものも抜けておる。その他、かなり抜けておる御書があるのです。『御書全集』はある考えからの形でこれらを排除しておりますが、それらの全体を含めて、総括的に最も妥当な考えの上から取捨選択が行われたのが、今回、宗門で出版されておる御書でありますから、そのような面でも、皆、確信を持って、よく勉強に励んでいってもらいたいと思うのであります。

(第67世日顕上人『大日蓮』H17.8)


『開目抄』の「秘してしづめたまへり」の文について

(教学部長・水島公正 御尊師『大日蓮』H21.10)

 先般、『平成新編日蓮大聖人御書』の第4刷(平成21年6月7日発行)が刊行されましたが、それに伴い、御書の本文その他について、種々の改訂を加えました。
 そのうち、『開目抄』の
 「一念三千の法門は但法華経の本門寿量品の文の底に秘してしづめたまへり」(御書526頁)
の改訂について説明いたします。


【『開目抄』の諸本と第3刷までの平成新編御書】
 『開目抄』の御真蹟は、残念ながら明治8年の身延火災で灰燼(かいじん)に帰してしまい、現在は拝見することができません。
 次に『開目抄』の諸本についてですが、御真蹟と校合(きょうごう)したといわれるものに、次の諸本があります。

@精進日道本 応永16年 尼崎本興寺蔵 上巻のみ
A好学日存本 応永23年 尼崎本興寺蔵
B一乗日出本 応永23年 鎌倉本覚寺蔵 上巻のみ
C成就日学本 長禄年間 身延山蔵
D行学日朝本 明応年間 身延山蔵
E平賀日遊本 大永8年 平賀本土寺蔵
F仏性日奥本 慶長6年 岡山妙覚寺蔵
G寂照日乾本 慶長9年 京都本満寺蔵
H深見要言本 文化5年 版本
I小川泰堂本 明治5年校合 高祖遺文録

 これらのうち、当文について、A好学日存本、E平賀日遊本、G寂照日乾本、H深見要言本には"秘して"の文言はありませんが、F仏性日奥本には「秘シテ」とあることが確認されます。
 次にその他の主な刊本については、次の諸本があります。

J録内御書 宝暦6年
K霊艮閣版日蓮聖人御遺文 明治37年8月 加藤文雅
L類纂高祖遺文録 大正3年10月 田中智学
M日蓮大聖人御書新集 昭和4年2月 佐藤慈豊師
N昭和新修日蓮聖人遺文全集 昭和9年 浅井要麟
O日蓮大聖人御書全集 昭和27年4月 日亨上人
P昭和定本日蓮聖人遺文 昭和27年10月 立正大学
Q昭和新定日蓮大聖人御書 昭和41年4月 大石寺

 これらのうち、J録内御書には「秘シテ」、Q昭和新定御書には「秘して」とありますが、その他の諸本には"秘して"の文言はありません。
 以上のことから、第3刷までの平成新編御書においては、特に総本山第59世日亨上人が編纂されたO御書全集と、上下巻がそろった完本としては最古であるA好学日存本、および何度も御真蹟と校合したといわれるG寂照日乾本に基づいて「秘して」を本文に入れませんでした。


【第4刷で「秘して」の3文字を入れた理由】
 次に、平成14年4月に大石寺から発行された平成校定日蓮大聖人御書、および平成新編御書の第4刷において「秘して」の3文字を入れた理由は次のとおりです。
 まず、御相伝書の『寿量品文底大事』に、
 「開目抄の上に云はく一念三千の法門は寿量品の文の底に秘して沈めたまへり』と云ふ意趣如何」(御書1707頁)
とあるように、本宗では古来、「秘して」の3文字を入れて拝読してきたと推認されます。
 次に、総本山第26世日寛上人は『三重秘伝抄』において、「秘して」とお読みになり、重々の御教示をされております。
 また、先のF仏性日奥本には「秘シテ」とありますので、これらの理由によって、平成校定御書では、御当職であられた総本山第67世日顕上人の御指南を賜り、「秘して」の3文字を加え、異同を脚注に表現したのです。
 今回、平成新編御書の第4刷を発刊するに際し、平成校定御書の経過を踏襲して、「秘してしづめたまへり」と改訂したものです。





『平成新編日蓮大聖人御書』の編纂について

(教学部長・大村寿顕『大日蓮』H7.6編集)

 このたび、『平成新編日蓮大聖人御書』(以下、『平成新編御書』と略す)を発刊するに当たっては、実に265名もの教師僧侶の尊い御尽力を頂きました。ここに御協力を頂いた全国の教師僧侶各位に対して厚く御礼申し上げます。まことに有り難うございました。
 昭和41年4月28日、『昭和新定日蓮大聖人御書』(以下、『昭和新定』と略す)が宗門において初めて出版され、僧侶必携の御書として使われてまいりました。この御書の特徴は、日蓮大聖人の御書といわれるものは、『日朗譲り状』を除いて、すべて網羅したというところにあります。しかし、それは逆に、「定見のない御書」との謗(そし)りを免れません。
 そこで、宗門においては、宗祖日蓮大聖人第700遠忌の記念出版事業の1つとして、『昭和新定』の見直しをすべく、昭和62年の春、御書真偽検討委員会、御書系年対告衆検討委員会が設置され、藤本総監を委員長として、約8年の長きにわたって検討が加えられてまいりました。委員各位の並々ならない努力によって、このたび、一往の決着を見ることができたのであります。
 ここに『昭和新定』を改訂し、『平成新定御書(仮称)』の編纂出版作業も佳境に入ってまいりましたが、平成2年に創価学会の大謗法問題が勃発(ぼっぱつ)し、『平成新定御書』の出版よりも、従来『日蓮大聖人御書全集』(以下、『御書全集』と略す)に替わる、法華講員が使える御書の作製が急務となり、こうした経緯のもとに『平成新編御書』が出版されたのであります。



【不収録とした御書】
『平成新編御書』は、『昭和新定』から、62篇の御書を削除し、別に断簡を正篇に加えるなどして、計491篇の御書を収録しております。

<不収録とした偽書・真偽未決書>
 その内訳は、真偽委員会において検討した結果、「新編御書不収録一覧」「偽書」の項に示しましたように、『垂迹法門』以下の32篇が完全な偽書と決定されましたので、これを削除いたしました。
 次に、真偽未決の御書は、24篇ありますが、そのなかから『女人成仏抄』『土籠御書』『真言見聞』『上野殿御書』『法華初心成仏抄』『三沢御房御返事』『華果成就御書』の7篇は、真偽未決ではありますが、真書に近いものとして、本文に収録いたしました。
 この7篇を除く『師子頬王抄』以下の17篇は、真偽未決のうちでも偽書の可能性が濃厚でありますので不収録といたしました。それが「真偽未決書」の項に示した17篇の御書です。


<重複書として不収録とした御書>
 次に、重複書として収録しなかった御書は、「重複書」の項に示しました。まず『寿量品得意抄』は、真偽未決書であると同時に『開目抄』の一部と同文の重複書でありますので、収録といたしました。
 次の『立正安国論』の広本は、正本と重複しますので、不収録といたしました。また、『南条平七郎殿御返事』は、『種々御振舞御書』の末文と同じであります。『阿育王御書』は前半が『高橋殿御返事』、後半が『南条殿女房御返事』と同じで、本文が重複しております。
 また、『来臨曇華御書』は『内記左近入道殿御返事』の断簡であることが明らかになりましたので、不収録といたしました。
 また、『衣食御書』既に『昭和新定』において『上野殿尼御前御返事』の一部として収録しておりますが、『平成新編御書』もこれにならい、『上野殿尼御前御返事』に編入しておりますので、重複書として不収録といたしました。


<不収録とした真書>
次に、『六因四縁事』ほか8篇の御書は、御真蹟ではありますが、図録等で、信徒向けの御書には、どうしてもこの御書がなければならないという特別な必要性も認められませんので、これを不収録といたしました(「真書」の項参照)。


<『御書全集』収録分で不収録とした御書>
 また、『御書全集』に収録されているもので、『平成新編御書』に収録しなかった御書が3篇あります。まず、453『兵衛志殿御返事』と184『遠藤左衛門尉御書』の2篇は、偽書一覧に記載してありますように、真偽委員会によって偽書と決まりましたので、不収録といたしました。また、『寿量品得意抄』は、先程、重複書のところで申し上げたような理由で不収録といたしました。
 このように『昭和新定』からは、偽書の可能性の強い62篇の御書を不収録としましたが、『御書全集』に比べれば、78篇もの多くの御書が収録されております。



【系年を変更した御書】
<御筆跡・御署名等より変更>
 次に、系年を新たに変更した御書72篇を、「御書系年変更一覧」に示しました。1番上の番号は『昭和新定』の番号です。題名の下の系年は従来のものであり、その下の「新編の系年」とありますのが、新しく決定した系年です。
 これについての詳細な説明は、時間の都合上できませんので、そのうちの1、2について申し上げます。
 まず、24『三八教』ですが、この御書の内容は、天台の図録的なもので、今まで正嘉元年(聖寿36歳)とする説が濃厚でありました。しかし、御筆跡を検討した結果、100『金吾殿御返事』(文永6年と決定)に最も近い御筆と判断し、従来の正嘉元年3月16日から文永6年3月16日に変更いたしました。
 このように、御筆跡・書風から系年を変更した御書は、ほかに12篇あります。
 また、御署名・花押により系年を変更した御書は、62『御輿振御書』ほか18篇あります。
 このうち、468『桟敷女房御返事』は、和歌山了法寺に御真蹟が現存しており、それには「二月十七日」と、月日のみあって年号はありません。古来、建治4年の御書とされておりましたが、それは本文の末尾に、「あらあら申すべく候へども、身にいたわる事候間こまかならず候」の御文から、大聖人の御病状が重かった建治3年末より建治4年(弘安元年)5、6月までの御書と推定したためと考えられます。
 しかし、大聖人の御病気は、470『八幡宮造営事』の御文から、弘安4年にも窺(うかが)えるとして、御署名・花押の形態より『昭和定本日蓮大聖人遺文』(以下、『昭和定本』と略す)『昭和新定』は、弘安4年に系(か)け、『富士年表』もこの説を採っております。
 ただし、大聖人の御病気は弘安4年のみならず、弘安5年3月の498『筵三枚御書』にも窺われるように、弘安5年2、3月ごろまで続いたことが明らかです。そこで御署名・花押について、さらに詳細に検討した結果、日蓮の「蓮」の字の「しんにゅう」の形が、弘安4年3月21日と目される、断簡57『稻河入道殿御返事』以降は、右上に跳ね上がる特徴があり、本書にもこの特徴が見られ、特に本書の「蓮」の字は、そのなかでも後期に属するものと判断できますので、むしろ弘安4年よりも、弘安5年に系けるべきであると決定いたしました。


<文字の誤読・誤記による変更>
 まず、99『六郎恒長御消息』は、従来、文永元年説でありましたが、宮崎英修が『波木井南部氏事跡考』という論文において、「元」は「六」を誤写したものであるとの説を立てて以来、文永6年説が定説になり、『昭和新定』もこれに倣(なら)ってまいりました。
 しかし、日達上人は『富士学報』の2号に、この御書は内容的には佐前の、念仏破折の一連のなかに入るものであり、文永元年9月とすべきであると御指南されております。しかも、最も古い文献である『本満寺録外』にも文永元年とあるところから、委員会では日達上人の御指南のとおり、文永元年といたしました。
 また、210『三沢御房御返事』は、従来、文永12年2月11日でありましたが、『縮刷遺文』(霊艮閣版)で「二月二十一日」としたため、以後の『昭和定本』『御書全集』『昭和新定』等がこれに倣って、「二月二十一日」としております。
 しかし、「二十一日」と改めた理由は全く不明で、筆写の際の誤記であると思われます。故に、本書は御真蹟はありませんが、御真蹟と対照したとする写本の説(高祖遺文録註)を採り、文永12年2月11日といたしました。


<「御本尊」・「法華経の御宝前」という語の用い方により変更>
 このほか、委員会においては、御遺文中の「御本尊」と「法華経の御宝前」という語の用い方を系年推定の1つの基準といたしました。
 つまり、大聖人は、弘安2年10月以前は「御本尊」と言われ、それ以後は「法華経の御宝前」という言い方をされております。これを考慮して検討した結果、315『日女御前御返事』・368『初穂御書』・375『十字御書』の3篇の御書の系年が変更されました。
 特に315『日女御前御返事』は、従来、建治3年8月23日の書とされておりましたが、日顕上人が平成4年9月21日、法観寺の御親修の折に御説法され、昨日もまた御講義を賜りましたように、本書は、日女御前に授与された御本尊(現存はしない)の体相を述べられたものであり、現存する大聖人の御本尊132幅のうち、提婆達多が記されているのは、文永11年7月25日の1幅を除き、弘安2年2月の目師授与の御本尊以後、弘安5年に至る御本尊に限定されるのであります。
 本書は従来、建治3年に系けられておりましたが、同年の他の御本尊には提婆達多はありません。
 また、本書には竜女の名が見えますが、竜女が記されている御本尊は、弘安2年2月の目師授与の御本尊のみであります。
 これらの理由により、本書の系年は弘安2年8月23日に系けるのが妥当であると考えたのであります。(下記補足参照)



【対告衆を変更した御書】
 次に、対告衆を変更した御書は、「対告衆変更一覧」に示しましたように、114『月満御前御書』以下の12篇であります。
 114『月満御前御書』は、四条金吾宛ての御書とするのが定説となって現在に至っております。しかし、そうすると、本書の「若童生まれさせ給由承候」の文が、同年同月の御書である、113『四条金吾女房御書』の「懐妊のよし承候畢」と時期的に合わなくなります。
 故に対告衆は四条金吾ではなく、それ以外の鎌倉在住の檀越と見るほうが穏当であります。
 本抄の初見となる『他受用御書』には「月満御前」とのみで、四条氏の名前はありません。したがって、委員会においては、この書の対告衆を月満御前としたわけです。



【断簡に命名した御書】
また、このたびの『平成新編御書』を編纂するに当たり、今まで無名であった断簡をそれぞれ一書として、それに当編纂委員会において初めて、「断簡御書一覧」に記載してありますような題名を付けましたので、御承知ください。



【題名を変更した御書】
 次に、題名を変更した御書について申し上げます。
 従来、宗内で使用されてきた『御書全集』収録の御書で、対告衆の変更などにより題名が変わったものは47篇あります。便宜上、変更以前の題名は、『平成新編御書』の目次の異称・略称の欄に記載してあります。
 『御書全集』の御書名を変更した御書一覧は資料(「御書名変更一覧」)に示したとおりです。
 なお、細かい部分の変更は、『昭和新定』の題名に合わせたものでありますので、これを省略し、主なものについて申し上げます。
 まず、表の1の『十住毘婆沙論尋出御書』ですが、本書には宛て名があり、「武蔵公御房」となっております。故に、わざわざ『十住毘婆沙論尋出御書』とする必要性もないことから、本来の宛て名を題名として、『武蔵公御房御書』といたしました。
 次に、2の『念仏者・追放せしむる宣旨・御教書・五篇に集列する勘文状』であります。この書は題名が長いために、通常、略称をもって『念仏者追放宣状事』などと称されております。
 『平賀本』では、本文末尾にある『念仏者追放宣旨御教書事』を題名としており、今回、検討の結果、これを採用いたしました。
 次に、4の『六郎恒長御消息』ですが、本書は昭和47年の教師講習会で日達上人が、対告衆を六郎恒長とする根拠はどこにもなく、この御書は門下一般に下されたものであるとされました。故にこの説を採り入れ、最も古い文献である『本満寺録外』の題名を採用し、『念仏無間地獄事』といたしました。
 次に、21の『一谷入道御書』ですが、この『一谷入道御書』との題名が、『御書全集』を含めた既刊御書のなかで最も多いのであります。しかし、本書を頂いたのは一谷入道の妻であることから「女房」を付すのが適当であると思われます。『昭和新定』では、『録内御書』を踏襲して『一谷入道百姓女房御返事』としておりますが、委員会としては強(し)いて「百姓」を付ける必要はないと判断し、題名を『一谷入道女房御書』と訂正いたしました。
 次に、27の『高橋殿御返事』ですが、本書は日達上人が昭和43年の教師講習会において、既に対告衆を南条時光に変更されております。よって、『高橋殿御返事』との題名はふさわしくないので、別名を採用して『米穀御書』といたしました。
 次に、28の『妙法尼御前御返事』ですが、本書には御真蹟がなく、古来から写本、刊本、目録等、すべてにおいて『六難九易抄』として収録されていたものであります。『他受用御書』で初めて『妙法尼御前御消息』と改められましたが、本書の内容からは対告衆を妙法尼とする材料は何も見当たりませんので、古来からの題名である『六難九易抄』に戻す形を採りました。
 また、『昭和新定』番号446の『大尼御前御返事』についてですが、本書は第19紙と第22紙の断簡2紙を合わせた御書で、従来、独立した2篇の御書として扱われてきたものですが、『昭和新定』で、これを一書として扱ったために、本文の内容から見て脈絡のないものとなっておりました。
 そこで今回、従来どおり前半の第19紙と後半の第22紙を分離して扱うことにし、前半の第19紙を『大学殿事』とし、後半の第22紙を『大尼御前御返事』として収録しました。



【編纂に当たって解明された御書】
 『平成新編御書』は、御真蹟、古写本等の伝承本を重視しつつ、既刊の御書および御書講義類等を参照して編纂いたしました。
 その結果、『昭和定本』『御書全集』『昭和新定』等の従来の御書の誤りが発見され、それを訂正した箇所がいくつかあります。
 今、そのなかの代表的なものを紹介いたします。

<『浄土九品の事』>
 初めに、御真蹟が西山本門寺に蔵されている『浄土九品の事』について申し上げます。これは資料(【『浄土九品の事』】)を参照していただきます。
 従来の御書では、後半の「下輩・中輩・上輩」等の文字が逆さまになって表記されており、その意味するところが不明瞭でありました。
 それが、このたび、当抄を校正した若手編纂委員より、「下輩・中輩・上輩」は、本抄前半の「上品・中品・下品」に関連するのではないか、との指摘があり、御真蹟を拝して検討したところ、『日蓮聖人真蹟集成』(以下、『真蹟集成』と略す)に収録された当御書の「下輩・中輩・上輩」等の後半の1紙を逆さまにし、「上品・中品・下品」等が書かれた前半1紙に合わせてみたところ、後半1紙の文字の欠けた所と、前半1紙の文字の欠けた所とがピッタリと一致して、「三」と「品」の字が、はっきりと顕れたのであります。
 しかも、それによって、「上品」は「上三品」、「中品」は「中三品」、「下品」は「下三品」となっていたことが判り、また、それぞれに、「上輩」「中輩」「下輩」が関連した図となっていたことが明らかになったのであります。
 たしかに浄土宗では、「上輩・中輩・下輩」の三輩と、「上三品・中三品・下三品」の九品は、共に念仏によって往生する人の機根と行位を示す教義であり、御真蹟を上下に合わせると、そのことが説明づけられるのであります。
 現在の御真蹟は、元の御真蹟が過去に何かの理由で上下に切られてしまい、上半部が逆さまに表装されてしまったものと思われます。そして、従来の御書は、この切り離されたままの状態で収録されていたことが判明したのであります。


<『依法不依人御書』>
 次に、『昭和新定』に収録されている断簡御書を改めて1つひとつ検討したことにより、『昭和新定』では断簡149として扱われていたものが、『依法不依人御書』(平成新編御書805頁)という題名で新たに独立した御書として編纂することができました。
 いわゆる『昭和新定』では、『真蹟集成』に収録された玉沢の妙法華寺ほか3ヵ所に蔵されている断簡7紙を、『真蹟集成』の収録順に1篇の書として編纂していますが、『昭和定本』や『日蓮大聖人御真蹟対照録』では収録順が異なって編纂されており、研究の余地が充分にあったのであります。
 そこで、今回、当断簡を検討してみたところ、『昭和新定』2606頁に収録されている、池上本門寺蔵の「行ありて学生ならざるは国の用なり」以下「一仏の名号には諸仏の功徳」までの御文と、同2602頁に収録されている玉沢妙法華寺蔵の「をさまらず。法華経の五字には諸経をさまるというか」以下「法相宗・三論宗等も皆我が依経を本として諸経を」までの御文が、その文体と内容から見て、1書として差し支えないことが確認されたのであります。
 すなわち、「問うて云く」「答えて云く」の構文の関連、「一仏の名号には諸仏の功徳をさまらず」と「法華経の五字には諸経をさまるというか」の両御文の文脈と内容の関連、さらには御真蹟の両紙の御筆跡は同一であると認められることから、両紙の首末の字の欠けた部分を繋ぎ合わせるとき、「華」「経」「に」「は」等の字が合致して、当断簡が続いていた御文であることが明らかになったのであります。
 さらには、「問うて云く一仏の名号には諸仏の功徳」の次に来る解読不明の文字を「は」と判読したことにより、「諸仏の功徳はをさまらず」というように御文が繋がりました。以上の観点より、両紙は同一の繋がった御書であると判定したのであります。
 この御書に、さらに、『昭和新定』2603頁に収録された「よするなり。されば華厳宗に人多しといえども澄観等の心をいでず」以下の断簡2紙が繋がるのであります。
 つまり、『昭和新定』2602頁に収録されている玉沢妙法華寺蔵の、「をさまらず。法華経の五字には諸経をさまるというか。答て云く、爾なり(乃至)華厳宗と申す宗は華厳経を本として一切経をすべたり。法相宗・三論宗等も皆我が依経を本として諸経」の御文に、『昭和新定』2603頁収録の「よするなり。されば華厳宗に人多しといえども澄観等の心をいでず」云々との御文が繋がるのであります。
 もともと、『日蓮大聖人御真蹟対照録』では、両方の断簡を1篇として編纂していましたが、今回、当委員会では、華厳宗に関する同一の記述、および依法不依人に関する首尾一貫した内容、そして「よするなり」の「よ」の字を「釈」(『昭和定本』では「釈」と判読している)と解読したことによって前後の文脈が通り、同一の御書であることを認めたのであります。
 このように、玉沢妙法華寺に蔵される断簡3紙と、池上本門寺に蔵される断簡1紙は、同一の接続する御書であると判定し、その内容から『依法不依人御書』と名を付けたのであります。

 このように、『平成新編御書』の発刊に伴い、従来の御書に欠けていたところや、編集のミスを訂正することができましたのも、編纂委員各位のひたむきな研鑽の賜物であると深く感謝申し上げます。
 以上、御真蹟のある御書の内、代表的な3書を選び、その校訂について述べました。
 また、『平成新編御書』においては、古来の伝承、すなわち、御真蹟、写本、刊本に本来なかった年月日は、本文から削りました。御書の系年は推定によったとしても、本文に置くことは、大聖人のお筆による本来の姿ではないと考えたからであります。
 このほか、『平成新編御書』は、『高祖遺文録』以来そのままにされてきた御文も、改めて古来の御書と突き合わせ、元に戻したほうがよいところは戻すようにいたしました。
 これらの意味でも『平成新編御書』は、従来、出版された諸御書よりも、大聖人の御真意をより正しく伝えていると言えましょう。


【ルビについて】
 最後に、御書のルビについて申しますと、『平成新編御書』には、今まで使用してきた『御書全集』にはないルビがいくつか付いています。
 例えば、『御書全集』等には、「一滞」との文字に「いったい」とルビが付けられていましたが、これを今回、「いってい」と読み方を変えました。その理由は、『南条殿御返事』(平成新編御書1522頁)の御真蹟を見ますと、そこには「大海の一H」と漢字で書かれていますが、その4行後には、「一」と漢字で書かれ、続いて平仮名で「てい」とあり、その後、同様の表記が3ヵ所にわたって書かれております。このことから、大聖人は、「いったい」ではなく「いってい」と読まれていたものと判断し、そのようにルビを付けたのであります。
 また、従来、「えきびょう」(疫病)と読んでいたものを、今回は、「やくびょう」とルビを付けました。これは、御真蹟が総本山大石寺に現存している『上野殿御返事』(竜門御書)に、大聖人の御筆で「やくびやう」と平仮名で書かれておりますので、それを重んじて、このようなルビを付けたのであります。
 また、「けんざん」(見参)を「げんざん」、「けさん」を「げざん」として、ルビまたは漢ルビを振りました。これは、各種の国語辞典または古語辞典によったのであります。
 また、「まほる」、つまり「守る」は、「まぼる」と表記して漢ルビを振りました。これは、明治までは、濁音・半濁音の表記法がないためにすべて清音で表記されておりました。この「まほる」は、守護・警護の意味であります。これは、国語辞典(新潮国語辞典・大言海)によりますと、「まぼる」と発音しなければ「守る」の意味にならないとあります。そこで、『平成新編御書』では、現代の表記法に従って、発音どおり「まぼる」と表記いたしました。
 なおまた、絶待妙または相待妙は、各辞典ではそれぞれ「ぜつだいみょう」「そうだいみょう」と読んでいますが、宗門伝統の読み方を尊重して、従来どおりに「ぜったいみょう」「そうたいみょう」と振り仮名を付けました。
 また、御会式の際、捧読する『立正安国論』で、かつては「客の曰く、今生後生誰か慎まざらん誰か恐れざらん」と読んでいた箇所がありますが、この「恐れ」という字は、御真蹟は「和」という字になっております。したがって、今後は「誰か慎まざらん誰か和(したがは)ざらん」と読みますので、捧読に際しては充分御注意いただきたいと思います。
 なお、『平成新編御書』について誤字・脱字等その他、お気付きの点がありましたら、教学部までお知らせくださるようお願いいたします。
 本年は、地涌6万大総会を開催して、いよいよ僧俗一致して真の広宣流布に向かって大前進を開始する大事な時を迎えました。この時に、宗門において初の『平成新編御書』が刊行されましたことは、まさに宗門主導の広宣流布の時が来たと、歓喜に身の引き締まる思いであります。
 これひとえに御本尊の御威光と、御法主上人の尊い御慈悲の賜物であります。
 それに加えて、宗門を担う若手教師各位の並々ならない努力があったればこそであります。ここに重ねて厚く御礼申し上げますとともに、教学の推進に、今後一層の御協賛を賜りますようお願い申し上げ、編纂委員会を代表しての「『平成新編日蓮大聖人御書』の編纂について」の話を終了させていただきます。

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■「平成新編日蓮大聖人御書」の編纂について
―補足/『日女御前御返事』の系年について―
(教学部長・大村寿顕『大日蓮』H7.7)

 先月号に、「『平成新編日蓮大聖人御書』の編纂について」と題し、その経緯を御紹介いたしました。そのなかで、315『日女御前御返事』の系年を、従来の建治3年8月23日から弘安2年に変更した理由について、次の2点を挙げました。
 すなわち、1点は、同抄に「悪逆の達多・愚癡の竜女云云」と、提婆達多と竜女が示されておりますが、現存する大聖人の132幅の御本尊中、提婆達多が示されるのは、文永11年7月25日の御本尊の1幅を除いて、弘安2年2月の日目上人授与の御本尊以後、弘安5年に至る弘安年中の御本尊に限定されているということであります。
 また、もう1点は、竜女が示されている御本尊は弘安2年2月の日目上人授与の御本尊のみであるということです。
 以上を弘安2年に変更する理由といたしましたが、さらにもう1点、建治年中の御本尊には、「善徳仏」と「十方分身仏」が勧請(かんじょう)されておりますが、弘安元年以降の御本尊からは、全く見ることができないということです。
 すなわち、御本尊の相貌(そうみょう)について、建治2年に確定されている『報恩抄』には、
 「日本乃至一閻浮提一同に本門の教主釈尊を本尊とすべし。所謂宝塔の内の釈迦・多宝、外(そのほか)の諸仏並びに上行等の四菩薩脇士となるべし」(平成新編御書1036頁)
とあります。ここに「外の諸仏」とあるのは、建治年中の御本尊の相貌と同じく、十方分身の諸仏を示されたものです。ところが、『日女御前御返事』における御本尊の相貌を教示されたところには、
 「されば首題の五字は中央にかゝり、四大天王は宝塔の四方に坐し、釈迦・多宝・本化の四菩薩肩を並べ、普賢・文殊等、舎利弗・目連等座を屈し、日天・月天・第六天の魔王・竜王・阿修羅・其の外(ほか)不動・愛染は南北の二方に陣を取り、悪逆の達多・愚癡の竜女一座をはり云云」(同1387頁)
とあるように、「善徳仏」や「十方分身仏」を表示する部分は全く見ることができません。
 このことは、『日女御前御返事』が建治年中の御書ではなく、弘安元年以降の御書だからであると思われます。したがって、これも『日女御前御返事』を弘安2年にした大きな理由であります。
 この点が欠けておりましたので、補足いたします。





宗門御書の批判は「ヤブヘビ」

―他門の御書を元に編纂の御書全集―
―研究に伴い新たな御書刊行は当然―

(『慧妙』H17.7.16)

 昨今の『創価新報』では、宗門において信徒向けに出版された『平成新編御書』、さらに主に僧侶の教義研鑽用に編纂(へんさん)された『平成校定御書』の2書に対して、繰り返し批判をしている。
 そこで、本紙5月16日号において、学会が『浄土九品の事』について宗門御書の誤植を非難したことを中心に、破折を加えた。そして、『浄土九品の事』について御真蹟(しんせき)と照合すると、宗門御書より学会版『日蓮大聖人御書全集』の方が誤植の数が多いことが明らかであることを述べ、宗門御書に難癖(なんくせ)をつけている暇(ひま)があったら、自身の『御書全集』の誤植を訂正すべきである、と指摘した。
 むろん、すでに述べたごとく、どんな書物であっても、ミス1つ無い完壁なものに仕上げるのは不可能であり、ましてや、古文書解読の困難な大聖人御書を校正するのは、容易ではない。その上、じつに数多(あまた)の御書を編纂するのであるから、人為的ミスが出るのも当然である。
 そこで、新たな御書を出版する目的とは、過去の御書の研究成果を踏まえて、さらに正確な、大聖人の御聖意に叶(かな)う御書に仕上げていくことである。
 このような御書編纂の大事を弁(わきま)えない無智な学会員は、宗門誹謗(ひぼう)の材料として、誤植や校正ミスを探し出し、針小棒大な悪口を吹聴(ふいちょう)しているだけのことである。
 そこで『創価新報』の記事を鵜呑(うの)みにしている哀れな学会員のために、ここに、あえて学会の『御書全集』について触れてみたいと思う。
 近年、宗門より出版された御書は、従来の各御書について、系年問題、真偽問題、本文の校訂等、種々の角度から研究がなされ、より正確を期した御書となっている。過去の御書における様々な問題を検討しているがゆえに、従来発行の御書より、さまざまな点で勝(すぐ)れていることは当然である。
 したがって、『御書全集』より『平成新編御書』『平成校定御書』の方がより勝れている点は、各所に見い出せる。しかし、卑劣にして姑息な創価学会は、『平成新編御書』や『平成校定御書』の細かな校正ミスのみをあげつらって、愚にもつかない批判をしているのである。
 だが、創価学会が「最高の御書」と豪語する『日蓮大聖人御書全集』は、じつは、過去に出版された邪教日蓮宗系の『高祖遺文録』『縮冊日蓮聖人御遺文』『日蓮聖人御遺文』(高佐編)を元とし、かなりの影響を受け入れながら編纂されていることを御存知だろうか。特に、『日蓮聖人御遺文』(高佐編)は、編纂者は高佐貫長という人物で日蓮宗の僧侶である。このような人物が中心となって作った御書を元に、校正編纂されているのが学会版の『御書全集』なのであり、これが最高の御書であると言い切れるはずがない。
 ちなみに、『御書全集』と、この『日蓮聖人御遺文』とを比べると、御書の掲載の順序、御書末尾の「弟子檀那等列伝」、「年表」等、そのまま踏襲(とうしゅう)している。もちろん多少訂正をしている部分もあるが、従来の御書の影響を大きく引きずっていることがわかるのである。
 さらに『御書全集』は、大聖人の戒に関する重要書『本門戒体抄』はじめ、いくつかの御書が抜け落ちていたので、『平成新編御書』には、『御書全集』に未収録であった御書78編、相伝書3編、日興上人御教示2編が新たに収録された。
 さらに、『御書全集』の内容について、誤りのほんの一例をあげると、たとえば、『減劫御書』の
 「智者とは世間の法より外に仏法を行なはず」(『平成新編御書』925頁)

 「智者とは世間の法より外に仏法を行ず」(『御書全集』1466頁)
として、「行なはず」を「行ず」と誤読している。
 これについては、過去に宗門から指摘を受け、『聖教新聞』紙上で訂正を行なった経緯がある。
 また、大聖人の弘安2年の御本懐を示す重要書である『聖人御難事』については、日蓮宗の各御書等をはじめ、学会版『御書全集』にも
 「彼のあつわらの愚痴の者ども・いゐはげまして・をどす事なかれ」(『御書全集』1190頁)
と示され、「をどす」としているが、御真蹟では、「をとす」となっており、濁点は付いていない。
 よって、宗門発行の『平成新編御書』においては、「おとす」として、「堕」のルビが振られている。
 この御文の意味は、牢に召し捕られている熱原の信徒に対して「言い励まして、信心を退転させないよう(堕さない)に」と、四条金吾に御指南くだされている内容である。
 それを、「おどす」としてしまっては、「熱原の信徒を脅かさないように」となってしまい、四条金吾が熱原信徒を脅すはずがないので、「おどす」では意味が通らなくなる。
 ちなみに、学会の『日蓮大聖人御書講義録』には、この御文の通解として「かの熱原の信心微弱な者たちには、強く激励して、おどしてはならない」(第24巻366貢)となっていて、『御書全集』を元に、誤った解釈をしている。
 堀日亨上人のご協力を得て、学会員が中心として編纂したご自慢の『御書全集』に、多数の誤植や誤読があることは、否定できない事実なのである。
 それに目をつぶって、、宗門の御書を「史上最低の御書」などと罵(ののし)って批判している卑劣な行為は、宗門への中傷誹謗のためにしか過ぎないのである。
 前述のごとく、今日の宗門御書が、従来の各御書よりもあらゆる面において勝れていることは、揺るぎない事実である。
 なお、日蓮正宗の御書編纂には、当宗のみに伝わる唯授一人の血脈相承の正眼の上から、大聖人の御聖意に叶う御判断を下されているところに、他宗の御書との大きな相違が存することは、言うまでもない。この、血脈の正しい眼識がない学会が、今後、いくら御書を編纂しようとも、大聖人の御聖意に叶うことはできない、と知るべきである。





天に唾(つば)吐く宗門御書への批判

―宗門御書の誤植をあげつらったものの―
―学会御書の同じ頁と較べてみると…―

(『慧妙』H17.5.16)

 4月20日付『創価新報』に、「間違いだらけの宗門御書『平成校定』」と、相も変わらず悔(く)やし紛(まぎ)れの批判記事が掲載されている。
 それによると「東洋哲学研究所の主任研究員・小林正博氏の調査により、『平成校定日蓮大聖人御書』に、数多くの誤りがあることが明らかになった」として、宗門御書の批判を、小林正博の調査を根拠として展開している。
 この小林なる人物は、もちろん学会員で、過去にも宗門批判の書物を著(あらわ)して、さんざん宗門側から破折されてしまった有名人である。このような人物が、学会に都合のよい論を振りかざし、宗門の御書を批判したところで、目くじら立てて反論するには値しないが、迷える学会員のために、あえて示しておこう。
 5月4日付の『創価新報』では、具体的に『平成校定御書』の『浄土九品の事』の文を挙(あ)げ、「『諸行往生』ではなく、『諸行無常』となっているのである。これは重大な誤りだ」と、誤植を取り上げ、さも重大な誤りのごとくに批判している。



【『浄土九品の事』】
<「源空の系図」について>
 たしかに、ここでは校正ミスにより「往生」を「無常」としてしまっているが、ここに記されている「源空の系図」について、大聖人、の御真蹟(しんせき)と、学会版の『御書全集』と、宗門発行の『平成校定御書』とを見比べてみる。
 まず、「源空 法然房」の科段の下には弟子が示されているが、その弟子の表記のなかで、『御書全集』(698頁)には「善恵―小坂―道観」となっているが、『平成新編』(校定と同じなので読者の便のため、新編を挙げる。424頁)では、「善慧―道観」となり、「善慧」(善恵とも記す)の右上に「小坂」と示されている。
 ここで「小坂」の記されている箇所が異なっている理由を、小林は気付いただろうか。
 この「小坂」とは、流派名のようなもので、善慧が小坂という場所に住して弘教したことから「小坂義」と称したのである。つまり、「小坂」とは人物名ではなく、善慧の流派名(元は地名)を指(さ)すのであるから、「善慧―小坂―道観」という表記では、誤りであることがわかる。
 さらに『御書全集』では、善慧の弟子である「修観」を、聖光の弟子に含めてしまい、さらに「故打宮入道修観」と示して、「打宮入道」(宇都宮弥三郎頼綱)と「修観」を繋(つな)げて記載してしまっている。だが、「修観」は善慧の門下であって、聖光の門下ではない。この箇所に関しても、『平成校定御書』・『平成新編御書』ともに、正確に記載されてある。
 『御書全集』では、この「源空の系図」を見るだけでも、同様の誤りが4、5箇所も見られる。
 学会は、この系図に関して、宗門御書の1箇所の校正ミスを見つけて大々的に批判しているのに、自ら最高と豪語する『御書全集』に、4箇所以上も誤りが存しているときては、面目丸つぶれである。

【画像】:源空の系図


<「上品・中品・下品」「上輩・中輩・下輩」>
 さらに、この『浄土九品の事』については、『平成新編御書』・『平成校定御書』ともに新たな発見をして、過去の御書(『御書全集』および日蓮宗出版御書)における誤った表記を訂正している。
 それは『浄土九品の事』の科段の上段で、「上輩 大乗凡夫」「中輩 小乗凡夫」「下輩 一向□人」の語句が、本来、「上品 中品 下品」の科段の上に来なければならない(『新編』422頁)ところを、全く別の場所に記してあった(『全集』699頁)。
 この原因は、この御真筆の紙の上部が折り返してあり、上部に認(したた)められていた語句が、別の場所に逆さに貼り付けてあったためだ。
 ゆえに、この部分を、学会版の『御書全集』はじめ日蓮宗の各御書には、そのまま逆さの状態で表記していたが、これを宗門は解読・訂正し、日蓮門下では初めて、『平成新編御書』・『平成校定御書』において正確に表記されたのである。
 この『浄土九品の事』の全体を拝するとき、宗門の御書と他の御書を見比べてみると、明らかに宗門の御書の方が意味が通じるものとして仕上がっている。学会員も、よく見比べてみるがいい。(<『浄土九品の事』>参照)

 これを拝しただけでも、宗門発行の御書が、未解読であった部分を解決しており、過去の御書と比較して勝(すぐ)れた御書であることが明白である。
 しかし、宗祖大聖人の数多(あまた)の御書を完壁に編纂(へんさん)するのは、まだまだ不可能であろう。系年問題、真偽問題にはじまり、御真蹟の保存状態が良くない御書や、御真筆がすでに存在せず、複数の写本を頼りに校正しなければならない御書もあり、その編纂はけっして容易にできうるものではない。まして、何万字という語句を、1箇所もミスなく校正するのは困難であり、人為的ミスが出てくるのも当然である。
 大切なのは、これら校正ミスや訂正箇所を、わかり次第、訂正していき、版を重ねるごとに、より完壁なものに仕上げていくことなのである。
 ゆえに、過去において刊行されている『日蓮大聖人御書全集』『昭和新定御書』に様々な問題が存する今、新たな御書が刊行されたのも当然のことといえる。いや、これこそ、大聖人はじめ御歴代上人方の御意志に適うものである、と信ずる。
 それを、細かな部分の校正ミスを取り上げて、「御書編纂史上最悪の愚作」などと誹謗(ひぼう)する学会は、莫迦(ばか)としか言いようがない。宗門がより勝れた御書を発刊していく姿を妬(ねた)ましく思い、自らの御書の誤植・誤表記等を棚に上げて、難クセを付けることぐらいしかできないのであろう。
 ともあれ、宗門版の御書から校正ミスが訂正され、より完壁なものへと発展していくのは喜ばしいことだから、小林正博はじめ東洋哲学研究所の面々は、寸暇を惜しんで宗門御書の校正に当たりたまえ。
 法華経に云わく「魔及び魔民有りと雖も皆仏法を護る」と。呵々。